ビッグ・アート6
もっと後ろにいて欲しかったな…
なに言ってんだろ…私…
『皆お疲れー!おかげておもったよりもはやく完成したよ!』
一部を除いて頑張ったかいがあってビッグ・アートは夏休み中に完成した。
『おーい一年生!』
こうき先輩が私を呼んでる。
「なんですか?」
『俺たち今からさぁ部門費でいろいろ買ってくるんだけどなにがいい?』
「じゃぁ、アイスお願いします。
できれば氷系のさっぱりしたやつで。」
『注文多くてめんどくさいから適当に買ってくるわ。』
なんだそれ
だったら最初から聞くなよ。
…なんか…わからなくなってきた…
私は人混みから離れて日向に座る。
太陽に当たっていると落ち着く。
『よっ!お疲れ、メイちゃん。』
ーぱしっー
!?
冷たっ!
『メイちゃん氷系がいいって言うから大変だったんだからね。』
後ろにたっていたのははじめ先輩。
そー言えばはじめ先輩に名前呼ばれるのはじめてだな。
てか、名前知ってたんだな。
「すいません
ありがとうございます。」
『うん、なんかさっき笑ってなかった?』
「笑ってないですよ?」
実は少し笑っていた。
アイスの渡しかたがよくある漫画見たいでおかしかった。
『っあ!はやくしないとアイス溶けちゃうよ!?』
「っほんとですね!はやく食べましょう!」
なんか、ひさしぶりに笑ったなぁ~
こんなに面白い会話だっけ。
多分回りから見たらどうでもいい会話なんだろうな。
なんか…時が止まってるみたい。
「っちょ!はじめ先輩!!アイス垂れてます!」
『ぅお!?やっべ!
ちょ!はやくティッシュティッシュ!』
「っあ!すいません!私ティッシュ持ってないです!」
普段からそんなに美意識がない私はあまりティッシュを持ち歩かない。
『ええ!まじで!?
おーい!こうき!ティッシュ持ってきて!』
『あぁん!?ふざけんな!俺は今アイス食ってんだよ!邪魔すんな!』
こうき先輩って自由な人だなぁ~
『はぁ!?どおすんだよこのアイス!?』
私のアイスは氷系だから溶けても垂れることはなかった。
バニラの甘いアイスを食べていたはじめ先輩は、溶けたアイスが首にまで垂れていた。
…………
「はじめ先輩のアイス…美味しそう…」
ーペロッー
!?
あれ!?私…なにしてるんだろう…
私ははじめ先輩の首に垂れているアイスを舐めていた。
流石にはじめ先輩も驚いている。
『っちょ!メイちゃん!?』
「…先輩のアイス…美味しいですね…」