すべてを折り曲げて、抱くから。
頭の中をぐるりと覆う煙が広がってどうしようもない日には世界を消してみれば、なにかが変わるかもしれないと思って、目を閉じた。
こんな、冷たいドアによりかかって、君のことを考えている。
部屋の電気は付けないよ。
暗くないと、この空間に君を探すことができなくなるから。
どこにも、あの存在がいないと、気づきたくないんだ。
目を閉じるだけでは心が寂しいって泣いてしまうから、放っておけない。
首の奥が少し苦しいんだ。
なにかそこでもがいているような気さえするけれど、それはなんだろう。
恐怖じゃない、ただの孤独という冷たい想い。
消えてしまいたいと君がこの場所を憎むようになる前に
はやくここから逃げ出そう。
これ以上、人を求めた悲しさを体が感じてしまう前に。
誰がどこにいても、それは存在として、この地球に残る。
だけど、すごく切ないときもあるから、不思議だ、なんて思う。
なんで、こんな世界。
あれほど望んでも、すべてを失うことも怖がらなかった私は、どこにいればいい?
もう、行く場所はない。
大声で、あんなことを叫んでしまったから、もう、ここには、いられない。
感情のままにすべてを吐き出し、泣けたら、抱きしめてほしい。
声にならないこの言葉を、君が受け止めてよ。
のどが、焦げて痛い。
骨が折れるぐらい、きつく肩を引き寄せて、抱き締めて。
その両手でこの存在を許してください。
どうか消えてしまわぬように。
自分では、ひとりでは、ここに立っていられないから。
君と一緒にいたいから。
どんなに強がっていても、ひとりで生きてゆくのは難しかったよ。
どうせなら、この空のずっと奥のあの青まで、行ってみたい。
誰も、私を受け入れてくれないのかな。
そんなふうに生きてしまったのは、わたしが弱いからなのか。
どうしようもないぐらい、君がすきだ。
ずっとずっと、その目でこの体を見ていて欲しい。
私という存在から、ひとときも離れずに、肌、筋肉、骨、血、爪、歯、目、臓器のすべてを包んでいて。
強い強い力で、私が少しも動けなくなるように、抱き締めていてください。
ただ、それだけで、身体は温まるから。
独り言のような感じにしたかったので、ブツブツ切りましたが、読みにくかったら申し訳ないです。