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5話 大会間近



「ただいまー」


「あら、お帰りなさい。今日は早かったのね。」



家に帰ってきた俺を母さんが出迎えてくれた。外見はそこそこきれいってところだと思う。実の母親を評価するのは微妙な気分だけど。


「お兄ちゃんおかえり。」居間から妹も顔を出してきた。こいつもかわいい顔をしていると思う。親父も弟もそうだけどうちの家族は俺以外みんな整った外見をしている。俺だけ残念な顔。なのに兄妹と分かるくらいには似ているという不思議さ。



俺だけ頭でかくて足短いんだよなぁ…やばい、涙が溢れてくる…


「今日は帰ってくるの早いね。ってかなんで泣いてるの大丈夫!?」


「大丈夫。最近は目から汗を流すのが俺のブームだから。」



 え?と戸惑う妹を無視して食卓へ向かう。晩飯食ってさっさと寝なきゃな!


「あんた早く帰ってくるなら連絡しなさいよ。今日はカレーだったからいいけどご飯の準備するのも大変なんだからね」


「いや、来週から大会だから今週は無理しないって言ってあったよね」


「………まあいいわ、ご飯にしましょ。」



 流しやがったな母さん。まあいいけどさ。今日はメンタル的に疲れてるから早く休みたい。


「はい。味わって食べなさい。里奈―ご飯用意できたから健介呼んでー。」


「わかったー。」



 俺の前にご飯が用意された。里奈(俺の3つ下の妹)が健介(俺の2つ下の弟)を読んでるけど先に食ってしまおう。・・・いただきます。






 飯を食った後は風呂に入ってアイスを食べながらダラダラしていた。そしてテレビに飽きた俺は自室のベッドで横になっている。寝る前にベッドの上で物思いにふけるのはこの世界に帰ってからの俺の癖だ。


 小大会地方予選開催まであと1週間ほどだ。既にダンジョン探索は1週間前に切り上げている。


 3か月前エリベイトに潜って以来、毎週のようにダンジョン探索をしていたが初回の反省を生かし中級ダンジョンの浅い階層のみの探索だ。ホントもうトラップに引っかかって持久戦になるのは勘弁だと全員が感じたのでトラップがないと分かっているダンジョンばかり探索した。

 ちなみにあのトラップでは結局1時間以上戦い続けた。魔力も体力も何度か限界になったのでポーションやエーテル(メイジ向け製薬会社マホテックの商品。品名の由来は某ゲームより)のほとんどを使い切ってしまった。

そうして俺はミノタウロス×3を14回殺し他の連中に至ってはメタルウルフなど同じ個体を20回くらい倒してたはずだ。ようやくトラップの魔力が尽きて再生が止まり戦いもやんだものの得られた魔法式は1回倒した分だけだ。訓練にはなったけどアイテムの消費や得られた魔法式から考えるとマイナスだった。


 それ以降はよく考えてダンジョンを選んでたが、探索の成果は微妙なとこだ。他の3人はそれなりに補強できていたが、俺は既に同等以上の魔法式を持っているか、あるいは手に入った魔法式の容量が大きくて媒介の中に入らないという状態でそんなに補強できていない。その分詠唱による魔法を鍛え、より少ない魔力で魔法を使用できるようにはなったがそれでも魔法式を用いた場合よりはたくさんの魔力が必要となる。油断は禁物だ。




 さて大会の話に戻るが今回の大会ではうちの学校からなんと45人の男子が出場するらしい。例年だと2~3人が出場すればいい方だからこれは異例なことだ。


 地方の大会や学生向けの大会なら別に出場者が多くてもおかしくないが、今回の大会は開拓者全体での大会だ。出場者のレベルもほとんどが中級以上だろうに良く出場する気になったものだ。あ、うちの学校のバトルメイジ(BM)は下級だらけで中級は1人もいない。俺とX は中級だが公的な試験は受けてないし学校では大人しくしてるんで知られていない。普通のメイジとしてなら何人か中級はいるんだけどね。BMは魔法を使うために勉強と戦うための身体能力と総合的に求められるからなかなか大変だ。


学校で一番優秀とされているのが以前にちょろっと出てきた池田先輩だ。三坂さんに告ってフラれた人ね。彼が公式でBM LV3相当の認定をもらっている。このLVってのはLV3のダンジョンが適切って意味でLV3をクリアできるってわけじゃない。

前に言ったが世界中のBMのうち70%はLV1~4だがLV4は10%くらい。つまりLV1~3は全体の60%ってことを考えると池田君はなかなかに優れてはいるのだ。ついでに池田君のステータスは簡単に表すとしたのようになる。



名前  池田 (下の名前はわかんねぇ)

武器  剣 ロングソード(通常版)

体力  D

魔力  E

力   E

敏捷  D

 魔法技術 D


備考 特になし。一般的なLV3よりちょい上位の実力。




 この池田君を筆頭に他の男も三坂さんと付き合うために大会へ出場するらしい。もうホントにバカ。


 三坂さんは可愛いんだけど俺はそこまで夢中ってわけでもないんだよなぁ。や、エロいことしてもいいよってんなら喜んでするけどさ。今回の大会への出場はあくまで自分自身のためだから女とかは関係ない。


 そう学校の友達に伝えたんだけどクラスメートたちは意味深な微笑みを受かべただけだった。俺が日常的に会話をする数少ない女子のうちの一人はもう露骨に軽蔑の混じった視線を向けて「これだから男は…」とか言ってたし。

 まあ、俺が出場するって話をしたら隣の席の西川や松田も参加するとか言い出したしな。気持ちはわかるけど下心丸出し連中と一緒にしてほしくない……


 あ、ついでに西川と松田のデータを出すと


名前  西川 順次郎 

LV   2

武器  剣 ロングソード(通常版)

体力  E

魔力  E

力   E

敏捷  E

 魔法技術F


備考 LV2の前衛タイプ 平均




名前  松田 騎士(ナイトと読む。ちょっと残念な名前)

LV   2

武器  杖 下級用一般杖ver 2

体力  F

魔力  E

力   F

敏捷  F

 魔法技術E


備考 Lv2n後衛タイプ 平均




 こんな感じだな。異世界に行く前の俺たちもこんな感じだった。これが普通。学生の中で、上位でも下位でもないところって感じだ。


 まあ、このレベルだと間違いなく地方予選で終わるだろうし俺にはあんまり関係ないな。




 さてさて、大会のことを考えるのはこのくらいにして今日のことを思い出してみよう。


 今日はB、Cと久しぶりに会話をした。腹を割って思ってることをすべて出したんだが…結果はダメでした。Bは俺たちの言い分をわかってくれたのか静かに聞いてくれたが、Cはダメだった。まったくもって意見を曲げずそもそも俺たちの話が聞こえてたかも怪しかった。

 てなわけでもう諦めました。BはいまさらCを一人にはできないとCと一緒に帰ってった。ま、Bにならもし必要なら力を貸すくらいはするけどCは無理、俺たちは関与しないことにした。B,Cと同じ学校で幼馴染のDはもう少し説得してみると言ってたんでそっちに任せて、俺とAとエロ太は放置する方向で。



 そんな感じの話し合いだったから今日は疲れた…


 ぶっちゃけ俺は魔王の力を取り戻すことに反対ではない、けど賛成でもないって立場だ。昔できたことが今できないことに苛立ちを覚えることはあるがそれ以上に引きこもりだった自分が、自分で努力して何か1つ誇れるものが欲しいっていう願いが強い。あとは自分の限界を知りたいってのとかかな。


 それに魔王の力を取り戻してもやることがないというか、魔王の力でやりたいこともない。Cはおそらくは昔と同様に気に食わないやつをブッ飛ばして、好きな女を犯してとやりたいんだろうけどそれは不可能だ。


 なぜならこの火星には神がいる、とされている。実際に過去に凶悪な力を持つものが暴れたり異世界から危険な存在が漂着し、貴族や軍人でも敵わなかった際には神がそれを滅ぼしたという記録が残っている。だから俺たちが魔王として暴走すれば負けるのは俺たちであるという予感がある。

 一般にも神がいるというのは広まっているがそれを信じてる人はあまり多くない。まあ、実際に見たわけじゃないし記録も最も新しいので250年前のものだからな。半信半疑でも無理はない。


 ただ俺は神が『いること』を信じている。正確には『いてもおかしくはない』と思っている。なぜなら異世界において魔王を生み出したのはその世界の神だからだ。俺たちは神の意を受けて暴れまくっていた。このことは魔王であった俺しか知らなかったが、だからこそこの火星にも神がいてもおかしくはないし戦えば負けるだろうと考えている。


 初めてこのことをみんなに話したら「じゃあ、力を取り戻した後は大人しくしてれば良いじゃねえか」とCは言ったがそれなら力を取り戻す意味もないし、そもそも大人しくするのは無理だ。

 なんせ魔王だからな!性欲や破壊衝動がものすごい湧き出てくる。抑えようと意識して我慢できるレベルじゃあない。だから俺はそれを……











 いろんなことを考え過ごしているとなんとなく時間が気になり時計を見る。


そろそろ寝ないとヤバいな。最近は研究で遅くまで起きてたから体が夜型になっている。大会に合わせて昼型にならねば!


 寝ようとしたがなかなか寝付けない。しかたなく睡眠を誘発する魔法を自分にかけて眠りについた。





 そして大会の日まで、学校に行き、放課後は簡単な訓練、家に帰り寝る、そうして過ごしているうちに惑星間標準時において規定される火星の8月3日午前9時。



 今年の小大会予選が始まった。


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