29.5話 ダーダーダー!
勘を取り戻すために本来は飛ばす予定だった一場面をここで書くことにしました。
短いアホ話です。
「ダー!!!!!」
「え?ちょッ!?やめ…リーダー!」
「ダーダーダー!ダーダーッダーーーーーーー!」
客席に戻った俺は奇声を発しながらAの頭を掴み思いっきり振りまくっている。
「大祐、落ち着けって――――」
「っダダダダダダダダーーーー!!!!」
今度は生意気にも仲介に入ってきたDの頭を振りまくってやった。
ついでにエロ太の頭を振ろうとしたけど、やつは俺の攻撃の気配を察していつの間にか少し離れた場所へ移動していた。
「ダー!!ダーダーダーダー!!!……………はぁ、もう飽きたな。」
言いながら二人の頭を離してやるとエロ太も戻ってきた。
「どうしたいきなり?」
「や、悔しさを発散させた。」
「おまえ、目的は果たしたから満足したんじゃないのか~?……ってかまだ頭がガンガンするし。」
「おだまりなさい、アホA!そりゃ目的は達成したけど、それとは別に勝負には勝ちたいと思うのが普通だろ!」
「いや、おまえ勝ち負けには興味ないって言って―――――」
「ダダダダダーーーーー!!!」
生意気なことを言うAの頭をもう一度シェイクする。
「人間なんだから矛盾することがあったって良いの!他の人が訳の分からん矛盾を言ったらムカつくけど俺は言いの!自己中だから!」
「それはダメだろ。」
「ダーダーダー!!」
反抗してきたからDの頭ももう一度シェイクしてやった。そうしてると京子が近づいてきた。後ろには他の連中もいるけどこっちの様子を呆然と見てる感じだな。
「戻ってきていきなり何をやってるの?」と京子は呆れたように聞いてくる。
「聞いてよ京子~こいつらが頑張った俺に負け犬とか言ってきてさ~!ひどくね?」
激しくウソをつきながら京子の手を握る。部下たちが背後で何か喚いているがそんなのは聞こえない。
「ハイハイ。仕方ない人だな~」
苦笑しつつ抱きしめてくれた。戦いの後の癒やしだわ~。おまけにニコッと笑いかけながら、「いろいろ聞きたいこととか言いたいことはあるけど、まずはお疲れ様!」と言ってくれた。
ありがとう!と返して、そのまま抱きしめあっていると睦美が困惑してるのが見えた。寂しそうな感じもうっすら漂ってるから京子に一声かけた後、睦美に向かって突撃した。
「ダーーーダーーーダーーーー!!」
「きゃあ!ちょっと大ちゃ……笹川君!やめ―――あ、ちょっと待って!」
睦美の胸に思いっきり顔を埋めている。そして叫びながら微妙な位置で頭を動かしてるから一瞬色っぽい声が出そうになってたな。おまけにびっくりして大ちゃんと呼びそうになってたのがまた可愛くてさらに頭を動かしまくる。
「お願いだから止まって――――きゃ!?んん~大ちゃん!わたしだって怒るときは怒るんだよ!」
可愛い顔でぷんぷん怒ってる睦美。が、問題なのはそれではなく今の発現を西川たちクラスメイトが聞いていたことだ!
「大ちゃん!?え、今先生が大ちゃんって言った?」
「や~それはないでしょう。三坂さんがいるのに睦美先生までとかはありえないでしょう。」
「いや、言ってたよ。俺聞いたもの。なあ、優香?」
「うん、言ってたね。わたしも聞いたよ。」
西川、虎川原、松田に寺島が次々と言っている。
睦美の胸から顔を上げると目の前で可愛い顔が真っ青になっているのがわかる。さすがに世間体もあるし助けてあげることにしよう!
そのまま睦美をギュッと引き寄せて、優越感たっぷりの顔をして言う。
「良いだろ!?準決勝まで来たご褒美に大ちゃんって呼んでもらえるのさ!羨ましいだろ?」
「うわ~ドヤ顔がうざい…」と寺島。
「どうせ大祐が無理やり駄々こねて押し切ったんだろ?」と虎川原。
「違うし!睦美ちゃんから呼びたいって言ってきたし!ね?睦美ちゃん?」
人前だから呼び方に気を付けて話しかける。だけど睦美はウソをつけないタイプだから誤魔化すために堂々と尻を揉んでおいた。
案の定、みんなが大慌てで止めに来た。
「おいー!何羨ましいことやってんの?」
「おだまり西川!これは頑張った俺に対する正当な報酬だ!ね?睦美ちゃん。」
「ち、ちが―――」
俺の胸元に頭を押し付けて余計なことを言えないようにする。こうしとけば、いつものように俺が強引にバカやってるように見えるだろう!
「とりあえず、先生は解放しとけって。」
見学していたイケメングループのマイクたちが話に入ってきた。
「だーかーら、これは正当な報酬なの。それにもし俺が優勝したら来年には子作りを始める予定だったし。ね?睦美ちゃん。」
さすがに暴走気味な俺を止めようと真っ赤な顔して何か言おうとしてるけど、俺の胸に密着してるから「むーむーふがふが」としか聞こえない。
まあ、でもこれで完全にさっきの大ちゃん発言は流されることに鳴ったからもう大丈夫だな。寺島とかは露骨に呆れてるし。
睦美ちゃんを解放し(手は繋いだまま)、京子や部下たちを呼び寄せいつものようにわいわい騒ぎ始める俺たち。
俺たちの試合は終わりいつもの日常に戻る。
正直なところ多少の悔しさはあるけども、これからの目標に向かうワクワクした気持ちの方が大きいな!
まず間違いなく上級者たちの研究室への配属許可が下りる筈。そうすれば魔王化の研究を始めるし、久しぶりの幼馴染たちにも会うだろう。他には映像でしか見たことのない貴族本家の美少女達も直接見る機会があるだろう!
もちろんより強くなるための研究、訓練をするしいろいろ楽しくなりそうだ!
ちなみに大会の優勝者はサーマレイスだぞ!当然ながら決勝戦は余裕の勝利だったぞ!