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16話 エロエロ(いろいろ)やっちまった朝

 ピピピピピピピと携帯端末のアラームが鳴る。


 うっせぇーなぁと心から思うけど今日はいよいよ本選の始まりだから我慢して起きるさ。


 仰向けで寝ている俺はベッドとから右手を伸ばし床に置いてあった端末のアラームを切る。


 そしてそのまま音量をなしに設定する。


 出かける日のいつもの習慣だ。




 数秒後、寝たまま両腕を横に伸ばそうとしたら左手がやわらかい何かにぶつかった。


 不思議に思い横を見ると京子がいた。




 あ~なんだ京子かと思いベッドから出て箪笥から着替えを取ろうとしたとき、ここが自分の部屋ではないことに気付いた。




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 あたりを観察するといろいろおかしいことに気付く。


 部屋の大きさが違うし内装が女の子っぽい。


 床には適当に脱ぎ捨てられた俺の制服、ワイシャツ、下着と愛用のロングソードがある他には綺麗に畳まれたキャミソールとショーツとブラ、色はピンクだ。



 今さらながら俺は裸だ。



 このあたりで何があったか予測でき眠気も一気に吹き飛んだが、現実を認識するのを拒んだ俺はもう一度眠りにつくことにした。

 


 だって有り得ないもの。こんなん有り得ないもの。



 寝るために布団をめくると目に映るのは京子の裸体、乱れた白いシーツとそのシーツの絶妙なポイントにある赤い染みだった。




 つい最近の、初めて会話した日のことが思い浮かんだ。





「大丈夫だよ。私も処女だから。」


「違う!そこじゃない!俺の話聞いてた?どこに食いついてんの!?――――――――」



…………


………………………


………………………………………





 夢だ。


 これは夢だ。


 だって有り得ないもの。こんなん現実では有り得ないもの。




 夢の中だから何をしてもいいので京子に抱きついた。


 そして夢の中の京子の美しい巨乳を揉んでみた。


 すっごく柔らかかったです。でも睦美ちゃんとは感触が違います。不思議だ。


 このリアルな触感は夢では味わえないだろうな。





………………………………………





 自分に魔法をかけもう一眠りすることにした。


 見事なまでの現実逃避である。







 一時間後、枕元の方からいつもとは違うアラームの音がする。


 すぐ近くで何かが動く気配がするがどうせさっきの夢の続きだろう。寝入った頭がそう認識する。



「起きて、起きて。」



 耳元で囁かれる言葉と共に誰かが揺すってくる。


 声とともにすぐに目が覚めたがトラブルは後回しにするのが俺の主義だ。


 京子の体に抱きついたまま寝たふりを続行した。



「寝たふりしないで」言葉とともに叩かれる。


 仕方ないので目を開く。




 顔を赤くした京子がいた。


 睦美ちゃんはしょっちゅう顔を赤くしているが、話すようになって日は浅いけどこいつが顔を赤くするのは珍しい。



 可愛い。



 心からそう思い、同時に美しい裸体が見え性欲がわき出てきた。



 俺は一瞬でケダモノに進化し京子に襲い掛かった。















 3回戦が終了し、お互いに抱きしめあっていた。



「これ夢じゃないよね?」


「うん。」



 そのまましばらく頭を撫でたりキスをしたりと30分。


 お互いに身繕いをしてこのようなことになった状況を確認し合った。




 結果は大したことないよくあるアホな流れだった。


 飲んで酔っ払った俺が京子に襲い掛かった。


 おまけに記憶にないし既に解けてるだろうから確証はないけど性魔法を使ったっポイ。


 じゃなきゃ京子が応じる筈もないしな。


 それで説明終わり。




 禁欲生活と睦美ちゃんにセクハラしたのが完全にアウトだったか…


 俺がバカなのかもしくは魔王化の影響が出て性欲が増幅されているのか…ちゃんと確認しなきゃな。


 現状では俺がバカなだけの可能性が高いけど。


 ただ異世界から帰ってきた後に性欲が強くなったのも事実だ。今回のもヤバいけど子供とか取り返しのつかないことになる前に魔王についての研究も始めた方がいいかもな。




 性欲だけならまだしも殺人衝動まで出てきたら………考えるだけでも恐ろしい。



 京子がご飯を用意している間にそんなことを考えていた。









 二人でご飯を食べてる間はほぼ無言。


 何を言ったらいいかわからなかった俺はとりあえず一人暮らしをしている理由を聞いてみたりして会話をし、微妙な空気をかえることに成功した。


 そうして会話をしながらも、やっちまったことについては触れないでいる中、俺の端末が呼び出し中になってることに気付いた。


 表示を見るとエロ太だ。




 まったく空気の読めないやつだな。


 通話を押すと三次元的の立体映像でエロ太の姿が投射される。



「あ~い、なんですか~?」


「大祐!?やっと出たか!お前今どこにいるんだ!」



 緊迫したような声が聞こえる。さすがに不安になった俺は真面目に聞こうと意識を切り替えた。



「どこってお前、きょ………家にいるよ。どうしたんだ?」


「家!?バカお前、今何時かわかってんのか!?」



 何時って10時だけど――――――10時!



「開会式はもう終わったぞ!そんでお前の試合まで5分切ってる!とにかく早く来い!」



 やべーーー!ヤベーーー!Yabeeeee!


 まさかの失格になる!



「今すぐ行く。お前は人のいないとこに行ってて。」


「もう来てる。とにかく早くしろ!」



 答えず通話を切る。


 隣で話を聞いてた京子は通話の途中で準備を始めてた。



「京子準備できた!?」


「私はできたけど今からじゃあどう頑張っても間に合わないよ?」


「とにかく靴を履いて。あーーー俺、制服だ!………ぇぇぇぇーい仕方ない。このままで行こう。あ、あと京子!魔力回復薬を1つ頂戴!」



 返事を聞く前に冷蔵庫から回復薬をいただく。


 急いで靴を履いた二人。


 そしてエロ太の魔力を、正確には俺が部下に渡した俺専用の特別な魔法式を感知し詠唱型の転移を行う。



「魔法式確認。座標認識完了、転移起動。」
















「到着。」



 目の前には戦闘服のAとDとエロ太と松田がいた。



「やっときたか!?ってなんで三坂さんが?いやそれより早く、もう時間ない!」



 みんな遅れたこととか京子と一緒のこととか聞きたいことはあるのだろう、表情に出ていたがエロ太が代表して口を開く。


 そして俺が口を開くより早く4人は走り始めた。





「京子、話はあと。客席行ってて。」


「わかった頑張ってね!」





 回復薬を飲みながら全力ダッシュ!転移は上級魔法なんで、俺の全魔力の半分以上を持ってかれるからな。



 仲間たちに追いつき一緒に試合前の確認にぎりぎりセーフ。


 そしてそのまますぐに戦闘フィールドへ追い出された。





 俺たちが入場すると同時にアナウンスが告げる。



「時間となりましたので結界を作動させます。選手の皆さんは結界の内部に進んでください。」



 会場には選手が100人ほどいた。


 観客席はほぼ満員で何万人いるのかわからない。


 知覚を全開にし京子を探すと学校の応援席(ほぼみんな出席みたいだ)に合流してた。


 先生と話した後、友達と話している。遅刻のことだろうな。


 あと俺を見て間に合ったのは良いけども制服姿であることに気付きざわざわしてるっぽい。が、ひとまずそこから意識を離し仲間たちに聞いた。



「簡単な状況を教えて。」



 結界の準備完了まで5分ほどかかる。


 Aが代表して説明する。



「50あるエリアから15人ずつくらい勝ち抜いてきて750人。地球枠で50人くらい。当然人多いから初戦はバトロイ形式。俺たちは故意か偶然かわからんがみんな一緒のグループ。試合のスタート地点は自由。1試合100人参戦で勝者は8名まで、8試合あわせて64名だ。この勝者+貴族など特別枠の人とかでトーナメント。バトロイの試合時間は1つにつき1時間。2日間にかけてやる。今から第一試合だ。」


「わかった。」


「こっちも聞きたいんだけど」とDが言ってきた。


「お前、ロングソードは?」


「京子の家に忘れてきた。」



 薬を飲みながら気づいたけど手遅れだった。


 それを聞いた松田が顔色を変えて何か言おうとした。たぶん京子のことじゃなく武器がないことについてだろう。



「だから自力型魔法と性魔法を使っていく。お前らは援護しろ。あと良い女は回せ。」


「それしかないよな。」


「大会までの2週間、鍛えた集団戦の成果がわかるなぁ」



 部下たちは俺の命令を理解したようだが、松田はわからんだろう。だから



「あと、松田にも戦ってもらう。任せてもいい相手は松田に回せ。松田も言いたいこといっぱいだろうけどここは従ってくれ。」



 真面目モードの俺の気迫に撃たれたのか余計なことは言わず黙って頷いた。



「1人いる上級はここで潰しておくぞ。状況を見て俺が仕掛ける。」


「「「「了解」」」」



 そう、フィールドを見渡すと1人だけ上級がいた。魔力で俺はわかったし、他の連中は開会式後に公表される情報を見てわかってたんだろう。



「あいつは事前測定で8レベル。地球出身だ。」とエロ太が教えてくれた。



 事前測定とは地球では公式レベルというものはないことから、大会前に計測される便宜上のレベルである。


 地球にはレベル9と10クラスの実力者は確認されていない。よって彼は地球の最高レベルの人間だ。



「以上で最低限の必要事項の確認は終わりか。おまえらからの質問は?」


「京子ってさっきのコ?めっちゃ可愛くね?なんで一緒だったの?なんであのコの家に剣を忘れたの?」



 Aがいきなり聞いてきた。


 同じことを聞きたかったんだろう他の連中も答えを待っている。




 無視無視無視無視。




 質問に答えるかわりに言った。



「そろそろ始まるぞ。集中しろよバカども!」


「まあ、答えなくてもわかるけどね。」「良いな~俺もやりたい。」「集中とか学校の制服で剣を忘れたやつに言われたくねぇな」「西川たちに報告だな。」




 最後の松田のセリフだけは聞き流せなかったので、しっかり話し合いました。


 この試合に勝てたら内緒ということで話がまとまりました。




「それでは、第一試合を始めたいと思います。準備はよろしいでしょうか。それでは行きます。――――――試合開始!!!」



 こうしてエロエロしたばかりの俺の戦いは始まった。


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