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14話 東心峰勢、行きます!(池田編)とエリア大会の終わり

 オーケー!


 準備は万端だ。


 魔法式も魔力循環も最大、雷エンチャントも付与済み。


 知覚を最大まで上昇させる。これで誰がどこにいるかも把握した。



 行くぞ!



 バチバチバチッ!!!!


 雷を迸らせながら、控室から出て一気に廊下を走る。


 途中にいる人たちが俺の姿を目に移すことさえできないスピードで一気に駆け抜ける。


 風をコントロールしているため、何かが通った気配さえ感じていないことだろう。


 観客席に上がり、待ち構えてる教師陣の目の前を通って一番上の席へとたどり着いた。


 誰も俺に気付いていない。


 魔法を解除する。



 ふぅ…池田先輩の試合が始まればそっちに注目がいくだろうからそれまで大人しくしていよう。


 本当は控室にいるつもりだったけど。次の人が来ちゃったし、廊下やロビーには松田を始めとしたうちのクラスの仲の良い連中が待ち構えていた。


 捕まると質問攻めでめんどくなるのがわかりきっているからな。


 幸い東心峰の学生が座っているのは5つ前の席まででそれより後方には誰もいない。しばらくは安全だろう。


 座席には腰かけず前の椅子に隠れるように地面にしゃがみ込んだ。携帯端末を取り出し部下たちに連絡をする。



『我、勝利ス。敵ハ美少女ダッタ。』



 メールの送信完了と。


 あいつらは既に勝ち上がっているからこれで全員が本選への出場を決めたことになる。チームとしてまずは及第点だ。あとはどこまでいけるかな。


 各エリアを勝ち上がってくる中級者たち、地球から来るだろう出場者の中には上級もいるだろう。


 しかし一番の問題は大会レベルのバランサーとなる貴族代表だ。


 今回は開拓者の上級者がほとんどいないということで大会のレベルは低い。当然大会レベルの調節のためにバランサーはガチで勝ちに来ると思われる。


 この貴族代表を相手にどこまで今の自分が戦えるかが今後の訓練計画に影響するな~。





 そんなことを考えていた時である。



「何してんのリーダー?」



 顔を上げると目の前に変な顔で俺を見るXことエロ太がいた。なんでだ?



「なんでお前がここにいるんだ?お前は別のエリアだろうが。」


「俺の試合は午前で終わったから。閉会式も出る義務はないからこっちを見に来たんだけど。」


「あ~…そうか。」


「それより勝ったんだってな。ロビーで西川たちが言ってたぞ。わかってはいたけどな。とりあえずはおめでとう。」


「お、おう。」



 しばし無言の時間が流れるが



「ちょ、ちょっと待って。とりあえず隠れろ。」そう言いエロ太の腕を引っ張り隠れさせる。


「隠れてたのか?あ~みんなわいわいしてるもんな。でも気にし過ぎじゃないか?松田も勝ち上がったんだろ?それに池田が始まれば直ぐにそっちに夢中になるだろ。」


「相手の女の子が中級だったから俺も真面目に戦ったんだよ!」



 俺の言葉を聞きエロ太は少し考え込んだ。



「全力で戦ったってこと?」


「全力ではない。けど中級レベルの力は出した。」


「別にいいんじゃない?どうせ本選で見られただろうし。」



 良くねぇよ~試合のとき戦いながらチラっと見たら池田先輩の顔がやばいことになってたもん。普段ならそこまでじゃなかったろうけど、今日は京子のことがあったから色々ヤバいんだよ。



「三坂さんのこと名前で呼ぶようになったのか!?それはやばいな。」


「わたしの名前を呼ぶと何がヤバイの?」


「そりゃもちろん池田先輩の嫉妬――――」



 俺とエロ太が同時に上を見上げると後ろから京子が覗き込んでいた。固まる男二人を無視して京子は客席を回り込みエロ太とは反対側の隣に座ってきた。

 何でここにいると分かったの?という疑問に対しては「違う会場にいる筈の佐々門君(エロ太のことだ)が誰かと話してるのが見えたから」だそうだ。



「大祐と佐々門君が仲良いのは知ってたしね。あ、佐々門君も勝ったんでしょ!?おめでとう。」


「お、おう…」



 正面から微笑まれ、真っ赤になって口ごもるエロ太。こいつ普段エロいことばっかしてるけど実際に女と話すと動揺しまくりだからなぁ…奴隷とか無理矢理女を襲う時とかは平気な顔するくせに。よくわからんやつだ。


 フリーズしたエロ太を放置して俺と京子は話していた。


 なんかこいつは普通だな。もっと試合のことについて突っ込まれると思ったけどそこまで深く聞いてこない。


 正直ありがたい。


 普段からワーワー男に言われてるから、騒がしくされると煩わしいってことがわかってるんだろうなきっと。


 こうしてしばらく会話を続けていたが俺はこいつが人気者であることを忘れていた。


 こいつが一人で上に行き誰かに話しかけた後、しゃがみ込んだのを沢山の人が目で追っていたのだろう。


 京子にばれたことで知覚範囲を上昇させていた俺の意識は何人かがこっちに向かってくるのを感じ取っていた。



「京子、お前、エロ太を連れて下に行け。誰かがこっち来る。」


「嫌です。それよりも大祐がもう堂々としちゃえば?そっちの方が楽だよ。」



 貴様が寄ってくるからそうするのが難しくなったんだよこの雌豚が!池田の相手がめんどくさそうなんだよ!責任とって犯られて来い!


 言ってやりたかったけど大人な俺はこらえて視線でエロ太に命じた。


 俺の意を受けたエロ太は京子を連れてこうとするも、無表情な顔に見つめられて撃沈。


 使えない男だ。


 もう家に帰りたいけど帰ったらあとが大変だしなぁ…


 ハァ…………仕方ない。


 京子といるのを見られるよりはマシだろうと魔力を全開にし、さっき出てきたばかりの控室に戻った。







 関係者以外立ち入り禁止の廊下を通り、ロビーに出ると相変わらず松田カップルや西川たちがいた。


 今来たばかりを装い出てきた俺を見つけさっそく質問ぜめにする友人たち



「お前、中級だったんか!?」「隠してたのか?」「おめでとう~凄かったな」「あんな可愛い子に怪我させやがって」「いつから中級なんだ?」


「待って!わかんねぇ。一人ずつ聞いてくれ。まずは松田カッポゥからどうぞ。」



 寺島と松田がそろって顔を赤くしてる。初々しいねぇ…俺は恋愛とかすっ飛ばして童貞卒業だったからなぁ…異世界でだけど。



「なんだよカッポゥって。」


「それは置いときなさい。それより笹川、あんた中級だったの?」



 さっそく尻に敷かれてる感があるがそこは触れないでおこう。それより寺島の質問に答えるか。



「見た通りでございます。試験は受けていないので公式にはレベル2でございます。」



 こんな感じで質問に答えていく。


 ある程度、戦いに関することに答え終わると今度は何故か京子との関係を聞かれたがこれはあの時一緒にいた、西川と虎川原が助け舟を出してくれた。まあ、自分の願望あるいは俺を介して京子と仲良くなろうという考えも多分にあるんだろうけどひとまず助かった。


 こうしてしばらく話していると、いつまでも戻ってこない俺に業を煮やしたのか先生方を代表して担任の睦美ちゃんがこっちへ探しに来た。


 ちょっと反省したのでからかうのはやめようと決心していたが、質問攻めのストレスからかついついやってしまった。あと戦いの後で性欲が高ぶってたしな。これ大事。


 ふざけてだよ!ということを示すために周りの連中には「ちゃんと俺の冗談に話し合わせろよ。」と言っておいた。



「いたいた。笹川君、おめでとうございます!他の先生方も上で――――」



 話を遮り思いっきり抱きしめる。



「ありがと~睦美ちゃん。恋人の勝利を祝福しに来てくれたんだ!」



 右手は肩へ、左手はお尻の上に持っていきポンと軽く置く感じで。しかし腕には力がこもっているため体は密着している。


 睦美ちゃんの巨乳が思いっきり当たってて気持ちいいですな~。


 左手もさりげなく動かすと柔らかく弾力のある手触りが実によい!



「ちょっ!?笹川君!?」



 真っ赤になってる睦美ちゃんはビックリした顔でこっちを見上げてる。


 たしかにここまで露骨に密着したことはなかったからね。


 右手を肩から頭へと動かし睦美ちゃんのサラサラの髪を手で梳く。



「恋人にいいとこ見せたくて頑張ったんだよ俺!見ててくれたならわかるでしょ?レベル2の俺があんな強い女性に勝ったんだよ。」



 横を見ると寺島を始め女子は呆れたような顔をしてこっちを見てた。他の連中は冗談と分かってても嫉妬の視線が来ると予測していたが、真っ赤になった睦美ちゃんに見惚れてるようだった。


 からかってばかりだけど睦美ちゃんは抜群にかわいいからな。特に照れてる時が可愛い。けど今はそれどころじゃない。


 マズイ。


 誰もツッコミをいれる人がいない。


 女は呆れて男は見惚れフリーズしてる。



 このままじゃ収拾がつかなくなると判断した俺は仕方なく睦美ちゃんから離れる。ホントはキス位迫りたかったけど。



「あっとこんな知らない人もたくさんいるところで言うことでもないか。」



 そう言って睦美ちゃんから体を離すと、「ぁっ」と睦美ちゃんの口から小さな声が漏れてきた。


 コレもしかしたら本気で付き合えるんじゃね?普通の恋愛経験ゼロの俺にも彼女ができるんじゃね?


 頭に浮かぶ考えを振り払い、睦美ちゃんに別のことを聞いてみた。



「ところで他の先生がどうとか言ってたけど、何かあったの?」


「え!?あ、あ、あ、うん。笹川君がなかなか上に来ないから探しに来たんです。校長先生とかも待ってたから早く観客席へ行きましょう。」



 睦美ちゃんは未だ赤い顔で早口に告げると先立って歩き始めた。そして凄いスピードで階段を昇って行った。





 それを見送った俺たちは (誰もまだ歩き始めていない) 微妙な空気になってしまった。





 しばらくして俺は口を開く。


「あのさ。」


「何?」



 特定の誰かに向けた言葉ではなかったが寺島が答えてくれた。



「俺、もしかして睦美ちゃんを抱けるかな?」



 ノーコメントの寺島に代わり西川が口を開く。



「三坂さんは俺の嫁だから絶対手を出すなよ。」









 その後再び無言となった俺たちは観客席に戻る。


 すると興奮した校長たちがワーワー言って鬱陶しかった。睦美ちゃんは顔を赤くしたまま(さっきよりはマシ) 特に何か言ってくることはない。


 レベルのことなどを尋ねられたが西川たちにした説明をもう一度した。


 しかし説明を終えたあとも「素晴らしい~」とか言ってくるから上にいたエロ太を呼んでそっちに注意をそらした。


 校長たちに捕まり称賛されているエロ太はこっちに非難のまなざしを向けてくるがそんなのは無視して周りの様子をうかがう。


 やはり学生からの視線が変化してるな。好奇と嫉妬がより強力になっている。



 そういえばいつのまにか京子は女子の席に戻っていたようだ。そして池田先輩に絡まれている。


 先生方の近くにいないなぁと思ったら京子に話しかけに行ってたのか。池田君にはいろいろ言われると思ってたから正直助かったぜ。


 途中、京子とも目が合ったが空気を呼んでくれたのか特に何の反応もなかった。そしてそのまま先輩の相手をしてるようだ。


 相手と言っても先輩が一方的に話しかけそれを適当に答えるか、周りの池田ファンに話を振っているようだ。





 しばらくすると次の試合が始まりそうだったため適当なとこで話を切り上げ自分たちの席へと座った。俺の周りの席の人はさっき下まで来てたやつばっかだからこれ以上は特に突っ込まれなく、ありがたかった。


 少し離れたところに座ってる連中がいろいろ聞きたそうにしてたけど聞こえないふりをして無視した。


 エロ太は自分のクラスのとこへ行ってます。





 試合が始まったが公式実力ともに下級と中級の戦いだ。


 中級同士の戦いを見た後じゃあつまらんだろうな。


 凄い一方的な展開なんだもん。


 中級が下級をなぶってるから決着がつかないだけだし。


 みんなホゲ~っとした顔で見てる。ちょっとまじめな人は中級の態度に非難するような顔で試合を見てるけど。


 10分経過するとさすがに遊び過ぎということで会場からブーイングが出始めた。


 足元に倒れている相手の頭を中級の男が足でぐりぐり踏み始めたからだ。


 が、このブーイングが流れを変えた!


 魔法使いとしては頭が良くても一般常識がバカだったらしい男は観客のブーイングに対して怒鳴り返し始めたのだ。


 曰く「弱いこいつが悪い」「何の覚悟もなく出てくるのが悪い」


 それに対してますますブーイングがひどくなる。






 ぶっちゃけ俺は中級の言ってることが正しいと思う。


 再生されるとはいえ首が飛ばされても合法な環境に遊び半分で来るのがどうかしている。


 試合が終われば復活すると分かっていても戦いの最中は命がけなわけで甘い覚悟で出るべきではない。


 何をされても仕方のないと認識した上で出場するべきだ。


 だからといって俺は相手を弄ろうとは思わないけどな。


 けど賢明な俺は特に何も言うことなく試合を見物していた。






 ヒートアップする中級と観客。


 この時、観客とやりあうバカな選手は試合中であることが意識から消えていた。


 いつの間にか立ち上がっていた下級選手が未だマイクで叫びまくるバカを後ろからざっくりと切り裂いた。


 瞬間、シーーーンとなったね。


 誰も何も言えない中、アナウンスの女性は淡々と試合終了を告げ勝ち上がったのは下級の人だ。


 負けたバカは文句を言うかと思いきやどんな手段であれ勝ちは勝ち、負けは負けと受け入れ去っていった。


 こんなかんじで実に微妙な試合だったのである。





 次の試合までの待ち時間。違う空気を吸いたくなったのかロビーの方へ行ったり売店に行く人が多数の中、俺は自分の席にいた。


 あ~西川や虎川原も一緒にいる。松田夫妻は出て行ったけど。


 観客席の下の方では池田さんが先生方、そしてファンの皆様と熱い言葉を交わしているようだ。


 ただ時折京子の方を見ているのが面白い。京子は周りの友達が池田さんの近くに行こうとする中、彼氏持ちの友達と自分たちの席で座っている。



 俺はもう既に先輩には声をかけておいた。


 前の試合が終わると同時に松田と一緒に行った。そのあとすぐ他の女子とか来たから俺は席に戻り松田は彼女と売店の方へ行ったというわけである。




 試合まで残り15分ほどとなって先輩は控室の方へファンと共に向かった。



「大祐、どう思うあれ?」といきなり西川が言ってきた。ま、何となく言いたいことはわかるけど。



「別にいいんじゃないか?お前も虎川原もあの中に好きな人がいるわけじゃないんだろ?」


「ボクチンはいないけど虎川原は」


「やめて。その話は出すな。」


「あ~幼馴染と付き合ってたけど取られたんだっけ?」



 今もファンの群れの中にいたし。



「出すなって言ったじゃん。」



 可哀そうだからこれ以上は触れないでおこう。気をつかい話題を変え会話してるとやつが来た。



「失礼します。西川君、ちょっとそっちに動いてもらえる。あ、大祐に話があってきたんだから君は動かないで。――――よいしょっと。ありがとね西川君。」



 真っ赤な顔で気にしないで下さいと答える西川。


 ようやくわかった。こいつ京子が来るのを期待して売店に行かなかったな!



「今度はどうしたの?もう視線が嫌なんだけど。」


「いい加減に慣れなよ。私なんて毎日だよ。」


「俺は数時間前からだもの。慣れるなんて無理さ。で、どうしたの?友達といたでしょ。」


「あのコたちは彼氏のところに行ったよ。一人になったからこっちに来たんだ。良いよね?西川君と虎川原君ね?迷惑じゃないよね?」



 西川はわかってたけど、さっきまで元カノ話でへこんでた虎川原も赤くして頷く。


 奪われても仕方なくね?


 ま、実際俺の心の平穏のためにも余計な反抗せず大人しくしておいた方がいいと判断したのでこれ以上は何も言わないことにした。


 テンションを上げた2人―――――いつの間にかマイクもいるので3人が京子の相手をしてくれているので周りも俺だけを睨まず分散して嫉妬を送るようになったのでありがたい。


 あと5分ほどで試合開始という時間になり席を外していた連中が戻ってきた。


 俺が席に戻った方が良いのではと進言したが京子が答えるより早く周りの男どもが別に良いじゃんとカバーに入り、京子が今座っている席の本来の人間はこれ幸いと寺島の横へと行っている。

 

 松田の奴、少し前までは三坂さん三坂さん言ってたのに。なんてヤツだ。


 まあ、良いけどさ。それよりも



「池田先輩が心配なの?」



 ちょっとびっくりした顔でこっちを見る京子さん。



「わかった?」



 京子の返事を聞きショックを受ける男ども。


 でも違う。お前たちが予想したのとは逆の意味で心配してるんだこいつは。



「たぶん勝つよ。対戦相手のケン=マクリファスも先輩と同じレベルで二人とも剣を使ったオールラウンダーだから、基礎能力が少しだけ強い先輩が有利。でもこのレベルだとちょっとしたことでひっくり返ることもあるから絶対とは言えないけど。」


「そっか~勝っちゃうか……」



 落ち込む京子。それを見て西川たちも状況を察したらしい。顔色が治っている、単純なやつらだ。



「でもなんでそんなに心配してるんだ?確かに本選へは行けると思うけどそこで優勝なんて下級の先輩には不可能だぞ。」


「大祐がまさかの中級でしょう。だからもしかしたら先輩もそうなのかなって?」



 あ~なるほどね。実力を隠してる可能性を疑っているのか。それでも心配はいらないと思うな。



「仮に上級だったとしても心配はいらないさ。今年は貴族が勝ちに来るはずだから。」



 これは確定だ。世間でも賢い奴はそう予想している。


 だから大会の勝敗の賭けを行ってる連中も大手なんか、今年は『優勝者ではなく準優勝者を予測する』となってるし。



 告げると京子も(まだ多少不安ではあるだろうけど)納得したようで引き下がった。


 もし仮に彼が勝ち上がったとしても僕が戦って倒してみせるよ!!的なセリフを言えたら格好良いんだろうけど睦美ちゃんフラグと同様に京子フラグも立てる気はないんで自重しておいた。

 






 そして池田先輩の試合が始まる。


 結果を先に言うなら予想通り先輩の勝ちだ。


 試合の内容は大したことなく普通の戦いで、両社ともに身体強化し切り合いながら牽制に魔法を放つ。


 そして出来た隙に攻撃する。


 当たれば追撃、外せば下がり体勢を立て直す。


 単調な試合であったが、前の試合が微妙だったことと何より二人ともイケメンであるからなかなか見応えがある試合だったらしい (女子には)





 数分の攻防ののち、池田先輩のフェイントに引っかかりケンは体勢を崩す。


 そこをすかさず攻撃し相手の武器を遠くへ弾き飛ばした。


 下級のケンが自力型の魔法を使えるはずもないので、武器を飛ばされ魔法を封じられた彼は降参した。








 こうして東心峰勢のエリア大会は終わった。


 2週間後から始まる世界大会に出場できるのは俺、松田、エロ太、池田の4人だ。


 ようやく本気で戦える。


 それが嬉しくて2週間ずっとテンション高く過ごす俺様であった。


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