11話
「コラボ配信、受けてみようと思う」
突然の私の言葉に、アリサたちは驚いた反応を見せた。
「え、どことやるのよ」
「男が居るところは嫌だよ!」
「わ、私も⋯⋯」
「大丈夫。相手は女性だけで構成されてるチームで、チャンネル登録者400万人オーバー、テレビや雑誌でも良く特集されてる超有名DIVERのワルキューレ・コードさんだよ」
DIVER——探索者専用プラットフォーム、DIVEで生計を立てる人々の総称——の中でも、一際有名な女性グループ、ワルキューレ・コードからコラボ依頼が来たのは、つい先日だ。
私たちが通っている地元のダンジョンまで行くので、ぜひコラボしないか?という内容だった。正直コラボなんかしなくても、私たちの破竹の勢いを止められる者は居ないと思っている。のだけど、一旦仕事の取捨選択をする為にも、先輩方の知恵を学ぶことと、コネクションを作りたかった。渡りに船とはこの事だろう。
私がコラボを受ける理由などを話すと、三人は納得した様子だった。
「まずはワルキューレ・コードさんの動画見てみようか」
私はタブレットでDIVEを開き、『ワルキューレ・コード』と検索する。さすがに生配信のアーカイブを見るのは骨が折れるので、ワルキューレ・コードの公式切り抜き師による切り抜き動画を視聴することにした。切り抜きとは、長尺の生配信から、見所だけをピックアップして、見やすい尺の動画にすることを指す。私たちフルールの配信も、幾つか勝手に切り抜きされているが、特に問題になってないので黙認中だ。
ソファに座ろうとすると、アリサが先に座り、自分の膝の上に座るよう指示してくる。それに従いアリサの膝上に座ると、私の右側にサーシャ、左側にセリナがぴったりとくっついてきた。体の四方八方が柔らかい彼女達の肉体に包まれ、少し落ち着かない。傍から見るととんでもないハーレム女なんだろうな、私。
鼻腔を擽る良い匂いにクラクラしながら、私はタブレットをタップして再生ボタンを押した。
「ふーん、人気の割にあんまり強くないねぇ」
「冒険者でいうと、下級と中級の間くらいですかね」
「私たちの敵じゃ無さそうね」
動画を見て、各々言いたいように言っておられる⋯⋯。まぁ実際その通りだと思うけど。
公式情報による、ワルキューレ・コードのメンバー情報は以下の通りだ。
[レイナ]
役割:近接アタッカー、リーダー
武器:レイピア
スキル:戦技強化(レアリティランクB)
[ミラ]
役割:遠距離アタッカー
武器:スナイパーライフル
スキル:弾道制御(レアリティランクC)
[カレン]
役割:タンク
武器:大盾・大槍
スキル:金剛外皮(レアリティランクC)
[ユイナ]
役割:サポーター
武器:ハンドガン
スキル:活性促進(レアリティランクD)
私たちと同じ女性4人のパーティで、全員20歳の大学生らしい。そこまでレアなスキル持ちは居ないが、華麗な連携と彼女達のキャラクター性、あとはワルキューレの名に恥じない装備とビジュアルが人気を博しているようだ。
思い返してみると、私たちはフルール⋯⋯つまり花、という名前のパーティであるが、装備はほぼ真っ黒の派手さに欠けるビジュアルをしている。ワルキューレ・コードは、華やかな戦乙女風の装備をしており、装備の華やかさでは負けていると言えよう。ビジュアルは、アリサ、サーシャ、セリナが群を抜いて可愛いので、欠片も負けていない。
「まぁこんな感じかな。どう?」
「別に良いわよ」
「私も異議なーし」
「私も、大丈夫です」
よし、三人の合意は得られた。
コラボの内容はこれから決めるとして、とりあえず私は、ワルキューレ・コードのリーダー、レイナさんにメッセージを飛ばした。




