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9話

「しかし、こんなに私たちが人気出るとは⋯⋯」

「まぁ仕方ないわね、私含めて全員可愛いんだから」

「アリサのそういう所、本当に尊敬するよ⋯⋯」


 配信活動を初めて1ヶ月ほど経った。私たちは、閃光の如く現れた、超新星探索者アイドル配信者⋯⋯みたいな良く分からない注目の浴び方をしている。

 フルールのチャンネル登録者数はなんと650万人を突破。配信時の同時接続数は平均10万人を記録していた。


 急激に人気を博した私たちに、色々な大人が声をかけてくる——のだが、まるで世間知らずの私たちではどうしたら良いか分からず、とりあえず全て、やんわり断っている。一番驚いたのは、某有名女性アイドルグループから、アイドルデビューの打診が来たことだろうか。当然それもお断りしている。


 この1ヶ月で、探索者としては2800万円くらい稼げた。4等分して月給700万円。年収で言えば8400万円だ。メジャーリーガーには遠く及ばないが、一般的に見ればめちゃくちゃ稼いでいると言えるだろう。

 一方、配信で飛んだ投げ銭は、この5月で3400万円にもなった。半分は運営に持っていかれるが、それでも1700万円。探索者としての稼ぎと合わせて合計4500万円。1人で月収1000万円以上になる。投げ銭だけでこれなので、声のかかってる仕事に手をつければ、まだ伸びる余地がある⋯⋯。凄い。


「気軽に始めてみたけど、入ってくるお金がデカすぎて怖い⋯⋯」


 私がそう呟くと、朝食のトーストを美味しそうに頬張っているセリナが同調する。


「別に勇者パーティって富豪では無かったもんね〜」

「銀貨50枚と雑魚装備渡してきた時は、先に国王を始末してやろうかと思ったわ」

「あれはちょっと⋯⋯世界を救うために旅立たせるには酷いですよね」


 セリナの言葉にアリサが怒りを思い出し、サーシャもそれにやや同調する。私としては、苦笑いするしか無い。


 以前も少し伝えたが、銀貨1枚は日本円に換算すると1000円くらいの価値だ。つまり、銀貨50枚は約5万円。2日もすれば使い切るくらいの金額を渡してきた王様に、当時は私以外みんなご立腹だった。まぁ私は、召喚されたばかりで何も分からなかっただけだけど。


「ま、食うには困らなそうで良かったんじゃない?」

「私としては、もーちょっと歯応えあるヤツと戦いたいなぁ」

「わ、私は私たちの働きで誰かが救われるならそれで⋯⋯。身に余る大金です」


 既に魔王を倒したというのに、まだ強敵を欲しているなんて⋯⋯恐ろしい子。アリサは私と同じようにお金稼ぎとして考えているようだが、セリナは戦闘ができること、サーシャは人々の助けになることがモチベーションになっているようだった。


 そんなことを話していると、登校しなければいけない時間になった。アリサ、サーシャ、セリナは、私と同じ高校に通う転校生、という事になっている。手早く朝食を平らげると、足早に家から徒歩5分の高校へ向かった。

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