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雨の交差点で  作者: GAL♡
3/5

“彼氏と歩く帰り道”

 並んで歩く距離は、まだぎこちない。

 でも、結衣は気づいていた──浩太が自分の歩幅に合わせてくれていることに。

「ねぇ、なんで今日告白しようって思ったの?」

 勇気を出して聞いてみる。すると浩太は、少し照れたように頭をかいた。

「実はさ……夏休み入ったら結衣に会えなくなると思って。それが嫌で、今日しかないって思ったんだ」

「え……そんな理由、可愛いんだけど」

「可愛いって言うなよ。……でも、本音だよ」

 沈んでいた夕日が、二人の影を長く伸ばしていく。

 その影がほんの少し触れ合った。

「なあ、結衣」

「なに?」

「手……つないでいい?」

 その一言で、喉がきゅっと鳴った。

 結衣は俯き、小さくうなずく。すると浩太の手がそっと差し出された。

 触れた瞬間、体の芯まで温かくなる。

 初めて好きな人と繋いだ手は、思ったよりも大きくて、頼もしかった。

「やばい……めっちゃ嬉しい」

 浩太が素直に呟く。

 その声を聞いて、結衣の幸せも一気に溢れた。

「浩太の手……あったかいね」

「結衣が冷たいだけだよ。緊張してんの?」

「してるよ……今日から彼氏だよ? そりゃ緊張するよ」

「……そっか。俺も同じ」

 指が絡まる。

 その瞬間、夕風がふたりを包み、夏の匂いが少しだけ濃くなった。

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