あのイストリアでの戦いから…
あのイストリアで勃発したフェルヴェーレング、及び破天との戦いから半年が経過した。
これからその事件の後皆がどうなったかというのを1人ずつファイリング形式で書いていこうと思うが、その前にあの後イストリアからここに戻ってくるまでにあったことを話そうと思う。
句崇刃「キサラの似力を使ってフェルヴェーレングの皆を蘇らせる!?」
名織「あの子、どうしてもあの時の言葉が引っかかるみたいでなんとかしたいって気持ちがもう引っ込みがつかないのよ」
鬼沙羅「正直、かなり限界まで頑張るから後がどうなるかわからないけど…やらせて」
句崇刃「…しゃあねえな、止める気はねえよ。やりたいようにやろうぜ」
そうしてキサラの歌がイストリア全体に広がり、その幻想的で神秘的な歌声とイストリアの中の力によってフェルヴェーレングの人達は復活することができた
尖兵A「あれ…俺たち死んじまったんじゃ…」
尖兵B「いきかえったのか!?」
そしてその中にはあの男も…
ハイエンミュラー「なんだよ…地獄にも行けねえってのかよ」
句崇刃「よう、一度死んで頭が冴えたか?」
ハイエンミュラー「酷いこと言ってくれるね、でも騙されてたのも終わったし…まあ一からなんかやり直すよ。ありがとうそしてすまなかった」
そうして頭を下げる姿を見て、変わったことを感じた俺たちは一応許すことにした
鬼沙羅「…………」
句崇刃「よくやったなキサラ!やっぱすげえよお前は!」
鬼沙羅「…………」
句崇刃「おい??どうしたんだ??」
そう聞くとキサラはスマホを取り出し文字を打って見せてきた
ごめん、やっぱり無茶だったみたくて…声が出なくなっちゃった
句崇刃「な…!?」
その場にいた皆がそれぞれいろんな反応を見せるが
でも、私の力で救えるものがあってよかった。だって私も君に救われたもん
そう見せてきたキサラの笑顔に、皆はその心に納得を感じそれ以上は何も言わなかった
そして皆で帰ろうとしたが問題が発生する
春咲「子供たちをどうやって運ぼうかしら…」
鬼姫「フェルヴェーレングの連中は私がこのイストリアの中でメンテナンスを行いながらすごす過程で一緒に暮らしても問題ないが…」
イストリアは破天が色々いじくりまわした結果メンテナンスが必要な状況になり、それは鬼姫が住み込みで担当することになった
句崇刃「また離れ離れかぁ…」
鬼姫「1週間に一回ぐらいは会いに来な、そのうちポータルも設置するからさ」.
そうやって悩んでいたところ入口の方から声がした
針音「みんな!いるんでしょー!開けなさいよー!」
句崇刃「ロキ!?一体どうしたんだ?」
針音「ひゃっ!?いきなり開けないでびっくりするでしょ!(推しの顔が近すぎるぅぅ!)」
フラスコ「それにあれはロケ用の送迎車たちじゃねえか!」
どうやら針音がキサラの連絡を受けて送迎車を複数連れてきてくれたみたいだった
針音「にしてもまさかそっちに向かったって聞いた時は冷や汗かいたけど無事なようでよかったわ…」
キサラは申し訳なさそうにスマホに文字を打つ
うん、心配させてごめんね。それでさらに心配させるようで悪いんだけどしばらく声が出ないからアイドル活動はしばらく休止になりそう…
針音「えっ…嘘?…」
流石の針音も言葉を失ってしまった
針音「……ッッ!しょぉぉがないわね!貴方が帰ってくるまでこの私が!トップアイドルとして場を温めておいてあげますわ!!」
思ったよりすぐ立ち直ったようである
句崇刃「ありがとう、ロキ。俺もまた応援に行くからな」
針音「えぇ、お待ちしておりますわ(えっえーえっー!私のライブ見にくるって!!嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい)」
キサラは心の中であぁ…ロキちゃんって好きっていうよりは句崇刃君のこと敬愛してるんだ。などと考えていた。
針音「とりあえず帰ってからこれからのこと考えましょ、皆様!送迎車にお乗りになってください」
そうして皆が談笑しつつ車に乗る中、針音はその男の子を初めて視認した
そしてその男の子も背の低さから針音の姿がよく見えていなかった
そうして出会った2人は…
針音「えっ!?!?ローちゃん!?!?」
バニシアス「ロキお姉ちゃん!?」
句崇刃「何!?どういうことだ!?」
そこで句崇刃はある話を思い出す
もう海外に行ったから会えないだろうってだけ
アイドル辞めたら海外に行ってその子探すわ
外国人よ、日本に来てたけど国に帰らなくちゃいけなくなったらしくて
句崇刃「おい、嘘だろロキが探してた外国人の子ってまさか…」
針音「そうよ…ローゼンロード、私はローちゃんって呼んでたわ」
バニシアス「さっきの話の時ロキって単語聞こえてきてまさか…いや名前の読みが同じ人だろうと思ってたんですけど…まさかほんとにロキお姉ちゃんなの!?」
針音「うん…うん!会えてよかった…急にいなくなったから…」
針音は少し涙ぐんでいる
バニシアス「ごめんね、ロキお姉ちゃん。あの時は急に親の仕事の都合でまた転勤になっちゃって…でもまた会えてよかった!」
バニシアスの笑顔にロキも徐々に元気を取り戻す
針音「そうね…車の中で話したいこといっぱいあるの!連絡先も交換しましょ」
バニシアス「はい!」
そうして奇跡的な出会いと共に俺たちは送迎車でイストリアから帰り、その後それぞれの道を歩むことになった。
ここまでがイストリアで起こったことだ、それからのことと他の人が今どうしているかをファイリングしていこうと思う
今まで解決した事件の古い順から出てきた人達から書いていき、残った人達をさらに書いていこうと思う
エバン・レーゲン
似力 なし
首狩り音頭坂での事件でタッグを組んでいたかぶれた外国人のアイツは今個人で探偵業を営んでいるらしい。後述する師匠の容体もあって自分1人でなんとかできるようにがんばっている。今度アイツのいる国にでも旅行に行った時に会いにいこうかと思っている。
ニルヴァン・トーチ
似力 トーチング・アポロ
壁越しなどでも温度の差を見ることができる
ニルヴァンさんは足を砕かれてしまったこともあってしばらくは休息していたが、結果的に探偵業は辞めてしまった。その後に義足をつけて、今は警備員や護衛の職に就きたい人のための教室を開いてるみたいだ。探偵業のことはエバンに任せたと大々的に発表したのでエバンはしばらく酷だろうな…w
バニシアス・ローゼンロード
似力 グランド・バニシメント
一日3回まで自分に向かってくる物やかかる事象などを消し去ることができる
バニシアスは針音と連絡先を交換した後、なんとパリストン探偵社の部長クラスにまでなっていると聞いた。バリトンが諸般の事情から半引退みたいな感じなのでかなり実務に携わってるらしい。また忙しくない時にでも寄ってやろうかなとは思っている。
バリトン・ラストン・カーストン
似力 オウル・ソフティファイ
音を出す物の正確な位置や種類などを把握できる
バリトンさんはなんとガチで題舵鉢さんと結婚したらしい、流石にみんな驚いていた。
その結婚式が終わった後、経営難だったある探偵事務所のマネージメントに関わっているらしい。一応籍を入れてはいるが最近はあまり探偵業をしている様子はなさそうだ
題舵鉢飢姫
似力 枯井戸洲河風
有機物に植物を生やすことができる
題舵鉢さんはバリトンさんと結婚した後、バリトンさんがいる国に移り住み、今はそこで園芸店を営んでいるらしい、前に区内で開かれていた植物アートにも題舵鉢さんのとこの植物が使われていたみたいでかなり好評みたいだ
鉄菱かだん
似力 なし→星の民の貢物(?)
星の民が何かしらの力を貸してくれるらしい、まだまだ謎が多い力
妹のかだんは星の民がなんなのか、結局なぜ自分に力をくれたのかが気になってそれを知るために旅に出るらしい。からんもついていく予定だ
鉄菱からん
似力 星屑通信
自分と対象の相手を繋いで意思疎通ができるようになる、鍛錬の結果複数人や相手の意思や行動を読み取ることもできるようになった
姉のからんはかだんの旅に一応ついていくらしいが、それとは別にいつか似力を利用した相談所を建ててみたいらしい、優しいからんにあったいい未来だと思う
ハイエンミュラー
似力 鏡浸力
鏡を使って相手を宝石化したり、似力を宝石化したりできる。他にも色々できるらしいので意外と応用力のある似力
ハイエンミュラーはイストリアから去った後、ある国で一から博物館を作ったらしい。そこで自身の似力を使った宝石アート展を開いて、今では予約満杯の超人気博物館になっている。この前招待されて行ってみたが、前のハイエンミュラーとは思えないくらい満ち足りた顔をして美術館を運営しており、自然と俺も笑みが溢れた
ジラン・リーベック
似力 十五夜の防人(?)
死んでも15日後に復活するらしい…それ以外にもなんか有りそうだが本人が話すまでは特に言及するのはやめておこう
ジランは結局のところ普通に15日後に復活したらしい、その後フラスコと再会し今はフラスコと共に料理店を営んでいると聞いた。たまにうちの区にもくることがあるのでまたその時は何か頼もうと思う
室伏カァト
似力 加算龍
手にした物の事象1つを10秒後にカウントを1増やすことができる(例外あり)(大きさを1から2にカウントすることで大きさを2倍にできる)
室伏は雁斎さんと一緒に遠方の地で過ごしていたらしいが、なんとそこに巣食うマフィア達とガチの戦いになったらしい…加算龍があるとはいえ心配だが引岸もイストリアからすぐ戻ったし、新たに2人の強力な従者を招き入れたみたいだし。そもそも加算龍がそもそも結構無法に暴れられるからまあ手助けとかはしなくていいだろう…
引岸厳斗
似力 斬座上
そこそこ大きめの鎧武者をよういて攻撃や防御が行える、かなりの鍛錬を積んだので色々な型を使うことができる
引岸はすぐに室伏のとこに向かって、そのままマフィア達との闘いに参戦した。俺も帰る前少しだけ手合わせしたが、かなり強くなっており、実際あっちのマフィアとの闘いでもかなり活躍してるらしい。正直マフィア達は負けるだろうな…
夜鬼嶋刃慣
似力 鬼の硯→先祖の力
元の力は見つめた相手の隠し事を看破することができる
結局イストリアから帰っても、数日間は目覚めなかったのだが…ある日の午後に目覚めたらしい。どうやら寝ている間に語りかけられたことによると、アレは遠い先祖の思念体だったらしく、死なれたら困るというのは意外にもガチだったようである…めっちゃ疑ってごめん。それからというものの今一度自分を見つめ直して自分自身の力で勝負するために警察を辞め、今は名織組の警備長に戻りながら師範代に改めて稽古をつけてもらっているらしい。俺への感じは相変わらずだ…
フラスコ・リーベック
似力 滴定されたフラスコ
フラスコの中で自分が願った効果を引き起こす液体を生成できる(1日一回)(願いによって生成速度に変化あり)
フラスコはジランとちゃんと出会うことができた、そしてさっきも供述したように2人で料理店を開いている。どうやら最近異国を旅する3人組のグルメ家にかなり絶賛されていたようで、意外にも天職だったのかもな
針音露鬼
似力 ???
どうやら似力を持っているらしいことを先日知った、でもかなり話しづらそうにしていたためどんなのかとかは聞かなかった。でもあることを話してくれるくらい信頼されているのは嬉しい
その後のロキといえばとあるライブでの歴史的大事件を立て直した立役者となっている。詳細はまだ知らないがその事件を契機にロキは区内No.1アイドルの座を手にしている。本人はやっぱり彼女に早く戻ってきてほしいと思ってるみたいだけどな。時々探偵業の長期休暇中にバニシアスがライブを見に行っているらしい、バニシアスの休暇の日程が1日ズレてライブを見に行けないってなったときに2日連続で無理やりライブしたって聞いた時は流石にコーヒー吹き出したよ
寝具巻袋羽
似力 ???(持っているかどうかすらわからない)
話題に出してはいるが、いつものらりくらりとかわされている
寝具巻さんは相変わらずマイペースに事件を解決しているらしい、それでも既に区内No.3まで上り詰めている。最近はロキ周りでたまに起きる厄介な事件を前知り合った縁で解決しているらしい、何かあったら連絡するって言ってるから今度は同じ事件を合同で解決することも…あるかもな?
ここからは残った分の人達のことを書いておこう
石郡春咲
似力 雪女の装い
雪女のような攻撃や行動が行える
春咲さんはあの戦いで突如現れた子供達を引き取り、今は名織組の隣に子供達を住まわせる平屋を建てて、そこの管理者として一緒に過ごしている。妹達も一緒になって手伝ってくれているらしい、代わりに石郡探偵事務所は廃業という形になってしまった。
名織かな
似力 鬼の覇装
鬼の腕力や破壊力を扱える
名織さんは今までの通りに組のことに従事しつつもたまに春咲さんの手伝いをしている。子供の中には生意気な奴もいるが普通にぶん殴ってわからせてるらしい、やめてあげてほしい。
名織信館
似力 なし
師範代はというとまだ組の組長として動いてはいるものの、近々かなさんに組を任せようという話になっているらしい、どうやら刃慣さんの鍛錬にしばらく付き合った後、隠居という形になったらしい。生涯現役だと思ってたもんだがな
名織彼方(雨桜猫玉)
あの戦いの後、改めて彼方さんの墓へ墓参りに行った。父親の代から何から何まで助けてもらってばかりで何も返せなかったが、それは今後の探偵業で返していくとにしよう。そうして振り返ると坂の上に彼方さんとも雨桜ともとれるような人がいたような気がした…
句崇刃鬼姫
似力 根源の鬼力体→なし
今は似力フリーだから何か新しいの手に入れてもいいかもといっていた。そんな簡単なことなのか?
母さんはというとあれからフェルヴェーレングのみんなと普通にイストリアにすごしているらしい。この前ポータルを繋いでもらったので行ってみたんだが、半教祖みたいになっててちょっと笑えなかった。春咲さんの母親もどこかの国の女独裁者だったらしいのでうち周りの母親は怖い人ばかりだ…
これで一応全員のファイリングはできたかな、いや後数人と自分自身のがまだだったな、これは最後のエピローグとして書き残そうと思う
結局その後の俺、句崇刃升斗はというと…
句崇刃「エマさん!!だからそれを探偵事務所に置くのはやめましょうって…」
宏衣「エー?いいじゃないですか句崇刃クン、これぐらいなら大丈夫デスヨ」
句崇刃「子供が怖がりますよ…」
この人、宏衣エマさんは前話していた別の区に出張していた先輩探偵の1人だ。ハーフではあるが日本語が堪能である、けど何故か節々の日本語がカタカナみたいに聞こえる話し方をしている。渡部
渡部「エマ!一応春咲殿の決定では句崇刃殿がこの新しい探偵事務所の所長なんですぞ!無理な要求でもないのですからいうことを聞きなされ!」
もう一人の先輩探偵、渡部鴉刃之介さん。かなり古風な着物を着たメガネをかけた、アニメとかにはよくいそうな出立ちをしている。ちなみに頭脳が強い分運動はそんなでもないが、似力でカバーしている。
句崇刃「わかったよエマさん、見えにくい所になら置いていいから」
宏衣「アリガトーございます」
渡部「そういえば句崇刃殿、我が所望した煎餅はまだ来ないのですか?」
句崇刃「うーん、今日来るとは行ってたがな…」
その時インターホンがなる
句崇刃「ちょうどきたかもな、すまん受け取りに行ってくれないか?」
そういうともう一人いた女の子がコクリと頷いて玄関の方に向かった
宏衣「にしても句崇刃クンも隅に置けないデスネ」
句崇刃「はい?」
渡部「いつのまにあんないい子を捕まえていたのですかな?」
句崇刃「だからそんなんじゃねえって…困ってる時に助けるって前々から言ってたしな」
そうして煎餅を受け取って戻ってきた女の子に句崇刃は声をかける
句崇刃「ありがとうな」
キ サ ラ
第二部に続く…