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魔性のアンデッド   作者: アデビィ
序章

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7

……今日で病院生活一ヶ月。いよいよ待ちに待った二度目の退院日だ。




…………どうして二度目の退院日なのかって?




ハハハ…笑

はしゃいだらまた転んで、今度は左足と左腕が取れたんですよぉ。笑


アハハハハ!!笑 笑って?笑ってくださいよ!!笑










……はぁ…ほんとになにしてんだよ僕は…全く…




ということで、僕の身体はほとんど新しく生まれ変わった。ゾンビなのに身体のほとんどが普通の人間になったのだ。

血色のいいゾンビなんて聞いたことがないが、僕はこの一ヶ月で血色のいいゾンビになったのだ。


おかげで走ることさえできなかったゾンビの僕が、ハードル跳びくらいはできるようになった。

身体が自由に動かせるのは、この上ない幸せだ。

やっぱり健康が一番!!

健康はお金には変えられないよね!!




そして、



リハビリはしつつ、一ヶ月も自堕落な生活を病院でしていたら、この世界の情報、主に今いるこの国の情報がある程度手に入る。

ほとんどエラノアさんから教えてもらったのだけれど。








エラノアさんの説明はとても丁寧で、面白い話が多く、楽しかった。



…が、それを全部話すと一週間は掛かるので、エラノアさんには悪いが僕なりにまとめさせてもらう。


…ごめん…エラノアさん…













…まず、僕がいる場所は、


『オレオ王国』。


円形の島国だ。


どうやらこの国は3層の階でできているらしい。

まず地上。僕がいる階だ。この階では他国との貿易場として主に使われており、商人や様々な専門店の店主家族たちが住んでおり、行政なども地上で行われる。

いわゆる国の玄関となる場所だ。


どうやらオレオ王国は、食料自給率がとても低く、山菜以外の食べ物は全て他国からの輸入に頼っているらしい。


だからオレオ王国は平和を好む国のようだ。

それはなぜか?簡単な話だ。

もしもオレオ王国が他国と戦争するとしよう。そうなるともちろん敵国からの輸入品はやってこない。オレオ王国としては敵国が一国だけだったとしても、すぐに食べ物が枯渇してしまう。そうなると、国民は餓死してしまい、結果的に必ず負けるのだ。

この世界の人間はそこまで馬鹿ではない。

必ず負けるというのにそれでも戦争を自分たちから仕掛けるなんてことは、僕の知っている限り前世のとき住んでいたあの国しか知らない。



では、他国から戦争を仕掛けられたらどうするのか?




どうやらその可能性はなさそうだ。


この国の輸出品、それは高純度の魔石や高価な鉱石たち。そしてそれを使って加工した武器具や家具などを輸出している。

なんとこの世界の武器具は99%がこの国で作られたもののようだ。


この世界にはもちろん、獰猛な動植物、そして攻撃的な魔物がはびこっておる。

武器具はもはや戦争のためだけのものではない。

自衛のために存在しているのだ。

つまり、武器具の需要は常にある。

そしてその武器具を作れるのはこの国の狭き鍛造試験を突破した凄腕の職人たちしかおらず、常にある需要を満たすのは、このオレオ王国だけなのだ。


つまりオレオ王国は他国からの食料輸入なしには運営ができず、逆に他国はオレオ王国がなければ身を守る道具が手に入らないのだ。


この完璧な需要と供給の関係を維持し続けることが、この国のやり口なのだ。


実に合理的で素晴らしい。


僕はこの国にそんな印象を受けた。



……話を戻そう。


次に地下一階。ここでは多くの国民が住んでいる、居住空間と言っても過言ではないだろう。


なぜ地下に住む人が多いのか、それは先ほども話した、この国の輸出品に関係がある。


この国の輸出品は高純度の魔石や高価な鉱石たち。それは地下にある。手に入れるためには鉱員が必要だ。


そう、つまりこの国の大部分の人は鉱員として働いており、その家族や鉱員たちは仕事場から近い地下一階で生活しているのだ。

中には他国から出稼ぎに来る者もいるらしい。


そして地下二階。ここは鉱員たちの仕事場だ。

様々なレアな鉱石や高純度な魔石がたくさん採れるらしい。


なぜそんなに鉱山資源が豊富なのか?


それはもともとこの場所は、とても大きな活火山で、数万年の時間をかけ出来上がった火山の恵みを掘っているかららしい。


マグマ溜まりにマグマが無くなり、凄腕の職人たちが多いこの国だからこそ、この大きな地下都市を築くことができたのだろう。


改めてこの国の技術力には感服する。




ここからはこの国の文化や宗教を紹介しよう。



オレオ王国は島国であり貿易が盛んという特徴からか、様々な文化が混ざり合い、1つの新しい文化として花開いたように感じる。


感覚としては、それこそ日本と近いかもしれない。


日本の場合は、同じ島国ではあるが、ちょくちょく貿易を抑えて、オリジナリティある文化を大きく残しつつ、そこに明治維新等の出来事による西洋文化の来日により2つの文化が混ざり合い、現代のような新しい文化が花開いた。


しかしオレオ王国は鎖国など一度もしなかったので、オリジナリティある文化というものがない。

つまり、他国の文化という文化を混ぜて組み合わせ、1つの新しく都合の良い文化にしたのだ。


結果、日本もオレオ王国も他国の文化を取り入れ、1つの新しい文化として文明開化させたという点では同じだ。

やはり、人間という生き物はどんな世界であっても文化や宗教はその国にとって都合の良い存在になっていくのだろう。





…いやぁ…やっぱり勉強って、色んなことを知っていくと、こういうところで繋がっていくから、やめられないよなぁ…

勉強ってやっぱり人類の最高峰の娯楽だよなぁ…

やめられない止まらない。











エラノア「おーい♡そろそろ出発するぞぉ〜?♡」


僕「はーい。ちょっと待ってくださいー」


エラノア「初デートだからって、そんなに張り切らなくてもいいんだゾ?♡♡♡

かわいいなぁ♡♡ぷりちぃぷりぷりキュンキュンぷんぷんゾンくんは♡♡♡♡」


僕「あのぉ??いい加減ちゃんとした名前にしてくれません?」


エラノア「えぇ〜…そんなぁ…結構気に入ってるのにぃ…」


僕「……あ、そうだ。せっかくだから僕の名前を探す旅なんてどうですか?

どうせ僕には行く当てがないので、だったらもういっそのこと自分探しの旅に出て冒険するのもアリかなぁと。」


エラノア「あ、いいねぇ!!それ!!♡♡♡


あ、じゃあ冒険者登録をしないとね?♡♡」


僕「あ、やっぱりそうですよね~。ギルドとかに登録しないとなー。




……でも名前書かないとだめじゃん!?

名前を探す旅なのに、旅立つために冒険者になるために名前が必要だ!!

やばい!!もう詰んだ!!!」


エラノア「大丈夫だよぉ〜♡ ちゃんと仮の名前として、ぷりちぃぷりぷりキュンキュンぷんぷんゾンっていう名前があるじゃない〜♡♡♡」


僕「…それが嫌だから名前を探しに行くんですよ…!


はぁ…どーしよ…



…ゾンビ…魔性… アンデッド…名無し…




……『ナナシノゾンビィ』。 これでいいや。



とりあえず僕はナナシノゾンビィとして冒険者登録します。」


エラノア「…………



……




やっぱりぷりちぃぷりぷりキュンキュンぷんぷんゾンくんがよくない?」


ナナシノ「嫌です!!!」

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