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魔性のアンデッド   作者: アデビィ
第一章

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リルミル「おいおまえ!おいしいものもっと知ってるのか?」


ナナシノ「……まぁ、これから僕の故郷の味の再現のために材料とか必要なものを買いに行くところだったんだけどね。

君のせいで予定がボロボロだよ。このままじゃ美味しいものご馳走できないかもなー。どう責任取ってくれるの?」


リルミル「なっ……!………わ、わかったよ!!じゃあそこのアイツ元気にしてくるし、手伝うよ!!」


ナナシノ「それだけ???」


リルミル「うっ…… じ、じゃあ、許してもらえるまでずっと手伝う… 僕魔法得意だから… 

……あ!違う!!オレ!!!オレは魔法が得意なんだ!」


ナナシノ「そうなんだ~? あと、なにか言うことあるよね??そのゴーレムくんも一緒に。はいどーぞ。」


リルミル「……ご…ごめんなさい…」(ぬいぐるみだったゴーレムもペコリと頭を下げる)


ナナシノ「…はい。わかりましたー。じゃあ遠慮なくこき使いますー。覚悟しておきなさーい。

まずはエラノアさんを治して。治癒魔法はよ。あとちゃんとエラノアさんにもごめんなさいっていいなさい。いい?わかった?」


リルミル「わ…わかったよ…(ちっ)」


ナナシノ「おい。舌打ちした?まじでなにもあげないよ?」


リルミル「し…してないよ! ……


(エラノアに高度な治癒魔法をかける。エラノアはすこしぐったりした様子で元気になる。)


…はい。 吹っ飛ばしてごめんなさい。(ペコリ)」


エラノア「痛ー……はぁ…久しぶり死にかけたわ…


……(リルミルの両方のほっぺを、片手でむぎゅっとする)


すごい強いのは認めるけど、やりすぎだよ?すぐ疲れるんじゃないの?もう…」


リルミル「つ…疲れないし…べつに…ほんとに…」


エラノア「…まあたしかに、疲れてるようには見えないね。笑 才能すごいね?今度私に教えてくれない?一応、魔法の講習も修了してるから、試し打ちとかもできるんだー。笑」


リルミル「…ゴールド免許だもんな…そりゃあそうだろ…」


ナナシノ「…ゴールド免許ってどういう意味なの?」


リルミル「は!?知らないのかよ!


ゴールド免許は、剣から大盾


まで、武器全般の扱いが8割程度以上扱える、または武器科目の筆記試験で8割以上の点を取る、さらには魔法の扱いも8割程度以上扱える、または魔法科目の筆記試験で8割以上の点を取らないとゴールド免許はもらえないんだぞ?


実力か知識かが、魔法も武器も8割以上の成績じゃないとダメなんだよ。


常識だぞ?」


ナナシノ「すみませんね!世間知らずの異世界転生者なもんでね!」


リルミル「ったく…オレと同じ年くらいかすこし上くらいなんだから、それくらいはわかっとけよ…」


エラノア「まあまあ。笑 ゾンくんはちょっと特殊なのよ。笑

それにしてもリルミルくん、よくそこまで知ってるのね?すごいよ!笑」


リルミル「ほ…褒めても魔法しか出ないんだからな…!


…ありがと…」


エラノア「照れてるー。笑 かわいいー笑」


リルミル「あ…当たり前だ…オレはかっこよくてかわいいんだから…


…ありがと…」


エラノア「じゃ、そろそろ買い物に行きましょうか。笑 大豆とお鍋とお米か麦…あとお水と樽だよね。あ、あと塩。

…大変だなー…」


リルミル「……鍋…あるよ…あと、お米とお麦…」


ナナシノ「まじ!?ナイスー!!ありがとー!たすかるー。」


リルミル「…ふ、ふーん…? …まあ役に立ったならよかったよ… ……お米とお麦は2キロずつなんだけど…いい…?」


ナナシノ「十分すぎる…ありがたい… …これで米麹か麦麹が作れるけど、問題は麹菌だなー…ビール会社の酵母とかから…いやーさすがに譲ってくれないかー…

うーん…


リスキーだけど自然の酵母か麹菌からかなー…」


エラノア「……あ。 …もしかしたら…いやどーなんだろ…」


ナナシノ「ん?どうしたんですか?」


エラノア「いや…この前言ってたけど、コロナン・ビールンさんっていう酒造家さん。ゾンビ化しちゃったって言ったでしょ?

たしか近くに昔使われていた醸造施設の一つがあったはず…もし廃墟のままで、とくになにも手を付けられてなかったのなら、もしかしたら麹につかえる酵母があるかも…と思って…」


リルミル「いやいや…そんなうまい話あるわけ…」


ナナシノ「……じゃあ、リルミルは必要なものの買い出しに行ってきて。僕とエラノアさんはその施設に行ってきて、使えそうなものを持ってくる。」


リルミル「……いやいやいや!!危ないよ!悪い奴らとか魔物とかいたらどうするの!?」


ナナシノ「大丈夫。エラノアさん強いから。笑」


リルミル「……わかったよ……じゃあ必要なもの教えて?」


ナナシノ「たくさんの大豆。一応10キロくらい買ってきて。あとお塩。あとお水と樽。よろしく。笑」


リルミル「えー…おっけ。わかった。 気をつけてね…?

…その…頑張るから…僕…


…あ、違う!!オレ!!オレ頑張るから!」


ナナシノ「……はいはい。笑 ありがと。よろしく。笑

(リルミルの頭を優しく撫でる)


…じゃ行ってくるね。」


リルミル「…うん…いってらっしゃい… …頑張らないと…!」








僕とエラノアさんは地元の人たちから聞いて回り、めぼしい場所を見つけ、そこに向かう。





……すご…まじであった…ツタだらけ… …アイビーって言うんだっけ…

レンガ造りの建物を、アイビーは意思を持っているように回りを囲み、飲み込んでいて、廃墟オブ廃墟の見た目だ。

ひとまず僕らは、お酒が保管されていた可能性がある地下室を目指して歩いた。確実なのは誰も回収していないお酒に繁殖している酵母たちだ。もしなかったら、レンガの目地を削れば、酵母が張り付いていて、回収できるかもしれない。


…奥の方を歩くと、地下への階段を見つけた。お先真っ暗な階段。ライトがないと見えない。

こんなときのために、ここに来るまでに松明を買ってきた。備えあれば憂いなしだね。


…松明をつけて、奥へと進んでいく。時々、口にしたくないあのカサカサ動くGがいたりして、僕は発狂したりしたが、エラノアさんは冷静に仕留めていった。


エラノアさん強すぎる…


そうしてどんどん…どんどん奥へと進んでいく。


…蒸し蒸しする。湿度が高い。そしてすこし涼しい。

やがて、とても広いところに出た。


エラノア「…あった。貯蔵室だよね。ここ。 …たくさんあるね。酒樽。」


ナナシノ「ほんとですね。それにここは蒸し蒸ししてて、すこし涼しいです。菌の住処としては最高ですね。

…では、確認していきましょうか。外側に白いものがあって、フルーティーな香りかナッツみたいな香りならビンゴです。それかワイン樽なら、底の方に白い結晶とかもあるかも。

良さそうな樽があれば、割って持って帰って培養しましょう。」




結果、数個の樽にはフルーティーでいい香りのする白カビがあった。ほとんどはアンモニア臭くて鼻が曲がりそうだったが、我慢して探した甲斐があった。

おそらく、この白カビたちは酵母菌か麹菌だろう。


僕らはこの白カビが張り付いている樽の破片をいくつか持って帰った。帰りも何事もなく、リルミルと合流できた。




ナナシノ「…ということで、一旦試し味噌を作ってみましょうー。


味噌の作り方ー!


その1!だいたい50gの大豆を、水に浸しまーす!」


エラノア「へー。どれくらい?」


ナナシノ「一晩です!」


リルミル「なが!!!え、じゃあ今日は食べれないの?」


ナナシノ「今日はねー。発酵食品だからしょうがない。我慢我慢。


(次の日)


ではその2!浸した大豆を鍋で茹でます!2時間くらい!」


リルミル「なが!!うそ!!えー…じゃあ2時間暇じゃーん…」


ナナシノ「暇じゃないよ!ちゃんとアクを取りながら茹でるんだから。ちゃんとアクを取ると美味しいお味噌になるの。


その3!茹でた大豆を潰す!!!

粒感がすこしあるくらいがいいかなー。耳たぶくらいの弾力だよ。」


エラノア「(ぷにぷに…)あーなるほど。おっけー♡

じゃ私とリルミルくんでやるねー♡)


リルミル「こ…こう…? …………笑 楽しいな…これ…笑」


ナナシノ「…うん!そろそろいいかも。


ではその4! 取ってきた白カビくんたちを、潰した大豆に入れて混ぜますー! リルミル、混ぜて。笑」


リルミル「こう…?」


ナナシノ「そう!そしてその5!ここに塩を少々入れてさらに混ぜますー。よろぴーリルミルー。」


リルミル「…うん。こんな感じかな?でもなんで塩いれるの?」


ナナシノ「お、いい質問ですねーリルミルくん。

塩を入れると、その白カビくんたちを邪魔する雑菌たちから、白カビくんたちを守れるし、白カビくんたちが発酵するときの安定剤になるのだー。」


リルミル「へー!面白いなー!」


ナナシノ「その6!混ぜた大豆を丸めて固めますー。

空気を抜くように丸めて?」


エラノア「こう?(ぱちぺちぺちぱち)」


ナナシノ「そうです! そしてその7! 丸めた大豆を、清潔な容器に押し込みながら詰めていきます!ここでも空気が入らないようにして詰めていきますー」


リルミル「くっ…まあまあ力いるね… はぁもういいや。 [マシュマドロップ](グニ!グニ!)」


ナナシノ「ちょ!ゴーレムくん手洗った?」


(ゴーレムはペコリと頷く)


ナナシノ「…ならいいんだけど…


…詰めたら表面を平にします!そして布で覆います!


最後にその8!蓋をして重しを乗せ、今回は1週間ほど待ちます!気温は20℃〜25℃をキープ。

もし淡白な味だったら追い発酵しますー。」


リルミル「…これ本番はどれくらい待つの?」


ナナシノ「半年以上。」


リルミル「は!?そんなに待てないよぉ… …時間を進める魔法使おうかなー…」


ナナシノ「それも実験したいから、今回はあらかじめ2つ作るよ。1つは普通に作るやつと、もう一つは時間を進める魔法を使ってみた場合。

どちらも初めの3日間は普通に発酵させるよ。」


リルミル「…す…すごいな…食に対する熱量…」


ナナシノ「当たり前だろぉ?食事は最高の娯楽の1つだぞ?本気を出さないでどうする!僕は今、すっっごい味噌汁と味噌焼きおにぎりが食べたいんだ!」


リルミル「………そんなにおいしいの…?」


ナナシノ「美味しいよぉぉ??やばいよ?まじで。」


リルミル「……た…楽しみ…♡」


(3日後)



ナナシノ「さてさてさーて。途中経過はー…?」


(どれも順調に発酵できているように見える)


エラノア「おー♡ なんかちょっと嬉しいねー♡)


ナナシノ「……よし。じゃあリルミル。時を加速させる魔法を使ってくれ。」


リルミル「ちょっとカッコつけて言うな。


[タイムローディング]。」



(…………だんだんフルーティーな香りがしてくる…)


ナナシノ,エラノア,リルミル「……おおおー!!!!」


ナナシノ「すっごい甘い匂いがする味噌だけど…まあ美味しいだろうな…♡」


リルミル「じゃあ、いただきまーーす♡ (指を入れようとする)」


ナナシノ「だぁぁぁ!!!!だめ!!味噌汁作るから!」


リルミル「えー…」



よし…じゃあ魔法を使った味噌の味見がてら、久しぶりの味噌汁を作るか…


…出汁を温めて…味噌を溶いて…海藻と大根… 豆腐はないからしょうがない…


……


ふぁぁぁ…♡♡♡ 甘い匂いがするけど味噌汁だー…♡


…(ごくり……つばを飲み込む)


リルミル「な…なんだ…この匂い…♡」


エラノア「これが…ゾンくんの故郷の食べ物の匂い…♡」


ナナシノ「世界初の味噌汁。おあがりよ!!♡」


(味噌汁には湯気が立ち…甘くて心地良い匂いが鼻の奥まで届く…)


…じゃあ…♡


ナナシノ,エラノア,リルミル「いただきまーーす!♡」


(ズルルルルルル………)


………




















ナナシノ,エラノア,リルミル「うめぇぇぇえ!!♡♡」








味噌汁を飲んで数時間後、僕らは全員、トイレで1日を過ごすことになった。












発酵不足だったかぁ…うう……時間を進める魔法かけたんだけどなぁ……



ぐっっっ!!!!!

お腹痛い……

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