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魔性のアンデッド   作者: アデビィ
第一章

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21

なんやかんやあったけど、いよいよプリン・グルス帝国に行ける…

これでやっと商人になれる…! 商人になってたくさん味噌汁食べるぞ!


ザレス「おーーい!!嬢ちゃんたちー!!ちょっと待ってくれー」


ナナシノ「あ!ザレスさん!ちょっどよかった!これ前回いただいた船代の3000レオです!お返しします!それでどうしたんですか?」


ザレス「おーどーも。 ほらこれ。前のオークションで買ったウマい魚の切り身。笑 薫製にして保存食にしといたから、よかったら食え。笑」


ナナシノ「ありがとうございます!!大目玉の大目玉の魚ですよね?」


ザレス「ややこしい言い方だけどそうだな。他の魚と違って身がぷりぷりなんだよ。笑 薫製にしたら最高のお酒の肴になるんだよー…♡ 焼いても美味いし、煮ても美味い。薫製はとくに美味い!!」


ナナシノ「へー!ありがとうございます!!!ではお言葉に甘えていただきます!」


ザレス「んじゃ、またどっかで会えたらそのときなー?笑


達者でなぁぁー!!!!」


ナナシノ「バイバーイ!!!笑」




このあと、僕とエラノアさんは、帆船に乗って数日の船旅をして、プディン群島の一つ、カラメル島へとやってきた。めんどくさい入国検査をなんとか通過し、無事にプリン・グルス帝国に入国できたのだ!



カラメル島のカラメル港では、まずレオからチップスへ両替。手数料で4000レオ、つまり4000チップスを支払った。無茶苦茶な手数料だ。旅行客にとったらたまったもんじゃない。

まあ4000レオ払えば、いくらでも両替してくれるので、必要経費としておこう。


そして手荷物検査。武器具を持っている場合、身分証と武器の使用許可証の提示を求められる。エラノアさんはなんかゴールドらしい。たぶん自動車免許のゴールド免許みたいな感覚なのかな?


僕はお金とザレスさんからもらったおつまみしか持ってないので、とくに身分証の提示は求められなかった。

武器を持ってないということは、危険ではないということなのかな?というか普通みんな武器は持ってるので、普通は身分証の提示はするはずなんだろうな。


ただ本当に武器を持ってないかどうか入念に検査されたけれどね。服まで脱がされたよまったく。なんか金属探知機とかそういうの魔法でなんとかならないのかね。時々不便だよなー。


入念なチェックのあと、どうしてこの国にやってきたのか聞かれた。 もちろん商人登録をするためにギルド本部へと向かいたいことを伝えて、何事もなく入国できた。

あとなぜか僕の趣味とか好きなこととかいろんな関係ないことも聞かれた。真摯に向き合ってちゃんと答えていたが、途中で気づいた。ナンパだったんだろうな。あれ。恋人いるかどうかまで聞かれたもん。適当に嘘ついてごまかしたけど。

エラノアさんごめん。勝手に彼女にしちゃった。全然結婚とか考えてないのに。


エラノア「ふぅ。じゃあギルド本部に向かおうか♡ すぐそこだよ。笑 私もそろそろ書類更新しなきゃいけなかったし、ちょうどいいや。笑」


ナナシノ「書類更新はだいたいどれくらいの期間経ったら更新するんですか?」


エラノア「えーっとー、冒険者はだいたい5年経ったら更新かなー。15年に一度免許更新もしないといけない。

商人は2年に一度更新じゃなかったかなー?なんでかはわからないけど。必要免許とかべつに設定されてないからかもね。

冒険者は絶対、武器の使用許可証と、冒険者免許を取らないと冒険者にはなれないんだよね。」


ナナシノ「えーー……なんかめんどくさいですね…」


エラノア「わかるー。めんどくさいー。正式の冒険者登録以外の更新とかは、ギルドだったら本部じゃなくても、地方とかでもいいから、それは助かるかな。」


ナナシノ「へー。それはどこの国の法律になるんですか?それとも国際法的な?」


エラノア「お。いい質問。国際法じゃないんだけど、どこの国も全く同じ法律が書かれているの。すごいよ?全文全く同じ。だから、冒険者や商人はわざわざその国のめんどくさい法律のことを深く考えなくても、ギルドを通したらだいたいなんとかなるのよ。食料とかお店とか交通法とかは、その国の法律に従うんだけどね。まあ、だいたいどの法律も、どこの国でも同じだから、もういっそのこと国際法ってしてもいいとは思うんだけどね。」


ナナシノ「や…ややこしい…」


エラノア「ま、やっていけばなんとかなるよ。笑」


ナナシノ「そうですかー…? まあそうですね。こればっかりはやってみないとわかりませんね。」


エラノア「そうそう!♡ がんばろー♡」






(冒険者・商人ギルド本部)




ナナシノ「あのーすみません。」


受付嬢さん「(口を開いてこちらを見ている)………」


ナナシノ「あのー?大丈夫ですかー?」


受付嬢さん「………はっ!!!私としたことが! 申し訳ございません。見惚れておりました。」


ナナシノ「そ…そうですか… ん゙ん゙… 商人登録をしたくて。いいですか?」


受付嬢さん「かしこまりました。ではこちらの書類にお名前、生年月日、年齢、簡単な事業内容、ご住所があれば現在お住まいのご住所をお書きください。」


ナナシノ「はい。わかりました。ありがとうございますー。笑」


受付嬢さん「♡!?♡ …い…いえ…仕事ですので…」




羽ペンだ…なんだこれ…鷲…?鷹?


まいっか。えーっとー…


名前は…『ナナシノ・ゾンビィ』。生年月日……2月29日にしたらどーなるんだろ…年齢は…


ナナシノ「すみません?笑 僕いくつに見えますか?笑」


受付嬢さん「え…? ……もう少しお若かったら申し訳ありません… …20歳〜25歳かと…」


ナナシノ「わかりました。それにします。」


受付嬢さん「??」


ナナシノ「あ、あと今年って何年でしたっけ?」


受付嬢さん「今年はマーブル暦2025年です。」


ナナシノ「ありがとうございますー。笑」



うるう年生まれで2月29日だから、


えーっとだからー…?2004年生まれで21歳。


えーっとあとはー…? 簡単な事業内容…


…どーしよ。いろんな物売りたいし買いたいし、作りたいなー。


貿易商人になるのかな?


それで…?



……べつに会社に入社して商人になるわけじゃないから、個人事業主だな。 じゃあここに丸つけて…



ナナシノ「できましたー」


受付嬢さん「はい。ありがとうございます。拝見します。」



………え?ほんとに2月29日でいけるの?



受付嬢さん「ありがとうございます。確認できました。ではこれで正式に商人となりました。

入会費として10,000チップスいただきます。」


ナナシノ「あ…はい…どうぞ…」



受付嬢さん「はい。ありがとうございます。では、よき商人ライフを。(ペコリ)」


ナナシノ「あ…よき受付嬢ライフを…」


受付嬢さん「あ、すみません。個人的なことなのですが、ご住所にご記入がないということは、宿に泊まったり船旅をしたりして過ごすということでしょうか?」


ナナシノ「あー…はい。そうですね。旅をしながらひっそりと。」


受付嬢さん「では書類更新に来られる際、私のお家に泊まりませんか?」


ナナシノ「……………は?」


受付嬢さん「いや、ナナシノ様はとても美しい方なので、悪漢に襲われるかもしれません。そんなとき、鉄壁の無料宿があったほうが良いのではと。


あなたを守るためです。 ………♡


ね?私は同性ですし、安心ですよね?笑 …♡」


ナナシノ「……………」


エラノア「ゾンくーーーん♡♡(ぎゅ…♡)商人登録おわった?」


ナナシノ「あ、はい。終わりました。 …ナイスタイミング。エラノアさん…(グッ っと親指を立てる)」


受付嬢さん「…………くそ!!!!ではとっととお帰りくださいませ。私の心を弄んだ新人商人様。」


ナナシノ「あんたが勝手に話を進めようとしてきたんだろうが。


ではまた2年後ー」




あぶねー。悪女に襲われるところだった。


エラノア「じゃあ早速、そのお味噌って調味料作りの材料を買いに行こうか。ゾンくん。」


ナナシノ「そうですね。 えっとー、


大量の大豆と、米麹用のお米、または麦麹用の麦、あと樽と、重しや大豆を浸すために使ったりするお水。そして鍋とざると袋と…」


エラノア「ひゃー…多いね…


…でもそこまでしてまで食べたい調味料なんでしょ?♡

気になるー♡ 作ったら早速食べようね♡」


ナナシノ「あ、食べられる味噌はだいたい半年後〜1年後ですよ。言ったと思いますけど。」


エラノア「…………えー!!!! そんなぁ〜……


…はぁ…時間を進める魔法とか使えればなー…」


ナナシノ「そんな好都合な魔法あるんですか?」


エラノア「あるよー。私はできないけど。」


ナナシノ「まじですか!? ………頑張って僕、魔法使えるようになろうかな…」


エラノア「じゃあ冒険者登録しないとだめだよ?登録してないのに勝手に魔法使ったら、5〜6年は牢屋にいることになるよ。」


ナナシノ「まあまあ重罪ですね… そーかー…」


エラノア「それに急速に時を進めるわけだから、わからないけど味が悪くなったりするかも…だからどーせゾンくんの故郷の味を再現するためにはちゃんと待たないとねー… 残念…」


ナナシノ「なら尚更ですねー……」





【??????】「そこのおまえ!!!」


エラノア「…ゾンくん?呼ばれてるよ。たぶん。」


【??????】「ちがう!!おまえだ!」


エラノア「……え?私?」


【??????】「そーだ!オレと勝負しろ!」


エラノア「…………え?なんで?」


【??????】「さっき、港でにゅうこくけんさした時、おまえゴールド免許だっただろ!強いってことだ!だからオレと勝負しろ! …にゅうこくけんさって言えた…えへ…笑」


エラノア「…………えー…やだ…」


【??????】「なに!!オレと勝負しないのか! むぅ……やだ!! 勝負するの!!!」


エラノア「はぁ…しつこいなぁ… いいよ?じゃあ一回だけね?」


【??????】「やったー!!!わーい!!


…オレはリルミル!!たくましい男だ!!」


ナナシノ「…………男!? え、男!?うそ!!!女の子でしょ?君。」


リルミル「男だもん!!たしかにオレはかわいいけど、男だもん!!」


ナナシノ「それ自分で言う? まあたしかにかわいい… ってなんでじゃあ女の子っぽい格好してるの?ズボンは履いてるけど、それレディースじゃない?それにそのかわいいぬいぐるみなに?スライム?」


リルミル「かわいいからいいじゃん!!なんなんだよ!クソガキ!!」


ナナシノ「なんでクソガキにクソガキって言われなきゃいけないんだよクソガキ。」


リルミル「オレはガキじゃないもん!!オトナだもん!!むぅ……!」


ナナシノ「……だるいなこいつ。 エラノアさん、たぶん弱いですよ。こいつ。とっとと片付けましょう。エラノアさんむっちゃ強いし。」


エラノア「まーそうね…できるだけ痛みを与えないように勝ちましょうかね…」


リルミル「なっ!なめるな!! くそ…!怒ったぞ!!」


(突然ぬいぐるみが、スライムから大きなゴーレムに変わる)


ナナシノ「……へ?」


リルミル「くらえ![マシュマドロップ]!!」


(大きなゴーレムに変身したぬいぐるみが、エラノアを殴って吹っ飛ばす)


リルミル「そしてくらえ![マシュマロースト]!!」


(吹っ飛ばされたエラノアに、ふわふわした炎の塊が飛んでいく)


エラノア「う…うう………」


ナナシノ「……………




エラノアさぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」


リルミル「……なーんだ。こんなもんかー。笑 やーいやーい。笑 ざーこざーこ♡


トゲみたいな剣、使う場面なく終わったねー。笑

まだ僕、本気だしてないのにー。笑  …あ!ちがう!オレ!! オレ!!!!!!」


ナナシノ「………くそ…! ……な…なにかないか…」


リルミル「つぎはクソガキ、おまえだ!!笑 オラァ!!」


ナナシノ「くっ……! えい!!(リルミルに食べ物を押し込む)」


リルミル「んぐ!  …………んん!!!♡♡」


ナナシノ「はぁ…あぶねー…」


リルミル「なにこれ!!♡♡ ふわふわしてておいしい!♡♡ 僕これ好きぃ♡♡ お魚さんなのにおいしい♡♡♡


んん〜♡♡ もっとちょーだい♡♡



………はっ!! ち、違う!!オレ!!!!オレにもっとよこせ!!!」


ナナシノ「ほらよ。これ最後な?」


リルミル「ありがとぉ♡♡ んん〜♡♡♡」


ザレスさん…薫製肴…この子に全部食べられました…すみません…

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