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よし!じゃあクレイグさんからもらった、この宝石研磨セットで汚いダイヤを磨くぞ!!
えっとたしか…ダイヤって特定の方向には簡単に割れちゃう性質があるって聞いたことあるな…ダイヤはモース硬度10で一番硬いけど、その性質を使ってカットするんだよね。
ってことは、それに沿って汚いところを砕いたりすれば…
………とりあえず真っ二つに…
よっと!!(凝っなごなに砕け散る)なっ!!
…これはやばいかも…このままだと破産する…
(遠くから声がする…)
【????】「…くーん…? ゾンくーーん??どこー?」
ん? あ!!!
ナナシノ「エラノアさん!!」
エラノア「あぁあぁぁあ♡♡♡ ゾンくーーーん!♡
会いたかったよぉぉ♡(抱きついて頬をスリスリしてくる)」
ナナシノ「………はぁ… あ、そうそう。どうしてここに?」
エラノア「ずーーーーっと探してたんだよぉ?♡見つかってよかったぁぁ♡♡やっとゾンくんにプレゼントできるよぉぉ♡♡」
ナナシノ「プレゼント?エラノアさん、もうお金無くなったって言ってませんでした?」
エラノア「それがさぁ?♡ この会場の隅っこに、カジノがあってね?♡ まさかの大勝ちしちゃって♡
1000レオが40万レオになったんだよぉ♡♡」
ナナシノ「はぁあ!!!!?????」
エラノア「それでね?なんかぁ、もう遊ばないでくださいって言われてぇ、仕方なく帰ってきたのぉ…」
ナナシノ「…そりゃあそんなに勝たれたらお店の人も困りますよ…」
エラノア「それでぇ、せっかくだからゾンくんになにかプレゼントをあげようかなーと思って、色々買ってきちゃった♡♡
まずはぁ…これ!♡(黒いテディベア?みたいなぬいぐるみ)これでゾンくんも夜中寂しい思いをしなくて済むでしょ?♡この子、たまに起こしに来てくれるみたいだよ?♡かわいいよね♡」
ナナシノ「絶対呪われてるでしょそれ。」
エラノア「でね、次はぁ…これ!♡かわいいネックレス♡なんでかはわからないけど、ペットコーナーにあったんだよね♡名前も書けるようになってて最高にかわいいでしょ?♡♡」
ナナシノ「じゃあそれ首輪でしょ。」
エラノア「それでそれでぇ…次はこれ!♡指輪♡♡
これはちょっと奮発しちゃった♡♡15万レオだよ♡この指輪、少し足は遅くなるけど、身体がすぐに回復したり、怪我してもある程度再生する指輪なんだって♡つけてみて♡」
ナナシノ「お、これはすごく嬉しい。ありがとうございます。笑 えっと…(マゼンタピンクの宝石がついている、婚約指輪のような見た目。たしかカーキピーだったかな?その宝石がついている指輪。)
…あ…走れない… 競歩しかできなくなってる…!」
エラノア「早速効果アリだね♡♡」
ナナシノ「じゃあエラノアさん、悪いんですけどナイフ貸してください。」
エラノア「え?まあいいけど。」
(小指を切り落とす)(………骨から神経、そこに肉がつき、8秒〜10秒で元通りになる)
ナナシノ「おー!すごい!!痛みともそこまで感じないかも!」
エラノア「ちょ!!もう!!ナイフ返して!!(すごい勢いで取られた…
…鬼の形相だ…ブチギレてる…)
二度と貸さない!!
なんでそんなすぐに自分の身体を傷つけられるの?ねぇ?さすがに私も怒るよ?いい加減にして。
私はゾンくんのことを大切に思ってるの。もう二度とこんな真似しないで。じゃなきゃその指輪返して。また自分にひどいことするくらいならもう再生する能力があるプレゼントはしない。
いい?」
どうして確かめることにこんなに怒っているんだろう
でも
たしかに。逆に何で僕はすぐに自分を傷つけられるのだろう。
…エラノアさんには助けられた。これからもお世話になると思う。
いつもいつも僕に対して、事あるごとにすり寄ってきて、面白くもない冗談や発言をするけれど、本当に僕のことを愛してくれてはいるんだ。
…
ナナシノ「ごめんなさい… もう、二度としません。
ごめんなさい。」
エラノア「……わかったならよろしい。笑
あ、あと最後に、これも。笑」
それは懐中時計だった。 銅色でとても美しい。どこか暖かい雰囲気が漂っている。
エラノア「これからゾンくんは商人になるつもりなんでしょ?じゃあ時間はお金以上に大切でしょ?笑
これで時間を測ったり、大切な人と大切な予定をちゃんと守ったりしてほしい。
できれば、その大切な人に私がいてほしいけど、これから先、何があるのかわからない。
でも、少なくとも私が死ぬまではその時計を使い続けて生きてほしい。時を刻みながら、君にとって大切な何かや、大切な思い出も一緒に刻んでほしい。
約束しよ?
絶対絶対絶対、自分と他の人を大切にして、生きてほしい。
その時計にはこれから、時間とか予定だけじゃなくて、色んな人の顔も浮かんでくるようにしてほしい。
いい?笑」
その時、僕は初めて、この人の見た目の裏側、つまり、心の中を鮮明に見ることができた。
この懐中時計に刻まれた最初の思い出は、エラノアさんとの約束だった。
ナナシノ「エラノアさん…ほんと…ほんとにありがとうございます…もう…ほんとに…これからはエラノアさんが傷つくようなことはしません…約束の中に…それも入れます…
僕は僕と大切な人を絶対絶対絶対傷つけません。
そして絶対絶対絶対忘れません。
約束します。」
エラノア「……、笑
ありがとう♡」
このときのエラノアさんの笑顔が、どんな宝石よりも一番綺麗だった。
ナナシノ「……あ、そうだ。
頼みたいことがあるんですけど…」
エラノア「ん?なに?♡」
ナナシノ「これ…(残り4つの汚いダイヤを見せる)
これを綺麗に研磨して欲しくて… 僕じゃ粉々にすることしか…」
エラノア「えー…私やったことないけど…」
ナナシノ「あの、ダイヤって特定の方向に簡単に割れちゃう性質があるんですけど、それをうまくなら使ったら、すごく綺麗な宝石になるんです。」
エラノア「えー!!ダイヤなんかが?そうなの?」
ナナシノ「ホントなんですよ!上手くこのダイヤについてる汚れをカットして、綺麗な形にしたりできますか…?」
エラノア「…まあ、やってはみるけれど…
…もっと鋭いやつなら、こんなに粉々にならないんじゃない?
えっと…じゃあ裁縫用の針で…」
ナナシノ「いやいや…さすがにそれじゃあ…」
(キンッ! キンッ!)
………(すごく綺麗に割れた!!)
エラノア「まあまあ力がいるわね…燃えるわ…!」
ナナシノ「…エラノアさん最強すぎん…?」




