1、2、3
ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!
…と発狂したい。
真夏。酷暑。そう考えるだけで眉間から汗が滲み出る。
朝のニュースではたしか最低気温が38度、最高気温が43度と言っていた。
はぁ…地球温暖化ではなく、地球沸騰化と言われる理由を実感する季節だ…
今年"も"『観測史上最大の猛暑日となります』と毎日言っている。
…あ…なんだかぼーっとする…
疲れが溜まってるんだろうな………
……
そりゃあそうだ。
毎日毎日終電で帰宅。朝は始発。
晩ご飯はめんどくさいから食べていない。朝ご飯も食べる暇が無い。昼食はいつもの牛丼屋さんの人気メニュー。トマトソースとニンニクが効いているあのハンバーグ。栄養過多だ栄養失調だなんだと気にしている暇なんてない。
もちろん睡眠も長くて5時間。平均で3時間半から4時間。ひどいときは一睡もできない。苦肉の策として、スマホにかわいいモンスターたちが睡眠をサポートしてくれるゲームアプリをインストールしたが、通知が取引先だと感じてしまい、余計に寝られない。
最近全然エサを与えていないから、もうガリガリになっているかもしれない…すまない…カビ〇ン…
うっ…なんだ…?晴れてるのに稲光が出てきてたぞ…?
あー…久々だ…痛い…痛みを感じる…
…
……
…僕は魔王かなにかか…? こんなセリフが出てくるなんて…笑
うっ…まただ… 晴れてるのに稲光が出ている…
それと同時に後頭部がガンガンする…痛ってぇ…
…
……あ…でもなんか心地いいかも……笑
なんか…ぽあぽあーというか…ふわんふわんーというか…
あ…すごいぼーっとしてきた… 眠い…
やば…電車乗ったら爆睡するかも…
この感じ久々だぁ……
あ…目閉じる… 閉じる… あー…… 閉じちゃった…
気持ちいい…
…ん……?なんか…いま悲鳴聞こえなかったか…?
目閉じてたから周りの状況わかんないな…
あ…大丈夫ですかって声かけてる人の声聞こえる…
誰か倒れたのかなぁ…大丈夫かなぁ…
とりあえず目開けるか…
…あれ?目が開かない…なんで…?
なんか…
いしき
とん
で…
く…
…………………………
……ん?
あ…目が開けられる
…あれ…?
……は?え? …は?
…
……え?
いやいやいやいやいや………
え?
なにこれ。
…森…だ…
森だよな…
「……森だぁぁぁ!!!」
僕の目の前には、所々に日の光が差す広葉樹の大群が広がっていた…
いやいや…なんで?なんで??
夢?は?どういうこと??
\ぐ〜〜〜〜………/
…お腹…空いたな…
…あれ…なんだこの手…
…腐ってる…? は…?
「…って臭!!」
「おぉぉええ…… 鼻曲がる…」
とっさに鼻先をつまむ。
すると何かやわらかいものが潰れた音がした。
…
「鼻取れたぁぁぁぁぁ!!!!!
うわぁぁぁぁぁ!!!」
急に匂いがしない…やはり鼻が取れたようだ…
(ガサガサ…)
「……ひっ!」
…
一度気になると、なんだか小鳥のさえずりさえも、なにかの悪い予兆なのかもしれないと感じてくる。
遠くでは狼(?)の遠吠えも聞こえてくるようだ。
と…とりあえず川とかで身体洗おう…
……30分ほど歩くと、川の美しいせせらぎが耳に届く。
…
「お!」
(グッチャ…)
「痛!!
もぉ…なんだよ…」
…
ふと足元を見ると
…ひっ!!足もげてる…
………水面を覗き、そこに映る者を確認する…
「…やっぱり…ゾンビだよな…これ…」
…ええ…?なに?死んだの?
…少なくともゾンビだからすでに死んでるか…
「…口も動いてるし…手も…動いてる…
じゃあ…やっぱり僕……」
…
『ゾンビ』になったのか…
はぁ…
\ぐ〜〜〜〜〜〜………ぐ〜…/
…アンデッドなのにお腹空くのかよ…
はぁ…これからどーしよ…
足ももげてこの上なく痛い。鼻も取れたから匂いも感じられない。
…詰んだな…こりゃ…
…
(ガサガサガサガサガサガサ……)
…ひっ!
や…やばい…ど…どうしよ…熊とかだったら…
(ガサガサガサガサガサガサ……)
音がどんどんこちらに近づいてくる。
っ!!
(ガサガサガサガサ……ガサ!!!!)
「ひっ……!」
……ん?
…緑色のヒョロガリの体型、耳が異様にとがっている。
ゴブリンだ。
…ん…?
「…ゴブリンだぁぁぁ!!!!!」
どどどどどうしよ!!こ、殺されるかも!
ゴブリンが恐る恐るこちらに近づいてくる
「いやだぁ!死にたくない!死にたくない!!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!
(……ちゅ…)
……ぁ…あ?」
「………… …は??」
なぜだかゴブリンは僕の頬に唇を落とした。
いやいやいやいや!!なんでだよ!!
僕ゾンビだよ??? なのになんでゴブリン僕にちゅーとかしてるの?は??
さらにはハグまでしようとしてくる…気の所為か、恍惚状態にも感じる…
「やめろ!気持ち悪い!」
………
ゴブリンは僕に微笑んだ。
「なんで!やだ!助けてぇ!!!」
(シュン…ッ!!)
「…ん?」
さっきまでこちらに興味津々だったゴブリンは、喉を鋭いもので突き刺され、その場に倒れた。
…ま…まさかの…
「僕のヒーロー登場…!!!!????」
目の前に現れた人間らしい服装は、まさしく異世界モノの冒険者の格好をしている。
「大丈夫だったかい?ぼく。」
その一言で、なんだか景色がやっと色づいて見えた。
その恩人の顔は中性的で綺麗に整っていた。
「あ…ありがとうございます!!おかげで犯されずに済みました…… 命…いや尊厳の恩人です!!!
…でもどうしてゾンビの僕を助けたんですか?」
「…ゾンビ…っ!? どこだ!? どこにいる!?」
「…いやだから目の前に…」(自分に指をさす)
「…何の冗談だ?ぼく。」
「……え?」
「君はどうみてもかわいいかわいい男の子じゃないか。笑 危なかったね?笑 お姉さんが守ってあげるよ……♡♡♡」
「…………は????」




