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比較的最近更新した短編のまとめ場所

婚約者と価値観があわないので婚約解消したいです

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2024/05/30



 婚約者になった男性が、ちょっとおかしい。


 その婚約者は、私とは少し常識がずれている。


 妻は夫を支える、でしゃばらない。


 そして、いつでも夫をねぎらい、邪魔をしてはいけない。


 反対意見はもってのほか。


 夫をたてて、自らは影にいなければならない。


 そうする事が、婚約者の実家では常識らしい。


 そんな家で育ってきた婚約者は、それはもう見事にその価値観に染まっている。


 婚約した私にも、「妻はでしゃばるな」とか「夫に意見するな」とか言ってくる。


 この人とは、価値観が根本的に会わないと感じた。


 だから、婚約解消しようと思ったのだが。


「夫に恥をかかせるな」


 と止められてしまった。


 じゃあ、どうすればいいのと言えば。


「お前が我慢すればいいだけだろう」と言って話は平行線。


 別に一度決まった婚約を解消する事ぐらいよくある事。


 私の住む地域では、ちょっとどうかと思うけどーー惚れっぽい人達が多くて、特に珍しくもない。


 けれど、婚約者はかたくなに首を縦にふらなかった。


 このままだと、二人とも不幸になる未来が見えているはずなのに。


 価値観を守る事ってそんなにも大事なの?






 だから私は、婚約者の身辺調査を開始。


 これまでにもやってきたけど、婚約解消のためだ。


 ちょっとくらい深く個人情報に踏み入る事になっても仕方ない。


 だってこのままだと、私がぶち切れて婚約者を鈍器で殴打してしまう未来しか見えないし。


 そういうわけで、婚約者の身辺調査を詳しく行った所、でるわでるわ。


 自分達の体面を守るために、もみけしてきた数々のスキャンダルが。


 あらあら、こんなに女性とつきあってたのねふーん。


 ほうほう、そんなに法律をやぶっていたと?


 私はそれを一つ一つ丁寧に集めて、彼に突きつけた。


「私との婚約を解消してくださらないのなら、これをすべて世間にばらします」


 真っ青になった彼はしぶしぶこれを承諾。


 私は晴れて婚約解消で、自由の身になった。


 でもこれじゃ、まだ話は終わらない。





 体面を何よりも大事に思うなら。


 一番確実な方法を選ぶはずでしょうね。


 わざと選んで歩いた夜道。


 そこに、ごろつき共がやってくる。


 こっそり警護していた護衛達が、そのごろつき共を捕まえて、情報を吐かせればーー。


 やっぱり元婚約者様の仕業だった。


 そうよね、物理的に亡き者にしてしまえば、確実だもの。


 元婚約者はそれで、牢屋につながれて、結局自分達が犯した罪をせけんにばらしてしまった。






 本当に価値観の合わない人達だ。


 牢屋で対面した元婚約者が叫ぶ。


「ぼろくなった家柄を拾いあげてやろうと思って、婚約をしてやったのに。無駄に歴史だけある家柄の女のくせに。なんて事をしてくれたんだ」


 彼の言う通り、私の家の名はほとんど力の残っていない。


 没落寸前の貴族の家。


 でも、歴史だけはあるから、成り上がりで新しい貴族になった彼の家には好条件に映ったらしい。


 けれど、彼は思い違いをしている。


「私は別に家のためにあなたと婚約したわけじゃないわ」

「なんだって」


 特に結婚相手にこだわりがあるわけではなかった。


 だから、一緒になる相手は別に平民でもよかった。


 でも、両親や家への情があったから、どうせなら貴族の家に嫁ごうとは考えていたのよ。


「ほんのすこし、たった一パーセント。あなたへの好意があったから」


 子供の頃、社交界で転んでけがをしていた時、彼に助けられたから。


 それだけだったけれど、誰でもいいのなら、それでも十分。


 けれど元婚約者は、きっとそれから変わってしまったのだろう。


 結局こんな事になってしまった。


 牢屋の向こうで目を見開いた彼は、「理解できない!」「家を蔑ろにして、立場も考えずにそんな安っぽい理由で婚約者を選んでいたなんて!」と叫んで私を罵り始めた。






 私はさようなら、と告げて彼に背中を向けた。


 今までの事はすっぱり忘れて。


 次に婚約する相手は、もっと価値観の合う相手にしようと考えながら。




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