14:結成! 【キラキラ★ベリベリキューティーガールズ】!
リーダー決め。
リーダーとは戦隊にとっての要であり、指令を出しつつ最前線に立つ……一番大変なお役目ですわ。
これをこなすには判断力と信頼が必要。そう聞いておりましたので、てっきり小桜さんが望ましいと思っておりましたが……。
「梓ちゃんじゃない?」
「当然あんたでしょ」
「レッドはリーダーの印! アズサ、頑張ってください!」
なんと、三人揃ってわたくしを指差して来ましたの。
まるでそれが当然のことのように。
「……っ、少しお待ちくださいまし! リーダーに必要なのは信頼と判断力のはずでしょう? わたくし判断力に自信がないわけではありませんが信頼があるとは微塵も思っておりませんわ! わたくしは嫌らしいお嬢様で皆さんからの嫌われ者なはずでしてよ?」
「えっ、そうなの? 梓ちゃんは頼り甲斐があるし私は適任だと思うな」
「あんたが一番最初に力を得たんだから、あんたがなりなさいよ! べ、別に、怖いからあたしがリーダーになりたくないとかいうわけじゃないんだから!」
「アズサってきびきびしてますしかっこいいですからピッタリですよ〜」
有無を言わせぬ三人の少女からの圧力。
わたくしはそれに容易く屈してしまいましたわ。だって、他のメンバー全員に望まれてしまっては、引き受けるほかないではありませんの。
はぁ…………。面倒な仕事を押し付けられた気分ですわ。
「わかりましたわ。仕方がありませんわね、わたくしがリーダーになって差し上げますわよ。ただし、わたくしは厳しいですわ。それでもよろしいのかしら?」
リーダーをやるよりはよほどいいと思ったのか、異論はないようでしたわ。
まったく、調子のいい方々ですわねぇ。
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と、まあそういうわけで。
準備は全て整いましたわ。後必要なのは、
「かっこいい名乗りのセリフがあったらいいよね」
「えっ。まあ、そうだけど……」
「ほほーう。名乗りですか。いいですね!」
かっこよくビシィッと名前を叫ぶ、という行為が戦隊ものの定番のようですわ。詳しくは存じませんが……。
ということで、わたくしたちも名乗りを考えることにいたしました。
そしてその結果がこれですわ。
「「「「世界を救うのは我らなり! 我ら、【キラキラ★ベリベリキューティーガールズ】!」」」」
――正直言って厨二臭がぷんぷんしますわね。キラキラでキューティー。うーん。
志水さんなど顔が真っ赤ですしわたくしも身を捩りたくなるくらい羞恥心でいっぱいなのですけれど、小桜さんとアマンダさんはお気楽で、きゃはきゃはと笑っておられますわね。
「やったね!」
「かっこいいです〜。震えます〜」
呑気すぎますわ……。
ですが、楽しんでいるのなら良しといたしましょうか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こうして、ここに【キラキラ★ベリベリキューティーガールズ】は結成されましたの。
これから一体どんな戦いの日々が待っているのか、待っていないのか。それはまだ誰にも分からないことですわ。
これにて第一章終了。
次からは第二章に突入します!