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13:ヒーロースーツと戦闘時の呼び名について

「お待たせです〜」


 私の屋敷へ集まった皆さんに、アマンダさんは朗らかな笑顔で言いました。

 そしてその手には先日わたくしがお渡ししたあのドレス四つが抱えられています。ただし、元々とは全然違う形になっていましたが。


「うわー、可愛いっ」

「ど、どうしたのよ、そのドレス!」


 小桜さんと志水さんが興味津々で身を乗り出していらっしゃいます。一方のわたくしと言えば呆気に取られて固まってしまっておりましたわ。


「アズサから服借りて改造してたんです。これはワタシたち、【キラキラ★ベリベリキューティーガールズ】のヒーロースーツです!」


「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ。それ、めっちゃお高いドレスじゃない!!! そんなので戦えるわけないでしょうが!」


 志水さんのおっしゃる通り。

 改造されたドレスは、以前に見た時よりたくさんの飾りがつけられておりゴテゴテしていました。スカートの丈が長く、これでは戦いづらそうですわ。


 でも小桜さんの意見は違ったようでした。


「これ、めっちゃ可愛いね! 何これ! 赤とピンクと黄色と青! 誰がどれを着るのか教えて!」


「小桜さん、これを本気でヒーロースーツとやらに認めるおつもりですか?」


「もちろん! だってお姫様みたいなドレス、一度は着てみたかったんだもーん」


 そんなものなのですね。庶民とてドレスへの憧れは大きいようですわ。庶民だからこそでしょうか?

 わたくしはまあ仕方ないかと思い、それ以上口出しは致しませんでした。志水さんもドレスへの誘惑に負けて諦めたようですわね。


「ささ、みんな着てみてください!」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ドレスは普通のものと違い、一分ほどで着付けが終わる簡単な仕様になっておりました。

 わたくしが赤、小桜さんがピンク、志水さんが黄色、アマンダさんが青。

 アマンダさんは金髪と青いドレスがよく似合い、もう最高に美しくて目を奪われてしまいましたわ。


「綺麗ですわねぇ……」


「アズサもとってもキュートですよ〜。お嬢様にはやっぱりドレスが似合いますね!」


「当然ですわ。わたくし、ドレスの作法も弁えておりましてよ?」


 しばらく、四人で女子トークと洒落込みましたの。

 意外と皆さんファッションには詳しく、楽しいお話ができましたわ。随分盛り上がり過ぎてしまったかしら。

 ともかく、


「……では皆さん。戦隊なるもの、ルールが必要ですわ。わたくしが今から絶対のルールを申しますから、どうぞ覚えてくださいまし」


 この数日間で戦隊のルールを調べておきましたの。それを参考に、わたくしどもの間の規則を決めるといたします。


「まず第一に、正体は決して明かしてはならないこと。第二に、常に連絡ツールを持ち、万が一命の危険が及べば仲間に知らせること。第三に、仲間と協力すること。第四には……ええと、そうですわね。学業とできるだけ両立させること。わたくしたちこれでも中学生なのですからここだけは押さえておかなければなりませんわ。――そして最後に、戦闘中は仲間のことをあだ名で呼ぶこと」


 それまでわたくしの話を頷きながら聞いていたお三方は、最後の項目で首を傾げられました。

 仕方がありませんわね。わたくしが説明いたしましょう。


「これは第一の『正体を明かしてはいけない』というルールに繋がるものですわ。苗字や下の名前で呼び合っていたら、自然と正体がバレてしまいますでしょう? ですから、戦闘中は決して本名を言わないこと。ちょうどいいので、このドレスの色にしましょう。わたくしがレッド、小桜さんがピンク、志水さんがイエロー、アマンダさんがブルー……この辺りでどうでしょうか?」


「そういうこと! それ私も賛成! ピンクって可愛いし」

「べ、別に異論はないわ」

「ブルーですか〜。ワタシはゴールドって感じだと思ってましたけど、ブルーでも悪くはありませんね〜」


 ご納得いただけたようで何よりですわ。

 わたくしはレッド。炎という特殊能力のことも考えるとちょうどいい感じですわね。


 さて、残すところの課題はもう一つ。

 それは――。


「戦隊にはリーダーがいるのがお約束でしょう? わたくしたち、【キラキラ★ベリベリキューティーガールズ】にも必須だと思うのですけれど、どなたがリーダーをやりますかしら?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 勿論主人公がリーダーやろ( ´∀` ) そもそもの始まりなんだから( ´∀` )
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