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第41話 手下が増えた魔王軍団、出撃

 

「モノども! 準備はイイか!」


「「おおおお~~~っ!!」」


「おー」

「おー」


 俺の号令に気合の入った鬨の声を返す手下共に対して、微妙に棒読みなレナノナ。


「どうしたレナ、ノナ!!

 魔王軍団は気合だぜぇ!!」


「いや、なんとゆーか。

 突っ込むのに疲れてきたの」


(こくこく)


「?? なんだかよく分かんねぇが、疲れているならここに疲労がポンと飛ぶ魔界のスペシャルドリンクが……」


「見た目と色がヤバすぎる!?」


 失敬なヤツだな、せいぜい数日間体臭がカメムシになるくらいだ。


「地味だけど嫌なヤツ!?」


 じゅるじゅると体に良い煙を出す、魔界製薬印のスペシャル栄養ドリンクを出してやったというのに、なぜか不満そうなレナノナ。

 激マズだが、効くぜ?


「駄目ですぞ、レナ殿、ノナ殿。

 我々は”悪の魔王軍”なのですから、ロールプレイは大事大事」


「は、はぁ」


 あらたに手下になった冒険者どもはノリノリだ。

 そろいの漆黒トゲ付き冒険着 (俺のコレクション)を身に着けたコイツらはどこからどう見ても魔王軍の戦闘員にしか見えない。


「それに、おふたりは”幹部”という設定なのですから、もっとビシッと我らを指導して頂きませんと!」

「……主にその鞭で!」


「ギルド長! どさくさに紛れて性癖を披露しないでくださいっ!」


 ドガッ!


 ギルド長と呼ばれたおっさんが事務員の女に成敗される。


「うぅっ……ガイ、流石にこの格好はやめない?」


「ぬほぉ!? この衣装は姉妹格差がっ!?」


 そう、幹部であるレナとノナは特別な衣装を身に着けていた。


 トップスはドラゴン種の皮を何重にもなめして作った光沢のあるボンテージスーツ。

 胸元は大胆に開いており、二人に強力な守備効果を付与する魔界の宝玉がはめ込まれたネックレスが彩りを添える。

 ボトムスは動きやすいようにぴったりと腰にフィットするショートパンツ。

 足元は少しヒールのあるブーツ。

 レナは白、ノナは黒をベースカラーとしており、同じ色の眼帯までさせている。


 素晴らしい!

 どこからどう見ても悪の大幹部である!!

 昔、ミルラをだまくらかして着せた衣装を取っておいてよかったぜ!


「ま、お前らが着ると少々かわいさが勝るけどな!」


「「か、かわっ!?」」


 俺が褒めてやると、顔を真っ赤にするレナノナ。

 くくっ、事あるごとの祝福虐待はまだ続いているのだ。

 恥ずかしさにぷるぷる震えてやがる。


「うはぁ! レナちゃんノナちゃんかわいい!

 むしろ踏んでほしいかも!」


「部隊長! ヨダレを拭いてください!

 女傑と呼ばれた威厳が台無しですっ!!」


 ドガッ!


 ふたりの格好を見て興奮し始めた女冒険者を、事務員の女がぶっ飛ばしている。

 ……もうアイツが戦えばいいんじゃないかな。


「まあいい!

 そろそろ出陣するぞ!」


「「おー!!」」


 俺たちはぞろぞろとギルド地下から地上に通じる隠し通路を通り、王都の通りへ繰り出す。


「ふむ」


 確かに街中にはお尋ね者っぽい風貌のヤツが多く、俺たちはあまり注目されていないようだ。


「ううっ、こんなんで作戦通り行くの?」


「まあ、ダメもとだよ!」


 レナノナはまだ恥ずかしいようだ。

 俺の背中に隠れてもじもじとしている。


「とりあえず、レグニス家とやらの屋敷の方へ……」



 ドドドドドドッ……キイイイッ!!



 俺がそう声を上げようとした時、通りの向こうから金と白の塊が突進してきた。


「そこの貴方がた!! なかなか強そうで悪そうですね!

 ボクたちと一緒に、魔王へ正義の鉄槌を下しに行きましょう!!」


「「えぇ……」」


 これにはさすがの俺も苦笑い。

 目的のフェリシアは、通りに出て僅か10秒で釣れたのだった。


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