『入管難民法』
日本は内戦が悪化していた。
2034年 統合した新生K国が誕生
同年 C国とK国が日本に同盟を強要
同年 日本の同盟国であるA国が反発
2035年 日本で軍事クーデター勃発
同年 日本を二分する内戦に発展
2036年3月
「ママ、日本から逃げるの?」
「そうよ。でも、もう大丈夫。飛行機にも乗れたし、パパも、先に着いているはずだから」
「パパに会えるの?」
「そうよ。」
「やった~」
「よかったわね。疲れたでしょ。少し、寝ましょうね。」
「え~、寝たくないよ。」
「寝て、起きたら、パパに会えるから」
「うん!わかった。」
ザワザワ、ザワザワ。
「・・・・・・・あの・・・・・CAさん、CAさん」
「はい、どうなさいましたか?」
「まだ、降りられないのですか? かれこれ着陸してから1時間以上たちますが・・・」
「大変、申し訳ありません。只今、確認しております。」
「そうですか。」
「・・・・・zzzzzz」
「よっぽど、安心したのね。よく寝てる。」
その頃、コックピットでは、機長と管制塔で
討論が繰り広げられていた。(『』は 外国語 )
『なんとか、乗客を受け入れてください。』
『機長、落ち着いてください。何度も言いますが、我が国は、あなた方 日本難民者を迎え入れる事はできません。』
『どうしてですか? 前便は受け入れていただけたじゃないですか?』
『・・・・実は、国内で日本難民者の入国に反対するデモが各地で起こって大変危険です。』
『そんなこと、信じられない。』
『私達は、あなた方の為を思い、ここから退去してもらおうと思っています。燃料と食料は補充します。』
『!・・・・どういう事ですか?私たちは、命からがら必死な思いで逃げてきました。乗客の皆様を安心させてあげたいのです。どうか、受け入れて下さい。』
『あなた達は、命からがら、逃げて来たと言いましたが、証明できますか?』
『えっ?』
『あなた達が、直接、命を狙われたのですか? 銃口を向けられたのですか? 街が空爆されたのですか? 住むところを奪われたのですか? それを国が証明してくれるのですか? 私達の祖父母、親たちは、以前 日本に逃げて そう言われたそうです。私たちは、6年前、隣国との戦闘が休戦になりました。それから、必死に復興してきました。街を家を友を家族を失う気持ちは誰よりも分かっています。私たちは、難民が私たちの元にきたら助けてあげようよ決めてました。私たちが、助けてもらったように・・・・しかし、日本に逃げた仲間達は、日本の法律により受け入れてもらえませんでした。しまいには、外国人収容施設と言う所に押し込められ、まともな食事も貰えず、病気になっても治療してもらえず、人間扱いされないで死んでいったようです。そして、今、そんな扱いを受けた人達が中心となりデモが広がってます。 ”難民として私たちの国に入国するなら、同じような施設に入れて、同じ扱いをしてやる!” と、』
『そ、そんな』
『そして、実際に外では、そうなりつつあります。外に出たら、ひどい目に合います。なので、ここにいる、空港職員と入管管理者は、話会い、日本人を入国させない事にしました。それでもなお、機長 あなたは、乗客を降ろしたいのですか?』
『聞いても、いいですか?前の便で到着した方たちは?』
『・・・・残念ながら。』
『わかりました。』
『申し訳ない。私たちにできるのことは、あなたたちを受け入れないことしかできない。ここにも、捕まえようとする人たちが集まりつつあります。燃料と食料はできるだけ、積めるように手配しておきます。ご武運を祈ります。』
『ありがとうございます。』
「・・・副機長、1分だけ待っててもらえますか? そうしたら、皆さんにアナウンスをします。」
「・・・了解しました。機長」
「おはよう!ママ。はやくパパに会いたいね。」
読んでいただきありがとうございます。
『入管難民法改正案』廃案になりましたね。
ですが、振り出しに戻っただけで何も変わってません。人間性のある法律になって欲しいです。(._.)ペコッ