それぞれの夜
「うう、眠い。なのに寝れない・・・」
「奈緒さん、羊数えましょう。子羊が一匹・・・救わなきゃ・・・」
「それこそ寝れなくなるよね!?」
村で行われた宴会。ささやかだったが、村人の気持ちがよく伝わった。
終わってから、また風呂に入り、寝ることにした。ちなみに、マリアは普通のパジャマ、奈緒は浴衣みたいな寝間着だ。
しかし、願望がかなって興奮しているのか、二人はなかなか寝付けなかった。
「そういえば、あんたはなんでこの世界に来たのか、わかる?」
「いえ。私はただ酷い懺悔をした人を殺して回りたいと思って、部屋のドアをあけたら」
「あたしも似てるわ。殺したい殺したいってふすまあけたら」
「へえ、不思議ですね」
「ねー」
二人は気づいていないが、二人とも同じ事考えていた。
「ああ、眠い・・・実家にいた頃は眠くなんてならなかったのに」
「私もですよ。眠いのに目が冴えて・・・」
マリアはひたすら目を瞑る作戦に出た。
(こうしていればいつ・・か・・・眠れ・・・)
「すー、すー」
約30秒で眠りについた。
(うそ!あの子もう寝たの!?)
奈緒は驚愕していた。あれほど目が冴えていたマリアが、すぐに寝た。驚愕するしかない。
(うーん、羊数える・・・ダメだ頭の中で殺しちゃう)
なかなかの危険思想だ。
(睡眠薬?売ってない・・・目を瞑る?・・・簡単には寝れない・・・)
そんな時、ふととある友達の言葉を思い出す。
(えーと、自慰行為?だっけ・・・あたしそういうの疎いけど・・・)
とりあえず、以前友達に教えられた通り、胸を揉む。
「!?、んっ、あ・・・」
今まで感じたことの無い感覚。
(えっ・・・何いまの・・・体中に電気が走るような)
しかし、手が止まらず、ひたすら揉み続ける。
奈緒は、声を殺して感じていた。マリアにバレてはいけない。そんな背徳感が、さらに快感を強くさせた。
(ああ、だめだ、手が止まんない・・・なんか、体の奥がうずく・・・なんか来る!)
その日、初めて奈緒は自慰行為を行い、はまってしまった。