シスターの修練
「うっ、草原が燃えてる!?」
「本当です!服に聖気を纏わせれば燃えませんよ!」
「そうね・・・、多分あいつが元凶ね」
向こうに見える人影。それが元凶だと奈緒は考えた。
「あんた誰?」
「奈緒さん、単刀直入すぎです!」
「おっと、これはこれはお嬢さん達。あなた達が僕の部下を屠ってくれた聖職者の方ですね・・・
僕はこの地域の担当魔族、キュウビです。」
「へえ、キュウビね。ちょうどいいわ。あたし、ちゃんとした人を殺したかったのよ!」
「奈緒さん落ち着いて!あの方見た目人ですけど絶対狐ですよ!」
「もう、なら最初から言ってよね!」
「いやキュウビって時点で分かりますよね!?」
敵からも驚かれている。
「もういい、殺してやる!」
凄まじい速さで玉串に聖気を流し、剣へと姿を変えさせる。
「おっといけない」
キュウビも己の生み出した紅の炎を剣へと変え、迎撃。高く澄んだ音が響く。
「こちらもお気をつけください!」
マリアも籠手を装備し、殴りかかる。
しかし、途中で炎に阻まれる。
「もう、なんなのこの炎!」
「僕の魔力を炎へと昇華させているんですよ」
「ふーん、つまりは聖気でもできるのよね!」
「ええ、可能じゃないのでしょうか!」
「できるのならやってみなさい!できないのでしょうけど!」
その会話の間にも剣を交え、拳は防がれる。
「奈緒さん、1分待ってください!」
「ええ!さあ死ね!」
「殺さないでくださいよ奈緒さん!」
「だったらこれはどう!」
右に玉串の剣、左にナイフに聖気を纏わせた物。二刀流だ。
「死ね、死ね、死ねええ!」
「このぐらい、どうって事無いですよ!」
どうやってもさばかれる。
「マリア、いける!?」
「はい!」
マリアはキュウビへ突っ込んだ。籠手に蒼い光を纏っている。
「こんな物、焰の瘴壁で・・・な!?」
瘴壁をマリアの拳が貫通する。
「うふふ、水の聖気を纏わせました!」
そしてそのまま殴られるキュウビ。
「ぐふうっ!」
「これで終わりよ!」
奈緒がキュウビをズタズタに切り刻む。
主が消えたからか、炎は消えた。