第5話 居留守
「で、私の中にサキュバスさんがいると・・・?」
「そうなる。」
なるほど、コンコンと頭を叩いて呼んでみる。
「おお〜い、サキュバス・・・さっちゃ〜ん?」
返事はない。あーこれきっと居留守だわ。
「居留守っぽいよ?」
「そんなわけない、現に俺の中はうるさいぞ。」
はは〜ん、厨二ってやつっすか?
くっ 俺の中のやつが目覚める!!的な!!
「バカにしてるだろ?」
「し、してないよ〜。」
営業スマイルマックスでお答えします!!
今の目の前の兄さんが私の生命線だ。いくらでも尾を振りますよ!
「俺の中のやつがな、お前を殺せって言っている。」
「え“、う、うう〜ん。痛くしないように加減してね・・・?」
「バカかお前 殺すに加減もなにもないだろ?」
「でも私あんま生命に執着ないんだよね〜。
死んだら無に帰す。巡る命、大自然の神秘。」
「お前と話してると頭おかしくなりそうだわ。」
「ご、ごめんよ。でもほんといいから、好きにして。」
途端に目の前の男がゆらっとなる。
目の色が変わったような???
「・・・ま、待て待て待て。まってくれ」
「どうしたん?」
「さっき条件があって異世界憑依したって言っただろ?」
「うん、どんな条件?」
教えてくれたこととしてはざっとこう。
目標が一致していて人格的ななにかが
思い切り正反対であること、だって。
神さま?はどうやら苦労するうちらがご所望のようです。