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第3話:わるいサキュバスじゃないよ!
とりあえず悪意はないことを理解してもらわねば!
でもどうやって?!
予想外の動きだ!!
ちょっと古いお笑いの動きとか
とにかくアピールに励む。
私全然悪くないよ!!!
私の情けない動きに段々と相手も
緊張を解いてきたようだ。
さすがに殺されそうな時に
ありとあらゆるネタを披露したら
私だって殺すの戸惑うよ!
わかる、わかるよその気持ち!!
「ね?悪いスラ・・・サキュバスじゃないんだよ?
そもそもたった今目覚めたの!!
いつか最強とか無双とか言っちゃう
鉄板ネタ披露するかも知んないけど
まだ生まれたばかり!赤ちゃんよ!!
せめてこの世界に魔法があるか教えて!
なんで私がここにいるのか教えて!
私にできることは体の提供しかない!
断ったら寝覚め悪いよ!
まだ何もしてないよ 罪ナッシングよ
頼む助けてプリーズ!!!」
相手の脱力感を誘う説得が功を奏したようで
あっさり手に持っていた剣から手を放した。
「本当にお前はこの世界にきたばかりか・・・?」
「はい、新人です。素人です。
優しさとチュートリアルが必要です!!」
はぁ、と目の前の男はため息をつく。
どうやら私は助かったらしい。