第2話:同郷?
上にいた獣たちの声は怒りをあらわしつつも遠ざかる。
諦めてくれたんだ。そして私は異世界ハードモードの
初回イベントをクリアしたのだ。
ずぶ濡れのままとりあえず一番立派なテントへ向かう。
そっと隙間から覗き込むと
「だれだ!!」
すぐさま気づかれた。とりあえず言葉が通じるのが嬉しい。
テントの中に素早く入り宣言する。
「す・・・すいません。モンスターから逃げてきました!
休ませてください!」
自分の外見はまだ見ていない。
だから人間かなんだかわかんない。
そもそも暗くてクタクタ。
相手は値踏みするようにこちらを見てきた。
おーう 王子っぽい。殺されるとしても
豚よりは諦めつくかな。
「お前・・・、日本てわかるか?」
「え、日本てわかるんですか?」
「こっちにそんな間抜けな登場の仕方する奴は
そうそういない。だからここが日本じゃないことは
わかるよな?モンスターから逃げてきたっていうなら。」
「はぁ、まあ・・・。」
「なら、俺がこれからすることもわかるよな?モンスター」
長髪王子風美青年は鞘から剣を取り出し
こちらを睨みつける。
「狙いは俺の命だな? サキュバスめ!!」
サキュバス転生なう あはは 笑えなーい