第7話 〜魔法〜
更新遅くなってしまった……
「じゃあ、訓練を走ってようか。まず、俺はキリシュだ。よろしく。お前達3人の名前も教えてくれないか?」
「俺が勇者の堀井才人っす!」
勇者が俺だと勘違いされて落ち込んでいた堀井だったが、ショックから脱却したようだ。
ちゃんと「勇者の」と付けているところが堀井らしい。
「そして、俺が堂川龍二です。それで、こっちが加藤咲です」
「よろしくお願いします」
「うんうん、よろしくね。咲ちゃんと龍二くん」
「ちょっと待って下さい俺は?」
堀井が慌てて入って来る。
「ああ、よろしく」
キリシュさんの態度が完全に俺たちと違う。
キリシュさんの後ろではマーベルさんがクスクスと笑っている。
「えっ!?酷くないですか?」
「よし!それじゃあ始めるか」
「スルーとかやめて下さいよぉー!」
そんな茶番もありつつ訓練が始まった。
どうやら魔法の使い方は俺がステイタス隠蔽を使った時やみんなでステイタスオープンを使った時と同じみたいだ。
「スキルに何とか魔法ってあるんですけどステイタスオープンってどう言う扱いになるんですか?スキルに書いてある何とか魔法とかの分類に入るんですか?」
俺がキリシュさんに聞くと満面の笑みで返してくれた。
「ステイタスオープンは魔法だよ。まず、俺たちにはステイタスオープンは使えないんだよ。召喚された者の特殊な魔法なんだ。だから俺達には使えない」
どうも、ステイタスオープンは召喚された者が自分の戦闘力を可視化する為に与えられた特別な物みたいだ。一種のゲーム感覚にする為だろう。
そして、スキルに書かれている魔法は種類が決まっているだけで例えば、炎魔法なら火に関する魔法ならどんな魔法でも作れると言う意味らしい。
でも、努力無しで出来るようになるわけではないみたいだが。
なんでもサボる事は出来ない。自分のこと努力が大切なのだ。
「そうなんですか。じゃあこの世界ではステイタスと言う概念がないのですね」
「そうだ。元はと言うとこのステイタスオープンも初代勇者が開発した魔法か何だかって聞いた事が無いような……。有るような……」
まったく、この副団長様は基本頼れるのだがたまに抜けている。
それは幾らで日本で友達がほとんどいなかった俺でも言わないが。
「ありがとうございました」
「私も参考になったようで良かったよ」
まぁ、いい情報を聞けたので良かった。
「じゃあ、魔法の特訓続けていくよ。魔法はマナを操って事象を改変する行為なんだ。だから、その空間に材料が無い物を作り出すことが出来ない。それだけ覚えておいてくれ。魔法はコツを掴めばすぐに使えるようになるだろう。マナに言うことを聞いてもらう事が大変だからな」
マナってアニメとかで言ってるあれか?
「マナってどうゆう物なのですか?」
「どうゆうって、光の玉みたいなやつだよ。今は見えなくても訓練すれば良い見えるようになるなる。この世界では物心着く前のやつから見えて思うぞ」
副団長様は簡単そうに言っているが難しい。
ここの住人たちは物心着く前から魔法やマナに触れ合ってきたのに対し、俺たちはマナを掴む感覚からが始めてなのだ。
「マナは目で見るんじゃない!感じるんだ!」
副団長様はいとも簡単にマナを見れるように言っているがマナなんか全く見えない。
周りの2人も同じ様だ。
これは勉強と一緒で分かって仕舞えば簡単なんだろう。
「マナは目を瞑ってでも見えるぞ。お前達の魔法属性によって見えるマナの色が違うはずだ。火は赤、水は青、風が緑、光が黄色、闇が紫のはずだ」
俺は副団長ことキリシュが目を瞑ってでも見えると言うので、冗談のつもりで目を瞑る。
「……お前達、出来たかぁ……」
キリシュの声が遠くなっていく……。
「……」
とうとう何も聞こえ無くなった……。
次の瞬間、目の前に無数の光の玉が現れた。
赤…緑…青…。
はっ!?
「お前達早く出来てくれ。俺が今日飲めないじゃないか!」
「キリシュさん俺…出来たかも知れません……」
「そうか!どんな感じだった?」
「目を瞑っていたらいくつか光の玉が現れてずっと真っ暗だった目の前が明るくなって自分の周りで起きていることが、全部分かるみたいな感じでした」
俺の隣では2人ともこいつ何言ってんだ?みたいな顔をしている。
「そうだよ!龍二くん!やっぱり君が一番最初にできるようになるんだね!そのままその光の玉を使って……いや、頼んでみるんだ。光の色によって属性があるのは聞いたよね?」
「あ…はい」
「色によって属性に関する事しか出来ないから注意してね!」
キリシュさんの無駄な笑顔がなんかムカつく!
クラスで一番モテていた奴に笑顔が似ているのだ。
年齢=彼女いない歴の奴には辛い。
「分かりました!やってみます!」
俺はさっきと同じように目を瞑って意識を集中させる。
すると俺の周りにさっきよりも鮮明に光の玉が見える。
俺は青色の玉に向かって俺の前に水の塊を足してくれと頼んでみる。
俺の前に水の塊を『ウォーターボール』
「そうだ!その調子だ」
キリシュさんの声が聞こえて俺は目を開ける。
俺の目の前には水の塊が出来ていた。
「おぉ〜!」
堀井と咲が隣で騒いでいる。
「お前どうやってもやったんだよ!」
堀井が俺の服にしがみ付いて訴えてくる。
「りゅーくんすごーい!」
咲が手を叩いて喜んでいる。
「ほんとに君は才能があるんだね。私が勇者と間違えても仕方がなかった訳だ」
キリシュさんがニヤニヤしながらそう言ってくる。
「それとこれとは、話が別です。勇者様に失礼じゃないですか!」
マーベルさんは堀井に気を使い過ぎじゃないか?堀井なんて敬う必要も無いのだ。
「よし!俺達も頑張るか!」
「そうだね!りゅーくんに負けてられないもん!」
堀井たちにも気合が入ったようで良かった。
俺も今のままでは使いものにならないから磨きをかけるか!