第6話 〜不安〜
更新遅れてしまった……
「やばぇー、全然ねれなかった」
そんな独り言を言っている横で堀井と咲は良く寝ている。
俺は少し魔法とか、非現実なものに憧れていたのか、ワクワクしてしっかり寝る事が出来なかった。
「風にでも当たるか……」
そして部屋に付いているベランダに向かう。
ベランダは広くて机と椅子が置いてある。
「気持ちいなぁー」
朝嵐が俺に吹き付ける。
なんだか風の意思が伝わってくるような気がする。
「りゅーくん!」
後ろから元気な咲に呼ばれた。
ドサッ!
咲が勢いよく抱きついて来た。
「どうしたんだ?咲」
「あのさぁ……。私達帰れるよね?」
咲が聞いたことのない様な弱々しい声で俺にそう言ってくる。
「……大丈夫だよ!絶対に帰れる!」
「そうだよね……。帰れるよね!エイッ!」
咲が勢いよく離れる。
部屋からは寝息が聞こえてくるので堀井はまだ寝ているだろう。
もう少し寝るか……。
♢♦︎♢♦︎
「おい!起きろよ!」
「何だよ。朝から聞きたくもない声聞かせんなよ」
「失礼じゃないか!?」
俺は堀井に起こされた。
やはり堀井は面白い。
「りゅーくん、もう約束の時間だよ!」
「もうそんな時間か……」
日はしっかり登っていた。
朝嵐あった、咲がとの出来事はどれくらい前の事だろうか?
「急いで準備してよ!」
なんだか咲がお母さんみたいになっている。
「はーい」
「そうだぞ!堂川、早く用意しろ!」
「お前は黙っとけ!」
そう言って俺は昨日、騎士から用意された服に着替える。
職業に合わせて装備を変えるらしいが、俺たちは特殊でスキルと職業が完全に合ってないらしい。
どうも、日本に居た経験がスキルに影響している事によるズレと王様に言われた。
それによって、俺たちの装備はどんなスキルにも対応出来る軽装になっている。
「よし!準備出来たな?いざ、訓練へ!」
朝から堀井が仕切っているのがやはりウザい。
訓練中に痛い目にあって仕舞え!
♦︎♢♦︎♢
俺たちはメイドに連れられて中庭までやってきた。
そこには、顔の整った、イケメンと言われる様な人が俺たちを待っていた。
「やあ、今日はよろしくな」
「こちらこそお願いするッス!」
堀井が元気よく挨拶をする。
俺たちは後ろで会釈するのみだ。
「ところで、君が勇者かな?」
笑顔で俺の肩に手を置いて騎士が言う。
「いえ、違いますけど……」
「えっ!?違うの?」
「はい……。勇者はさっき元気に挨拶したあいつですけど」
イケメン騎士は動揺している。
堀井が勇者だと言う事が信じられない様だ。
「うふん!まぁ、勇者が誰かなんてどうでもいい!」
イケメン騎士は開き直ってそう言ってくる。
「絶対、君が勇者だと思ったんだけどなぁ……」
そうでもなかったらしい。まだ、俺が勇者じゃない事をぶつぶつ言っている。
「あの、訓練ってどんな事をするんですか?」
咲がイケメン騎士に聞く。
「ああ、そうだったそうだった」
大事な事忘れてたよ、このイケメン騎士!
「まだやってなかったのですか?副団長!」
走ってもう1人の騎士がやって来る。
年齢は俺たちより2つ上と言ったところか……。
「早く始めますよ!副団長」
「分かってるよ。マーベルくん」
マーベルくんが来たことにより訓練を始められそうだ。
そして、改めて副団長を見た時はに副団長の顔が真剣なものに変わっていた……。