第20話 〜迷宮へ〜
短いです。
次、頑張ります
朝起きると俺の横には咲とエラがいた。
頭をボーっとさせながら俺は昨日の出来事を思い出す。
自分の言った一言一言、それに今の状況、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「おはよ、りゅーくん……」
「お、おはよう」
咲が目をこすりながら体を起こした。
エラは相変わらずスヤスヤと寝息を立てて寝ている。
いつもは剣の中でどんな感じで寝てるんだ?
少し気になるところだが、余計な心配するとエラが調子に乗るので聞くのはやめておこう。
「りゅーくん……」
「どうしたんだ?」
「ありがと」
「……お、おう」
咲の態度がおかしい絶対におかしい。
俺は何か悪いことをしたのだろうか?
俺は今までの出来事を振り返る。
……わ、悪い事しかしていない気がする……。
でもでも、昨日一緒に寝ようって言ったのは咲だし!
俺は悪くないもん!
たぶん……。
「あ、あの、咲さん?急にどうしたのでしょうか?」
心当たりのないときは聞くのが一番だ。
しかし、咲は頬を膨らませて、
「もう!なんとなく感謝の気持ちを伝えたかっただけじゃない」
「あ、そうですか。ありがとうございます……」
それからどう話を続けたら良いのかわからなくなり、無言の静かな時間が続く。
そんな時間がどれほど経っただろうか。
エラが大きな伸びとともに目を覚ました。
「うーん!どうしたのだお主ら、そんな気まずそうな顔して。も、もしや、お主ら我が寝ている隙に……」
「そ、そんな事してない。誤解だ」
「うん、そうだよエラちゃん。何にもしてないよ」
「そうなのか……それならよい」
エラは俺たちの言葉を信じてくれたようだ。
「それでりゅーくん。今日は何するの?」
「そうだな、今日の予定を決めないと!えっと、たしか、ここの街って迷宮があったよな?」
「うん、そうだね何個かあるみたいだよ」
咲の情報量はすごい。
俺も、一度聞いたことや見たものは忘れないが、なんといってもコミュニケーション能力が低いので話を中々聞けないのだ。
それに対して、咲はコミュニケーション能力が高く、ズカズカと知らない人の中に入って行くので情報収集が効率的なのだ。
俺が少し考えるそぶりを見せるとエラが会話に入ってきた。
「行こう!迷宮へ。我も楽しみじゃ」
エラは迷宮に行ったことがあるのかと、首を傾げながらも、迷宮で行う依頼は効率がとても良いので迷宮に行かない理由は無いのだ。
「エラも行きたいみたいだし、迷宮に行くことにするか」
「了解!じゃあまずはギルドに行かないとね」
「よし、早速準備するぞ、10分後に宿のロビーに集合」
「うん」
「我は剣に戻っとくぞ、迷宮に着いたら読んでくれ」
「おう」
こうして、今はまだ何も知らない俺たちは迷宮に行くことを決定してしまったのだ……。




