第19話 〜共に〜
全然更新しないくせに短いです。
堀井と別れてから1日、俺たちは目的地だったトイザラスに着いた。
予定より少し時間が掛かったが仕方ない。
俺と咲は正面にある巨大な壁の前で衛兵に止められる。
「この町に来た理由と身分証を出せ!」
衛兵の横を通り過ぎようとしたときに話しかけられた。
「えっと、旅の途中で寄っただけです」
理由を答えながら魔力を流し込んだ冒険者証を出す。
「そこの女もだ。早くだせ!」
咲も慌てて冒険者証を出す。
衛兵は冒険者証をじっくりと見てから
「問題ないな。よし、通っていいぞ」
「あ、ありがとうこざいます」
顔をまじまじと見られていて恥ずかしいが、何かそうゆう趣味があるのだろうか。
さっさと逃げよう。
「行こ。咲」
「うん」
咲は何か衛兵を警戒しながら俺に着いてくる。
「どうしたんだ?」
「う、ううん。なんでもない。なんかあの衛兵が私たちの事を必要以上に見てるみたいだったから」
「たしかにそんな気がはしたな。多分、咲が可愛いから見惚れてたんだろ」
「えっ……!」
咲が下を向いた。
咲の顔が少し赤かったのは気のせいだろうか?
熱でも出してないといいけど……。
それから何も話さなく咲と俺はこれからしばらく泊まるための宿を探す。
「ここなんかどうだ?」
そう言って俺が一つの宿を指差す。
ここの世界の宿は外装と内装が一致しないことが多い。
内装がどれだけ綺麗でも内装は最悪という宿も多いのだ。
それに対してこの宿は外装は余り綺麗ではないが内装が綺麗に感じられる。
外からでも中が見るガラスを使っているのは相当自信があるのだろう。
「うん。いいと思う」
「よし!決まりだな!」
基本文句ばかりの咲がいいと言えば間違い無いだろう。
俺たちは中に入る。
「いらしゃい!何人だい?」
「えっと2人です」
「おう!もしかしてお二人さんはカップルかい?」
「いえ、そうゆう訳では……。ただの腐れ縁の幼馴染です」
「ははは、そうかいじゃあこの部屋使いな。部屋は突き当たりの右側だ。ここはご飯も疲れるけどどうする?ちなみに一食小銅貨二枚。宿泊者限定だけどな」
小銅貨二枚か……。
安い。これは本当に安い。
安すぎて疑ってしまうぐらいだ。
「どうする?咲」
「だだの腐れ縁……ただの腐れ縁……」
咲がやばいオーラを振りまきながらブツブツなにかを呟いている。
「あの……咲さん……」
「えっ?何だって?」
「あの……ご飯はここの宿のでいいですか?」
「あっ!いいよ」
「じゃあよろしくお願いします」
「はい、わかりました。何かあったらここまでお申し付けください。いい夜を」
今の時間は7時だ。
寝るのには少し早いと思うがまあいいか。
「おやすみなさい」
そうして俺と咲は渡された鍵の番号の部屋に入る。
「えっ?」
俺たちが指定された部屋にはベットが一つしか無かった。
それにそのベットは2人で入っても少し余裕があるくらいの大っきいベットだ。
「なんでだ?俺ちゃんと2人って言ったよな?この部屋変えてもらおう!今言ったら変えてくれるかも」
「私はいいよ!りゅーくんと2人で寝ても」
「え?」
咲が何を言っているのかわからない。
「だって昔は一緒に寝てたじゃん!」
「いや、でもそれは小学校低学年の時だろ?」
たしかに小さかった時は咲の家に遊びに行くたびに咲と一緒に一つのベットで寝ていた。しかし、この年齢でそれはやばい。
俺は男で咲は女なんだ。俺の気持ちが抑えきれなくなってもおかしくない。
「だって部屋がないからこの部屋になったんでしょ?まだ、ベットが大きいだけいいじゃん!」
それもそうなのか……?
いや、だめだ!
「お願い!りゅーくん!私と一緒に寝て。1人になるのが怖いの」
咲が溢れる涙を手で拭いながらそう言った。
それを見て俺の愚かさを知る。
俺は欲情する事が心配だったのに対し咲は今までずっと不安だったのだ。
「うん、わかった」
そうして俺たちは一緒のベットで寝ることになった。
「もう!見てられない!私の前でこんな、い、いかがわしい行為をするな!」
身長120センチぐらいの緑色の髪の女の子が剣の中から現れた。自称2000歳だが、どう見ても小学生にしか見えないのは風の精霊エラだ。
「どうしたんだ?お前も一緒に寝たいのか?仕方ないなお前はまだまだ子供だもんな。ほら」
俺は布団をあげて入って来れるスペースを作る。
「何故お主は咲とは一緒に寝るのを中々承諾しなかったのに、我とはそんなに寝たいのじゃ?もしかして我に好意を持っているのか?」
「何言ってんだお前は。俺はそんなお子様に欲情しないよ。俺はロリコンじゃないしな」
「な、なんだとお主!我を子供扱いしてるな!」
「だってお前見た目も中身も子供じゃねえか」
「う、うるさい!」
「じゃあ、1人で剣の中で寝てろ」
「そんな事言われなくても!」
そう言ってエラが剣の中に戻ろうとする。
「もう……仕方ないね。なんで君たちは素直じゃないの?エラちゃん、ほらこっちおいで」
咲が自分の隣に来るようにエラを促す。
エラは一瞬だけ満面の笑みを浮かべたがすぐに口を締めて
「そ、そんなに言うのならこの大精霊様が一緒に寝てあげないこともないよ」
咲は何もかもを見透かしたように
「うん、私寂しいんだ。大精霊様、私に勇気を頂戴」
「し、仕方ないな……」
そう言うとエラは俺と咲の間に割り込んで来た。
「龍二も近くに居たいだろ?」
「ああ、そうだな……」
エラの背後から凄い殺気を出して俺を睨んでいる咲を見ると俺は渋々そう答えた。
うまく時間が作れない……(作っていない)




