禁断のくらら・アーリーディズ☆特別篇【夢から覚めた夢】中篇
「見た夢ってのは、なんかのパーティーの夢。場所はここ“Zoo”やねんか」
「ふーん、それで?」
「うん、知らないアタシ達と同じ歳くらいのカワイイ女の子が沢山いたの。あと、アタシの事、“姫さま”って呼ぶ外人のめっちゃ綺麗なお姉さんとお兄さん」
「それで?」
奈々が興味津々に尋ねると、くららは少し考え、
「あとお水の仕事している感じの女の子でしょ・・・、あと・・・、んー、思い出した!おっさんになった、鉄、真、JJ、それとリュウくん」
奈々は少しガクっとして、
「おっさんか・・・。よかったやん、リュウくんもいたんだ。みんな変わってた?鉄さんは?」
奈々は思いを寄せる鉄の様子が気になるみたいだ。
くららは更に考え、両方の人差し指を立て、鼻と口の間に持っていくと、
「JJはヒゲを生やしてた。なんか色々経営してるみたいな感じだった。高そうな服着ていたし・・・。で、真は・・・」
「真って?」
「あー、ゴメン。分かりにくいね。真って委員長の事。夢の中で委員長は気持ち悪いから、真って呼びすてにしてくれって、せやから、真って呼ぶ事にしてん」
「ふーん、それで?」
「弁護士してるって言ってたかなぁ・・・。長髪のかなりカッコイイ弁護士。JJと真は、まだ独身って言ってた。確か・・・」
奈々は1番気になった事を口にした。
「鉄さんは?」
「結婚してた。しかも、5歳の息子がいてるって・・・、仕事は刑事って言ってたかな」
「夢の事にしても、ショックだよ・・・、鉄さんが結婚。しかも、子持ちって・・・」
奈々は夢の事とはいえ、かなり凹んでいる様に見える。む
くららは、にいっと笑うと、
「アホやなぁ、奈々。鉄はね、奥さんはアナタだって言ってたよ。なんか用事があって、今日は会場には来てないって、言ってたけど・・・」
奈々の顔が急に明るくなる。
「ホントに?私が鉄さんの奥さん?」
「しかも、雰囲気からして、尻に引いてるみたいやったよ」
くららは少し意地悪に笑った。
「くらら、いけずやねんから~」
奈々が照れる。
「しかし、なんかリアルな夢だったんだね?リュウくんは?」
くららは残念そうに横に首を振ると、
「いてたと思うし、なんか凄く大事な約束をした気がするんだけど・・・、思い出せへんの・・・」
「そっかぁ、でも会えたなら良かったと思うよ、私は」
「かなぁ・・・」
「うん」
奈々は微笑みに、くららは少し癒された気がした。