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第四幕 鍵

遅くなってごめんなさい!

なんとか更新できました!

やっぱり荒削りです。

多少のことは、前回と同じく暖かい目で見逃してやってくださいw

 土曜日。

 今日も快晴だ。

 俺、笠石来夏は小さめのバックパックを背負って街の中を歩きながら空を眺めた。

 立ち並ぶビル群の窓ガラスが陽光を反射してきらきらと輝いている。

 休日ということもあってか、街にはいつもより人が多い。

 本当は、今日の午前中は高校で補習授業を受けなければならなかったのだが、めんどくさかったのでサボってやった。

 勉強なんて、全くやる気がおきない。あのよく分からん計算式や、歴史上の偉人の功績なんか学んで何になるんだ? 日常生活の中で使いどころがないだろ、あんなの。

 あ、でも歴史はちょっと興味あるかな。

 地球上で起きた出来事をなぞっていくわけだし、それなりに魅力を感じないこともないかもしれない。

 ま、要は最終的に地球につながればなんでもいいな。

 その他は心の底から興味なし。眼前から消え失せたまえ。

 我ながら単純だな。でも分かりやすいのはいいことだと思うよ、俺。数学の教科書も俺を見習え。

 そんなことを考えながら足を動かしていたら、すぐに今日の目的地に到着した。

 俺は足を止め、眼前にそびえる巨大な塔を見上げる。

「………でっけぇな、何度見ても」

 素直な感想が口から漏れた。

 そこには、直径が100m以上ある無機質な鋼の柱がそびえ立って空を貫き、さらにその向こう側まで伸びていた。

 街の中心に天高くそびえるこの柱は、この箱舟の中の重要な施設をひとまとめに抱える、いわば中枢だ。

 正式な名称はなく、箱舟の住民には単に「塔」とよばれている。

 大きな自動ドアをくぐり塔の中に入ると、中ではさっきの通りとは比べものにならない程の多くの人々の喧騒がひしめき合っていた。

 全部で五つある巨大な階層移動用エレベーターがひっきりなしに動き、人の波をさばいている。

 ここは、休日平日関係なくいつもこんな感じだ。箱舟のいたるところから人が集まってくる。

 ショッピングモールがあったり、スポーツジムがあったり、一部企業のオフィスになってたり、役所的なところがあったり、とにかくいろんな機能が集中しているのだ。

 俺は人の波を押しのけながら進み、すし詰め状態の階層移動用エレベーターの一つに乗り込んだ。

 自動ドアの脇のボタンの中から、7階を選んで押す。

 しばらくしてドアが閉まり、機械の駆動音と共に気持ちの悪い感覚。

 途中何度か別の階で人の乗降を経て、エレベーターは機械音声のアナウンスとともに七階に辿り着く。

 一人エレベーターをおりると、背後で扉がしずかに閉まる。

 途端、あたりは静寂に包まれた。

 冷房が効いていて、少し肌寒い磨りガラス張りの廊下を一人で進む。

 奥の自動ドアが開き、その向こうの空間へ。


 ドアの向こうは、見渡す限りその空間の全てが巨大な本棚で埋め尽くされていた。何人もの人が本棚を漁ったり、隅の読書スペースで読書したりしている。

 ここは、通称資料館。

 この塔の中の七階から九階の全てのスペースが資料館の本棚で埋まっており、箱舟の中に存在するほぼ全ての膨大な資料で溢れている。

 簡単に言えば、街に一つしかない大きな図書館、って感じだな。

 入り口脇のカウンターで、バックパックから数冊本を取り出し、受付の女性に渡す。

 その中には、例の写真集もあったりする。ナイアガラすごくよかった。

 簡単な返却処理をすませて、俺は軽くなったバックパックを背負い直し、ちらと腕時計を確認する。

 現在午前10時24分。午後6時には家に帰りたいから、5時半にここを出るか。すると、7時間ぐらいはここにいられるのかな、充分充分。

 頭の中でそんな計算をしながら複雑に入り組んだ本棚の迷宮を抜けていく。

 初めてここに来たときは、10分も経たないうちに遭難したんだったっけ。結局迷路を脱出するのに一時間以上かかった。

 それほど遠くない記憶をたどって苦笑する。今となればもう慣れたものだ。多分、目をつむっていても目的の場所までたどり着けるんじゃないか⁇

 23番棚を通り過ぎ、資料館専用のエレベーターに。

 九階に移動したあと、さらに289番棚から348番までを通過、右折して狭い廊下に入る。立ち並ぶドアの、一番奥の右側。資料館の最奥部。

 うん、やっぱ目をつむっては無理があったな。まだまだ修行が足りないようで。

 途中何度も本棚にぶつけた額をさすりながら、冷たい金属のドアノブをひねって扉を開ける。

 部屋の中には、先程までと変わらない巨大な本棚がいくつも並んでいる。

 しんと静まり返った薄暗い書庫の中に、俺以外の人間はいない。もともとあまり人が来ない資料館で、こんな奥まで来るのは相当な物好きだけなのだ。それこそ俺みたいな。今まで何回もここに来ているけれど、ここで人にあったことは一度もない。

 俺は、入り口から12個目、最後の棚の前で足を止める。

 資料館の一番奥のこの部屋には、地球についての文献や、資料が大量に保管されている。ほとんどが人類がまだ地球上にいた頃のものなので、随分と古い。汚れていたり、劣化が激しく読めないものもあり、コピー本もある。

 俺は、棚からいくつか適当に本を抜き出した。民俗系のが3冊と、地形どうこうやら、歩き方そうこうとかいうのが2冊。

 本を手にとって、俺はバックパックを床にほうる。

 ここにはどうせ俺しかいないんだから、人目を気にする必要もない。

 俺はそのままその場にどかっと直接あぐらをかいて座り、本のページをめくりはじめた。

 そうすれば、すぐに俺の意識はこの狭い資料館から、遠く広大な地球へ旅立って…


 となるはずだったのだが。

 今日はなぜだか本の内容に集中できない。意識は別のところをずっとぐるぐるしている。

 それでも無理やり集中しようと、一時間ぐらいそのまま粘った。

 食いつくように文字列を追い、ページをめくるが、一向に俺の意識は地球へ出発しようとしない。

 原因は分かっている。香奈のせいだ。

 金曜日の昼休み、あいつに叩きつけられた否定の言葉が、まだ俺の脳内を駆け巡っている。

 幼稚だとか、もっと現実を見ろだとか。偉そうに言いやがって。

 お前は俺の気持ちの何を理解したってんだ。なんにも分かってない。全く。

 …ただ、確かにあいつの言うことも一理あるんだよなぁ。

 どんなに地球に行きたいと願ったところで、俺には地球に行く手段がない。

 この方舟は、今から数千年後、もうちょい放射能がうすれたらテラフォーミングのため地球に帰還する予定らしいけど、そんなに長く待てるわけもないし。

「…あぁ、くそっ」

 俺は本を乱暴に閉じて、積み上げた本の上に投げる。

 香奈は正しい。所詮叶わない夢だ、地球に行くなんてのは。

 それだけど、もっと言い方があっただろ。頭から叩き潰しにきたからな、あいつ。

 どうしようもなく、胸の中がムカムカする。

 俺は目を閉じ、そのまま上体を後ろに倒して床に寝転がった。

 タイルの床の冷気が背中から体に染み渡って心地いい。

 俺は諦めないぞ。

 俺の夢への決意は固い。

 なんとかして、いつか地球に行ってやるんだ。

 そして、ゆっくりと目を開いて、



「ん、」(←俺)

「おぉ」(←unknown)



 1人の老人が俺の頭の方に立ち、俺の顔を見下ろしていた。

 真っ白なワイシャツの上におしゃれな深緑のチェック柄をしたベスト。顔には深い皺が刻まれ、白髪混じりの頭髪。

 そしてその黒い瞳にはばっちり俺の顔が映っている。

「……………………」

 お互いに見つめあったまま、気持ちの悪い沈黙。状況を理解するのに、かなり時間がかかった。

 これは、あれだ。なんていうか、うん。


 しまったぁぁぁああああああっ‼︎‼︎‼︎


「すいませんでしたァッ‼︎‼︎」

 俺は光の速さで姿勢を正して深く深く土下座。

 あれ、なんで謝ってんだ俺? いや、この行為自体は間違ってないはず。だと思う。

 一体いつから見られてたんだ⁉︎

 全く気づかなかったぞ、だって物音の一つもしないし!

 てか、どうすんだどうすんだ、どっかり座ってたり寝転がったりしてるとこ見られたぞ、これって怒られるのか?

 いや待てよ、確か外でなんかやらかすと学校に連絡が飛ぶって聞いたことあるな。

 …うわぁ、最悪だ、学校の補習サボっただけでも相当怒られるのに、それでなにしてたかって言ったら資料館の床でゴロゴロって。

 今度こそ先生に殺される。

 頼む、学校に連絡とかそういうのはなしで…!

 頭を無駄に高速回転させながら、とにかく額を床に擦り付け無礼を詫び続ける俺。

「………、君…」

 頭の上から威厳のある、静かな声音。

 あぁ、これは完全に説教されるパターンだ…。最近の若者はマナーがどうこうとか言って社会全体の全く身に覚えのない責任を問われるパターンだ…。

 頭上からわずかに衣擦れの音。動く気配。

 あぁ、くそっ!

 来るならこいっ!

 俺は身をちぢこめて歯を食いしばる。

 老人の腕がゆっくりと、ゆっくりと伸びてきて、

 そして、


「…地球が、好きなのかな?」


 俺の傍に積んであった本を一冊掴んで持って行った。

「え……⁇」

 予想外の展開に、俺は思わず頭を上げる。

 その老人は、楽しそうな笑みを浮かべながら、「南米の歩き方」と表紙に書かれた本を片手でペラペラとめくっている。

「素晴らしいことだと思うよ。君みたいに若い子が、方舟の外に興味をもつのは。最近の若者は、方舟の安定しすぎた生活にすっかり慣れてしまって外界への興味を失っている。方舟の中にいれば安全なんだから、外のことなんてどうでもいい、という考え方だね」

 老人は、ぱたん、と本を閉じ床に正座したままの俺に差し出した。

 俺はほぼ反射でそれを両手で受け取る。

「君は大体半年くらい前から、よくここに通うようになったんだっけ」

「⁉︎」

「君が初めてここに来たのは、確か去年の12月だったかな?」

 なんでそんなこと把握してんだ⁉︎

 ずっと、半年間この老人に俺は見張られてたのか⁉︎

 目の前の穏やかな笑顔の老人が急に恐ろしくなった。

「ん、あぁ、そんなに身構えないで。別に君をどうこうしようとは思ってないさ」

 恐怖が顔に出ていたらしい。

 慌てたように老人が弁明する。

「ただ、私は君がどんな人間なのか知りたくてね。いつも私が一人で使っていたこの書庫に、ある日突然若い男の子がやってきた。休日の朝から、人も来ないような書庫でひたすら地球の資料をあさる若者なんてそうそういないだろう?少なくとも、私は君がはじめてだったよ」

 そう言って、再び老人はまたあの楽しそうな笑顔を顔いっぱいに広げた。

「私も、よくここに来て調べものをしたりしてたんだ。まぁ、ここの本は読み尽くしたし、君が来るようになってからは来なくなったんだけどね。しばらくぶりに来てみたら、やっぱり君がいたから、声をかけてみたわけさ」

 あぁ、なるほど。合点がいった。

 俺がここのヌシになる前は、この老人がヌシだったわけか。

 それで、俺のことも知ってるのな。

 納得納得。

 …って、おい。

「読み尽くしたって…、ここの本を⁉︎ 全部ですか⁉︎」

 思わず聞いた。

 この狭い部屋の中には、全部で12の縦横共に巨大な棚があり、そのそれぞれにぎっしりと大量の本が詰まっている。

 俺は一番奥の棚から順に読み進めており、すでに相当な量を読んだが、それでもその棚にある本の10分の1に満たない。

 半年でそれなのだから、俺とこの老人が本を読むスピードが同じだとして単純に計算すると、この老人はここに通い始めて60年になる…‼︎

「あぁ、結構な時間がかかったよ、ここの本を全て読破するのは。中には大して参考にならない資料もあって、そういったものは斜め読みだったけど、どうだろう、それでも40年くらいかかったかなぁ」

「う、うぉ…」

 予想してたより遥かに速い!

 それでも、40年間もの間ずっと地球の本ばっか読み続けたのか⁉︎

 す、すごい…。

「私は、地球に強い憧れを感じているんだよ…」

 老人は、ふとどこか遠くを見るように目を細めた。

「それこそ、君ぐらいのときからだったかな、地球についてよく考えるようになったのは」

 口の端に、優しい笑みが浮かぶ。

「よかったら、君のことを私に聞かせてくれないか。君も、あの星に何かを感じたから、こうしてここに来ているんだろう?」

 老人は、よっこらせと床にあぐらをかいて座った。

「なかなかいないからね、地球について真剣に語り合える相手というのは。こういう機会は、大事だと思っているよ」

 そして、俺の顔を見てにっこりと笑った。

 脳裏を、金曜の香奈との会話がよぎる。

 香奈は、俺とまともに話してくれなかった。

 それどころか、正面からいきなり辛辣な言葉で俺を否定してきた。

 …この人は、どうだろう。香奈と同じように、俺の夢を笑うだろうか。

 微笑みの中から、まっすぐと自分を見つめる瞳の奥を探る。

 話を聞く限り、この人は、地球のことに関心があるようだ。

 もしかしたら、俺のことを分かってくれるかもしれない。

「……、僕は…。」

 胸の中に溜まった塊をゆっくりと吐き出すように、言葉を紡ぐ。

「…僕は、地球に行きたいんです。」


 〜


「なるほど…」

 老人は、目を細めて呟いた。

 俺は、老人に俺の夢の全てを話した。人に作られた、偽物だらけの世界に嫌気がさしたこと。本物の世界、地球に行ってみたいと思うこと。そして、その夢をクラスメイトに否定されたこと。

 立ち込める居心地の悪い沈黙。

 あの時と同じだ。

 また、この人も、香奈と同じことを言うのだろうか。

 老人は、あぐらをかいたまま難しい顔をして床を睨みながら黙り込んでいる。

 俺の視線も、自然と自分の足元に下がる。

 しばらくの沈黙のあと、

「……君は、」

 老人のさっきまでとはうって変わった、厳しく、重い声。

 俺はビクッと体を震わせる。

「…、はい。」

 老人は、ゆっくりと視線を上げ、正面から俺の瞳を見据えた。

 真剣な表情。その目には、鋭い光が宿っている。

 なんとなく結果が見えた。

 俺は、半ばどうでもいいような目で、老人の視線を受け止める。

「君は、本気で、言っているのかい…?」

「はい」

「夢の実現のためならそれ以外の全てを捨ててもいい。それだけの覚悟も、あるんだね…?」

「はい、まぁ」

 変な前置きはいらないぞ。俺のことを笑えばいいだろ、馬鹿だって。くだらないって。

 返事もなげやりで、適当だった。

「君は、とても綺麗な目をしている…」

「ええ、親ゆずりです」

「夢をどこまでも追い続けることができる、探求者の目だ…」

「結構一途なんですよ、僕」


「……ふふっ、…いいだろう、気に入った!」


「ええ、……え?」

 老人は、さっきまでの楽しそうな満面の笑みを浮かべて、勢いよくがばっと立ち上がった。

「夕方の6時にテラスまで来てくれるかな? 君に、渡したいものがある」

 テラス。この塔の最上階のことだ。

「えっと…? 渡したいもの…?」

 全くどういう展開なのか飲み込めない。俺の頭の中は疑問符で埋め尽くされている。

「そうだね…、いうなれば、君の夢を叶えてくれるかもしれない、魔法の鍵さ」

 夢を……、叶えてくれる⁉︎

 その言葉が、頭の中の疑問符を全て吹っ飛ばした。

 地球に行けるってことか⁉︎

「ど、どういうことですか? なんなんですか、魔法の鍵って⁉︎」

 俺は老人の服の裾をまるで食いつくかのように両手で掴んだ。

 そのまま前後に激しく揺さぶる。

「僕の夢が、叶うんですか⁉︎」

「ま、待て待て、後でちゃんと説明するから、離してくれ、」

 老人がぐらぐらしながら悲鳴をあげて、俺はしまったと手を離す。

 老人はげほげほと数度咳き込んで、崩れた服を直す。

「す、すみません、つい…」

「あぁ、いいんだいいんだ、気にしないで」

 外れたベストのボタンを順に付け直しながら、老人が言う。

「ともかく、だ。君が本気で夢を叶えたいと願うのならば、私にはその手助けができる。詳しいことは、後で実物をまじえて話そう」

 ………本当に…、

「…本当に、夢が叶えられるのですか…?」

 無意識に、質問が口をついて出た。それだけどうしても今聞いておきたかった。

「なんだね、私を信用してくれていないのかな?」

 老人が、心外だというように声をあげた。

 いや、だってついさっきそこであったばかりの人だし、信用しろっていう方が…

「い、いや決してそういうわけではなくて、なんていうか、その…」

「言っておくが、私が夢を叶えてやると言っているわけではないぞ。叶えるのはあくまで少年、君だ。私は君に夢への扉の鍵を与え、その使い方を教えるだけだ。その扉を押し開けるのは、君自身なんだよ」

 そこまで言って、身だしなみをすっかり整えた老人は、ふっと柔らかな笑顔を浮かべて、

「何も心配することはないよ、少年。私は嘘はつかない。…それじゃあ、6時にテラスで。」

 それだけ言い残し、老人は身を翻すと足早にその場を去っていった。

 棚の向こうで書庫の扉が軋む音がして、バタン、と閉まった。

 書庫に、再び静寂が帰ってきた。

 耳が痛くなるような静けさの中、俺は、惚けたような顔で、ずっと老人の去っていったあとを見つめていた。

「夢が、叶う…?」

 ぼそり、と無意識に呟いた。

 あの老人は、確かにそう言った。

 魔法の鍵…。 地球に行く手段がある、ということか? でもどうやって?

 もしかして、夢だったんじゃないだろうか。

 急に怖くなって、頬をつねってみた。

「……、いてぇ」

 確かに、現実だ。夢なんかじゃない。

 俺は、まるで阿呆にでもなったかのように、同じ言葉を繰り返した。

「…夢が、叶う………!」

 信じてみても、いいんだろうか…

 ちらと腕時計を確認する。

 短針と長針が丁度文字盤の12のところで重なろうとしていた。

 胸の奥がそわそわして、頭がぼうっとする。

 今までに味わったことのない感覚。

 もう本なんて読んでいられなかった。



第四幕も最後まで読んでくださって、ありがとうございます!

次の更新はかなり遅くなりそうです…

私生活が忙しくって。

高校の課題がやばいんです…泣


予告です。第五幕 扉。

それぞれの考えが絡まり、物語は終盤に向けて加速します。

前半と後半をつなぐ、大事な箇所になる予定です。

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