表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説

倦怠の季節

作者: 斎藤康介

「例えば悲しみに質量があって、その切片みたいなものが道に落ちてるんだ。それがずっと続いてて僕はそれを辿っている。やがてある曲がり角で途絶える。目を凝らして辺りを捜すんだけどそれはそれっきりでどこにもないんだ」

 

  「―――それで?」


「That's all.それだけ」


 ただただ不毛な会話を延々と繰り返した。

 嫌いなものは多く、それ以上にすべてがどうでもよかった。

 常に瞼は重い。常に意識は混濁をしている。救いようがない馬鹿だなと自分で思っていたが、救われた自分というのも想像できなかった。

 生きていくことが面倒くさい。その認識だけが僕の心を支配していた。揺るがない信念とも言えた。


 高校二年の夏、僕は倦怠の中にいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ