表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔-デモンズ-  作者: 北郷 信羅
第4章 訓練
22/58

1,再会

 ウェルドよりさらに西にある町、オルガ。その東部にある一軒家の前で、信冶は車を停めた。


 「ここに信冶の師がいんの?」

啓太が問う。

「うん」

信冶は車を降りる。


 呼び鈴を鳴らすと、すぐに返事が返ってきた。

「どちらさん?」

少々無愛想な返事だった。

「北原信冶です」

「ああ、信冶か。ちょっと待ってろ」


 玄関の扉を開けて出てきた男は、「がっちりした体格の頑固爺さん」といった感じである。

「どうした?」

「……もう1度、師の元で訓練をさせてもらえませんか?」

「わかった」

男はあっさりと承諾した。

「えっ」

あまりにもあっさりとした返答に、信冶が逆に動揺する。しかし男は

「お前が来ようが来なかろうが、俺はそうするつもりだったからな」

と言う。

「は……?」

「後ろの3人は?」

怪訝そうな様子の信冶を気にも留めずに、男は問う。

「信冶と一緒に革命を起こそうとしてる……んっ!」

言いかけた梓の口を啓太がふさいで、自分の後ろに下がらせる。

「信冶の友達の上田瑞紀ですっ」

瑞紀がフォローする。

「あと、若松啓太と六神殿梓です」

「そうか。俺は加藤正史(かとうまさふみ)だ」

正史も自己紹介し、

「……別に隠す必要はない。俺だってもう引退してるが、訓練員だったんだ。知り合いの現役軍人からお前らのことは耳にしてる。俺は名前を訊いたんだ」

「あー、そうすか」

啓太が言う。

「……でも、それだったら何で反逆者である俺らの手助けなんかしてくれんすか?」

「それがお前らの正しいと思った道なんだろ?」

正史が問い返す。

「ええ、まあ」

「ならいい」

正史は事も無げに言う。


 「ここにいることも、そのうちばれるだろうし、時間ないだろ。すぐに始められるように準備しとけ」

「はい!」

信冶が返事する。

「……ああ、ただ、もう1人来てから訓練始める」

「え、もう1人?」

「律儀に前もって電話入れてきたやつがな」

正史は答えた。


◆ ◆ ◆


 その「律儀な」人物がやってきたのは信冶たちが正史の家に来た、その1時間ほど後のことだった。

「……え!?」

正史と共に玄関から出てきた信冶は、その人物を見て驚いた。相手の方も唖然とした様子で信冶を見ている。

「し……信冶、何でここに……!?」

相手……奏はやっとのことで言った。

「奏こそ……」

信冶もやっとのことで返す。

「……会ってしまった以上は」

奏が刀に手を持っていく。


 しかしその手を正史が止めた。

「何で止めるんですかっ!?信冶は……」

「知ってる。だがここにいる間は、信冶もお前も同じ訓練生だ。余計なことはするな」

正史は奏を睨む。奏は納得がいかない様子だったが、

「……分かりました」

と答えた。

「よし、すぐに訓練を始めるぞ」

正史は5人に言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ