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悪魔の美男子  作者: 暦海


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8/15

相談

「――ようこそお姉ちゃん、天使あまつかさん! 今日もゆっくりしてってね」

「うん、ありがと海佳うみか

「サンキュ、今日も邪魔するぜ海佳ちゃん」


 ある晴れた日の放課後のこと。

 扉が開くやいなや、花のような笑顔で迎えてくれる可憐な少女。この立派な邸宅に住む二つ歳下したの妹、陽野ひの海佳で。


 あれから、およそ二週間――ご迷惑ではないかと思うほど、それはもう頻繁に陽野ひの家を訪れている私達。だけど、その度に――それも、日を追うごとに嬉しそうに私達を迎えてくれて……うん、ほんとありがたや。


 



 ――ゴロゴロゴロ。



「――よっし、そのまま4番に……あれ?」

「ははっ、4番がどうしたって?」

「……くっ、まだまだこれからだから」

「ふふっ、頑張ってねお姉ちゃん」



 それから、数十分後。

 そう、悔しげに唇を噛む私。……くっ、あの軌道なら当たると思ったのに。あと、その愉しそうな笑顔がほんとイラつく。あっ、もちろん藤二こいつの方ね。


 さて、今みんなで興じているのはビリヤード――そして、今いるのは例により地下の卓球場で……うん、もはやちょっとしたレジャー施設だよね。なんかカラオケっぽい設備もあるし。




 

「いやー今日も楽しかったね海佳!」

「ふふっ、そうだね。でも、お姉ちゃんはダメダメだったけどね」

「……いや、それは言わないで?」



 それから、数十分後。

 例の絢爛なリビングにて、それぞれドクペを前にほのぼのと会話を交わす私達。ちなみに、あの悪魔はお花を摘みに行っているので今ここには海佳と私の二人で……うん、古いかな? この表現。ともあれ、この後も姉妹二人で閑談に花を咲かせ――



「……あの、それでねお姉ちゃん」


 話が一段落した辺りで、少し躊躇いがちにそう口にする海佳。そのモジモジした様子からも、何の話かは大方察せられて。……そう、きっと――



「……その、天使さんってロリコンかなぁ」

「ぶっ!!」

「……もう、汚いなぁお姉ちゃん。びっくりするじゃない」

「……あ、うんごめん……でも、びっくりしたのはこっちもだから」


 思わず吹き出した私に、汚いものをさっと避けつつ苦情を述べる海佳。……うん、ごめんね? でも、びっくりしたのはこっちもだから。……あと、よく避けれたよね今の。わりと一瞬のことだったと思うんだけど。……まあ、それはともあれ――


「……でも、前々からそうかなとは思ってたけど、やっぱり……」


 テーブルと口周りを軽く拭いた後、少し躊躇いつつそう口にする。すると、少し目を逸らしつつそっと頷く海佳。そして――


 

「……たぶん、好きになっちゃったんだと思う……天使さんのこと」



 そう、私を見つめ告げる。……うん、これに関しては全く驚かない……というか、そのまま予想通りの言葉と言って差し支えなく。……まあ、ほんとびっくりするほど綺麗だもんね、あいつ。それで、自分には優しいとなれば……うん、こうなるのも無理はなく。


 ……ただ、海佳の想いが叶うかとなると――正直、その可能性は皆無だと思う。それはロリコンとかどうとか以前に、そもそもあいつが海佳に近づいた目的は……まあ、それでも――



「……そう、だね。ロリコンかどうかまでは分からないけど……でも、そうじゃなかったとしても大丈夫。だって、海佳はとっても優しくて可愛い魅力的な女の子だから。だから……私、応援するよ、海佳の恋」

「……っ!! ほんとに!? ありがとう、お姉ちゃん!!」


 そう、微笑み告げる。すると、パッと顔を輝かせ私の手を取る海佳。……うん、これでいい。本当のことなんて言えるはずないし……それに、もしかしたら、ってこともあるかもしれないしね。実際、海佳はすっごくいい子だし。……ただ、それはそうと――


「……どうかした? お姉ちゃん」

「……あ、ううん、何にも……」


 すると、キョトンと首を傾げ尋ねる海佳。そして、そんな彼女に軽く首を振り答える私。……うん、これでいい。大事な妹の恋が叶うよう、全力で応援する――姉として、この選択が間違いなはずがないんだから。





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