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悪魔の美男子  作者: 暦海


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陽野海佳

「……えっと、ここは……?」



 ともあれ、呆気に取られつつも尋ねてみる。いや、誰かのお宅なのは分かるけど……でも、そもそもなんでここに私を――


「――当然の来訪、申し訳ありません。こちらは――」

「いやいやいやいや!!」

「ん? なんだよ星佳せいか。こっちはいまあいさ――」

「いやなんだよじゃないよ!! こっちは何にもできてないんだけど、心の準備!!」

「いや、お前の心の状態とかどうでもいいし」

「ちょっとは気にかけてよ!!」


 すると、困惑する私を余所にインターホンを鳴らし挨拶を始める藤二ふじさん。いやいやいやいや!! 普通いきなり始める!? 完全に置いてけぼりなんだけど、私!! いや、こんなヤツだって分かってるけど……でも、ちょっとくらい気にかけてくれても――



「……あの、すみません」


「…………へっ?」


 そんな不満の最中なか、ふと鼓膜を揺らす小さな声。だけど、インターホンからではなく、何とも馬鹿な応酬を交わす私達の右の方から。驚き見ると、そこにはあからさまに困惑した表情かおを浮かべる少女の姿があって。



「……あ、えっと……」


 再度、ポカンとする私。……えっと、この子は……いや、決まってるか。そして、この状況は――



「……あっ、あの! その、私達は決して怪しいものではなく――」

「いや何言ってんだお前。誰がどう見ても怪しいだろ俺ら」

「いや何言ってんだはあんただよ!!」


 一人あたふたとしていると、隣から呆れたように告げる美男子。いや何言ってんだはあんただよ!! 紛うことなき正論を言うんじゃない!! 今がどういう状況かほんとに分かって――



「……もしかして、お姉ちゃん……?」


「…………へっ?」


 すると、不意に届いた衝撃の言葉。……えっと、お姉ちゃん? いや、私に妹なんて――


「…………まさか」


 思わず、ポツリと声が。私に妹なんていない――疑う余地などないはずのそんな事実に、ふと新たな可能性がよぎったから。……うん、あの母親おやならあり得ないこともない。つまりは、他のところで密かに子どもを……そして、それは即ち――



「――ああ、こいつは陽野ひの海佳うみか。父親は違うが、お前と同じ黒崎くろさき京佳けいかの娘だ」


 すると、私の推測に答えるように告げる藤二さん。そして、よく見ると……いや、よく見なくても私に似て可愛らしい。まあ、だからこそ彼女も見ず知らずのはずの私が姉と分かったのだろうし。



「……あの、どうして私のことを……?」


 すると、たいそう困惑した様子でそう問いかける海佳さ――いや、海佳。この言葉から判ずるに、どうやら二人は知り合いではなかったようで……まあ、薄々分かってたけど。


 そして、ようやく合点が言った。どうして、私を復讐に付き合わせようとしたのか、それは――


「まあ、理由は何だっていい。とにかく、あんたの言った通りこいつ――黒崎くろさき星佳はあんたの姉だ。だから、仲良くしてやってくれ」

「保護者かあんたは」


 すると、私の肩にポンと手を置きつつそんなことを言う藤二さん。いや保護者かあんたは。あと、何だっていいことはないでしょ。あんたは良くても相手は怖くて仕方ないでしょ。


 ともあれ、大いに嘘を交えつつここに来た理由を説明する藤二さん。そして、実際に姉の私がいることが要因だったのだろう、大いに困惑しつつもどうにか受け入れてくれた様子の海佳。そして、なんとお宅へ招いてくれるという展開に……うん、なんか罪悪感。


 

 ……ところで、いつの間にか『お前』に変わってるんだよね、私への呼び方。……まあ、どうでもいいけど。






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