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美容院じゃないよ、床屋だよ!  作者: 双鶴


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6/7

床屋っていいもんだ

えー、床屋というのはですね、ただ髪を切る場所じゃございません。

人がちょっとだけ強くなれる場所なんです。


この前ね、小学3年生のユウくんが一人で来たんですよ。

いつもはお母さんと一緒だったんですけどね、今日は「一人で来てみた」って。

椅子に座るなり、ちょっと緊張してるんですよ。

で、ぽつりとこう言うんです。


「おじちゃん、髪切ると強くなれる?」って。

……もうね、わたし、泣きそうになりましたよ。


で、わたし、言いました。

「ユウくん、髪を切るってのはね、自分を信じるってことなんだよ」って。

そしたら彼、うなずいて「じゃあ、強くしてください」って。

……注文、ざっくりすぎるだろ!


でね、切ってる間に、店内のラジオから昭和歌謡が流れてきまして。

『上を向いて歩こう』ですよ。

わたし、口ずさみながら切ってたら、ユウくんも一緒に歌い出してね。

なんだか、床屋がタイムマシンみたいになってました。


仕上がった髪型は、ちょっとだけ前髪を上げた“勇者スタイル”。

鏡を見たユウくんが「これなら、明日の発表会、がんばれそう」って。

わたし、言いましたよ。

「髪型ってのはね、心の防具なんだよ」って。


で、帰り際にユウくんがこう言いました。

「また来るね。次はもっと強くしてね」って。

……君はどこへ向かってるんだい!


でもね、そういう一言が、床屋を続ける理由なんですよ。

髪を切るだけじゃない。

誰かの背中を、ちょっとだけ押す。

それが、床屋ってもんなんです。


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