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注意書き
これは、英雄譚ではない。
世界の平和を守るため、命を懸けて魔王と戦う勇者。
魔王は倒され、魔王軍は瓦解し、王国はその隙をついて魔王軍の残党狩りを開始。
世界は、ようやく平和へと向かい始めた。
繰り返す、これは、英雄譚ではない。
血筋も出生も不明、スラム出身のバウンティハンター。
彼が望むのは、世界の平和などではない。
彼が求めるのは、仕事が続く程度の「適度な治安の悪さ」だ。
そして、彼の周りには奇妙な仲間が集まる。
どこか間の抜けた、しかし確かな絆で結ばれた彼らが織り成すのは、ファンタジーオペラという名の、ややずれた物語。
三度繰り返す、これは、英雄譚ではない。
初めましての方も、そうでない方も、読んでくださりありがとうございます。
本作は「ファンタジー×バディもの×群像劇」風味の、少しずれた物語です。
いわゆる「勇者と魔王」の世界観ですが、主人公はそのどちらでもありません。
ゆるく、時に血なまぐさく、やがて切なく進んでいく予定です。
お付き合いいただければ幸いです。