表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について  作者: みん
第四章ー王都ー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/182

白いの


「…な…に…?」


「あれ?ひょっとして、魔力持ちだったのか?念の為に用意してただけだけど、良かった。」


もう一人の男が飄々と言った感じで答える。


()()、魔力封じの首輪ね。魔力を封じると同時に、少しずつ吸い取ったりもするんだ。しかも、魔力が強ければ強い程効果も強くなるんだ。君…凄く…強いんじゃない?」


ー魔力封じの首輪?そんなの、聞いた事…なかった。これって、ちょっとヤバくない!?ー


駄目だ…立ってるだけでも辛い…。


「なぁ、ギデル。この子の魔力に興味あるんだけど…やっぱり、贄はカテリーナにしないか?」


「馬鹿を言うな。もう時間も無いと分かっているだろう?それに、贄に関しては私に一任されてるんだ。口出しするな。」


『…残念…。』


そのもう一人の男は、そう言いながら私に着けた首輪をそっとなぞって言った。


「兎に角、急いで地下に行くぞ!ほら、歩け!」


(今の会話で初めて知ったけど )ギデルに追い立てられた私は、重くなった体を何とか動かしてもう一人の男の後を付いて行った。











「え…ウソ…」


私が連れて行かされた場所には…あの時のフェンリルが居た。


ー“にえ”…“贄”って…まさか…そう言う事!?ー


ダルシニアン様が拘束した時と同じで、光の檻の中に閉じ込められていた。首と4本の足にも光の輪っかの様な物も着いたままだった。


そのフェンリルが、ゆっくりとこちらを振り返り


アイスブルーの瞳と目が合った




ーあぁ…()()()だー




不思議と恐怖心はなかった。


声が…聞こえないのは…この魔力封じの首輪のせいだろうか?重たい頭でぼんやりと考えながら、ソッと首輪に触れる。


すると、アイスブルーの目が大きく見開かれ、フェンリルから魔力が溢れ出した。


「─っ!?おいっ!このフェンリルは拘束されて、おとなしくなったんじゃなかったのか!?」


フェンリルの魔力に驚き、ギデルが叫ぶ。


「おとなしかったよ!でも、“贄”を目の前にして、喜んでるんじゃないの?予定通り事を進めるから、ギデルはここに誰も入って来ないようにドアを見張っててよ!」


もう一人の男がそう言うと、私の腕を掴んでそのままフェンリルの方へと突き飛ばした。


抵抗する気力も魔力も無い。


ーあぁ…ヤバい…のかなぁ?ー


文字通り、私をこのフェンリルの贄にしようとしてるんだろう。ただ…フェンリルの魔力は凄いのに、何故だか全然恐くないのだ。


と、自分がへたりこんでいる場所に魔法陣が顕れた。すると、より一層体が重くなり、そのまま私はその場に倒れこんだ。


チラリとフェンリルを見ると、フェンリルも私を見ていた。


「…あなたの声…が…聞こえたら…良かったのに…」


『──っ!』


もう駄目かな?と目を閉じる瞬間─


『─っ!我の名を呼べ!』


ー名前?誰の?ー









重たい頭の中で、誰かの声が響いた─











『お前は真っ白だな─』


()()()。お前に名をつけてやろう。そして、お前を守ってやろう。』


『お前の名前は─』












「……レフ…コース…」




そう囁いた後、私は意識を手放した。












*****



「レオン…」


未だ続いている夜会の大広間に、カテリーナは緊急事態な事を周りに気取られる事のないように入場し、そっとレオンとティモスの側までやって来た。


「リーナ!?何故1人でここに?ルディはどうした?」


ビックリしたのはレオンだけではなく、ティモスもだった。ただ、カテリーナの手が震えている事に気付いたのはレオンと…


「何かあったの?」


その時に一緒に居たクレイル=ダルシニアンだった。

丁度、王太子殿下に帰りの挨拶をしているところだった為、レオンとティモスの側に、ランバルトとクレイル、近衛としてエディオルも一緒に居たのだ。


「えっと…」


早く事の次第をレオンとティモスに話したいが、ランバルト達が居る為、カテリーナは言い淀む。その事にレオンも気付いてはいるが、相手は王太子。どうしたものか…と思案していると


「何か緊急な事でも起こったか?もし、聞かれて困るような事なら…部屋を用意させよう。」


と、ランバルトが近くに居た侍従に声を掛け、すぐに部屋へと案内してくれた。


ランバルト達もその部屋に来たが、取り敢えずはと、レオン達と距離を置いて3人の話が終わるのを待つ事にした。



「パルヴァンで何かあったんだろうか?」


「どうでしょう?それなら、私達に隠そうとはしないと思いますけどね。」


「…確かに…」




「ルディが!?」


小さい声で話し合っていたのに、ティモスが焦ったように声を張り上げた。


「ルディ?」


その名前に反応したのはクレイルだった。


ティモスは、「しまった!」と言う様な顔をしたが、レオンはクレイルの方に視線を向け


「ダルシニアン様、ここには…フェンリルが。あの時のフェンリルが居ましたね?」


「あぁ、神殿地下に。あの時に拘束した状態でね。それが…何か?」


「どうやら、この夜会にパルヴァン辺境伯()を恨む輩が居たようで…。カテリーナを狙ったようですが、カテリーナの身代わりにと…一緒に居た“薬師のルディ”が…連れ去られたようです。」


「…何処に?」


「その者が、“贄”にすると─。」


クレイルがハッとした瞬間


「…薬師?」


エディオルが先に反応した。


「その薬師とは…どんな容姿をしている?」


それに答えたのはクレイル。


「エディオルとランバルトは、会ってない?パルヴァン付きの薬師のルディ。容姿は─プラチナブロンドの髪に…淡い水色の瞳だったよ。」


「──っ!?」


ヒュッと息を呑んだ次の瞬間、エディオルは直ぐ様駆け出し部屋を飛び出した。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ