モブ
「うん。多分そうだと思う。ハルちゃんは大変だと思うけど、絶対私達が守ってあげるし、還る迄ずっと一緒に居るからね?」
これからの事を思うと不安で仕方無いけど、ミヤさんとフジさんとショウさんが居てくれるなら、何とか頑張れそうだなーと思った。
それからは、3人のお姉さん達の知識?を元に、色々やってみた。ゲームでも確認ができると言う"ステータス"。そこで確認ができた。
やっぱり、ミヤさんとフジさんとショウさんが聖女だった。私はー
「魔法使いって書いてます。」
「「「魔法使いっ!?」」」
3人ともがビックリして叫んだ。
「はい。」
「この世界での魔法使いって、すっごくレアなのよ!あのね、このゲーム、誰とも恋愛に進まなくてノーマルエンドになると、日本に還れるのよ。でも、魔法使いなんてバレたらどうなるかなんて分からない。だから、ハルが魔法使いって事は、私達4人だけの秘密にしとこう!」
「それが良いわ!それで、絶対に4人一緒に日本に還ろうね!!」
「はい!分かりました!私は"モブ"を全うします!必ず一緒に日本に還ります!」
一応、この世界にも魔法はある。ただし、一般的な魔法と言うのは、空気中に存在する"魔素"を体に取り込み使うと言う物。その人によって相性が合う合わないの性質があるし、全ての人が使えると言うものでもない。その魔素を上手く使いこなせる人達の事を魔術師や魔導師と呼ぶ。
対して魔法使いと言うのは、魔素は関係なく自由自在に魔法を扱えるのだ。しかも…ほぼ無限に。
どうやら、ステータスは自分より強い相手の物は見えないらしい。でも、相手に見えないと、自分が強いと言う事が分かってしまうので、私は敢えて見せるようにして、"魔法使い"の箇所だけ空欄になっているようにする事にした。
驚いた事に、スムーズに魔法が使えるのだ。何でも魔法は想像力が物を言うらしい。もともと本を読む事が好きな私にとって、想像とはしやすい物だった。
「それと、モブと言っても、目立っても目立たなさ過ぎてもダメなのよね。」
ー何それ!?難しい存在ですね!?ー
「ハルちゃんの、その長目の前髪と眼鏡は、何か理由があるの?」
フジさんが、私の前髪をそっとかき上げながら訊いて来た。
「私、瞳の色の事でよく意地悪されてたので…あまり見られたくなくて…」
「私達に見せてって言ったら…嫌?」
「いえ、大丈夫です。」
と言いながら眼鏡を外し、前髪を軽くかきあげる。
「えー?凄く綺麗な色だよ?淡い水色?隠すのが勿体無い位だけど…この素顔を晒すと可愛過ぎるからヤバいかもね…」
「そうね。可愛過ぎるわ!恋愛発展になっても困るから、隠しておこうか。でも、ハルが嫌なら眼鏡外しても良いけど、どうする?」
「私が可愛いとは思いませんが、私も絶対日本に還りたいので、外しません!ひっそりと目立たず居たいです!」
「よし、この可愛さを隠すのは勿体無いけど、隠す方向でいこう。ひょっとして、この眼鏡で瞳の色が違って見えてる?」
ショウさんが、私の顔を覗き込むように見ながら訊いて来る。
「そーなんです。この眼鏡は伊達なんですけど、レンズに薄く色を付けてるので、瞳の色も違って見えるんです。」
「ホント、ハルの瞳の色で意地悪した奴を蹴り飛ばしたくなるわね…ホントに勿体無いわー。」
ミヤさんもフジさんもショウさんも、勿体無いとか可愛いとか言ってくれて嬉しいけど…私よりよっぽど3人の方が美人さんだから、絶対ここでもモテると思うんだけど…大丈夫なのかなぁ?




