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ハル

浮遊感を感じた瞬間に、あまりの恐さにギュッと目を瞑る。長く感じる浮遊感は、ほんの数秒だったかもしれない。一気に重力を感じ、足に力が入らず、思わず尻餅をついた。その次の瞬間─


「☆*△★!」


誰かが何かを叫んだ後、一気に周りがざわめいた。目を開けて周りを見渡すと…


そこは、新校舎ではなかった。

大理石でできたような大きな柱がズラリと並んだ部屋。目の前には、白いローブを被った人が立ち並び、私達の周りを見たこともない服を着た人達が立ち並んで居た。恐くなって、握っていた手が震え出す。


「ねぇ、あなた、名前はなんて言うの?」


手を繋いでいた女性が私の耳元で、こっそりと訊いて来た。


「あ…私の名前は…春ノ宮琴音(はるのみやことね)です。」


「分かった。また後で説明するから、もし私達以外に名前を訊かれても、本当の名前は言わずに"ハル"って答えて。良い?」


何が何だか分からないが、とにかく首を縦に振って答えた。


「※▲○★*◯◎」


「★△※◯◎☆」


と言うか…さっきから周りの人が何を喋っているのか全く分からない。しかも、周りの人と喋っている彼女達の言葉も分からないのだ。


ーさっきは普通に私と日本語で会話をしていたのにー


不安に押し潰されそうになるのをグッと耐え、彼女の手をギュッと握る。その事に気付いたのか、その彼女が私の耳元でそっと囁く


「私の事は"ミヤ"と呼んでね。大丈夫だから。ね?」


手を繋いでいない方の手で、優しく背中を撫でながら私を慰めてくれた。



ミヤさんは、私の側にずっと居てくれて、後の2人が白いローブを着た人達と色々と話をしていた。

時間にして10分か15分位してからだろうか?白いローブを着た人2人が、話をしていた彼女達に手を差し出した。彼女達はその手を取る前に私とミヤさんに振り返り


「取り敢えず、部屋を移動するそうよ?2人とも動ける?」


「うん。こっちは大丈夫。ハルも立てる?」


コクコクと首を縦に振る。


それを見て、前にいる2人が白いローブを着た人の手をとり前に進み出す。

更に、白いローブを着た人2人がミヤさんと私に手を差し出して来たが、私がビクリッと肩を震わせると、それに気付いたミヤさんが


「◎★*▲◎△」


その人達に何か伝えると、スッと手を引いた。


「ハル、行こうか」


と、ミヤさんが手を優しく引いてくれたので、ミヤさんと手を繋いだまま白いローブを着た人達の後を付いて行った。






私達がさっき居た所は、ギリシャ神話に出て来るような神殿だった。そこを出ると目の前に馬車が停まっていた。私達の前を歩いて居た2人とフードの人2人が一台目に。ミヤさんと私とフードの人2人が二台目に乗った。


フードの人達は目深に被っていて顔はよく分からないが、対面に座っている私達の事をジッと見ているような感じだった。


ー怖い…きっと…男の人…だよねー


知らず知らずにカタカタと震え出す。


「ハル?大丈夫?」


「だ…大丈夫…です。ごめんなさい…」


こんな私を、ミヤさんはずっと優しく手を握ってくれていた。


そして、10分程走って次に辿り着いた所は…

大きな大きなお城だった。





4人一緒に同じ部屋に通され、どうやら、着替えをするらしい。


「色々話をする前に、私達だけで話がしたいってお願いしたから、着替えたら話をしましょう。」


着替えを手伝うと言って、メイド服のような服を着た女の人が数人部屋に入って来たが、


「いりません!」


と言って、追い出した。4人でお互い着せ合いっこしながら服を来て、隣の部屋にお茶が用意されていたので、4人で椅子に腰掛けた。

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