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転生者を探し出せ 異世界が転生者だらけ 鑑定のない世界で 転生者を見極めろ

王は苦悩していた。

我が国は、1000年の歴史を持つ。

周辺国を平定し、ようやく平和な時代を迎えつつあったのに。


異常な事態により、王国はもう、ぐらんぐらんに揺れていた。


「ワルダクミー伯爵領、無名の冒険者により、壊滅いたしました。」


えっと、我が国最大の貴族領でしたよね。


「オンナスキー侯爵、追放されたはずの令嬢に、返り討ちにあい死亡しました。」


えっと、令嬢って、女子じゃないん?


いや、あいつら悪い奴だったから、いいんだけどさ。

いいんだけど。

ほら、段取りってもんが、あるじゃない。


冒険者ってさ、一人で軍隊より強いのねって、いやもう、国家の危機じゃん。

令嬢ていうか、あいつらも、もう兵器よね。


近衛騎士もさ、こないだ賢者のひ孫にビビらされてさ、もう辞めたいっていってきた。

なんで5歳で、禁忌魔法とか使ってくるの。

普通のでいいじゃん。


「あれ、俺また何かやっちゃいました?」って、怖いから言えないけど、駄目でしょ。


禁忌魔法を使って、無罪放免ってありえないからね。

あと、常識ないとしても、周りの雰囲気から察せるでしょ。

怖いからさー、何にも言えないけど。


王妃もさ、なんか時代は「絶対王政じゃなくて、立憲君主制よ」とか言ってくんの。

将来的には「共和制まで、今代でもっていくわ」とか、あんた自分が何いってるか、わかってるの。


王は巻き込まれ、目はうつろ、夜も眠れぬ日々である。

唐突に表れ、謎の力を持ち、世界を変えていく彼ら。

そんな、冒険者や令嬢の頻発に、王の常識さえ揺らいでいた。


彼らを説得、いや、もう少し自重していただき、安寧を得たい。

せめて何かするときは、事前に報告をしてもらう制度を作りたい。

できれば、彼らに常識を説明したい。

とにかく、無茶はほどほどにしてもらいたい。


幾人かは、もう目途がついてはいる。

しかし、突発的にあらわれる、謎の力をもった冒険者、令嬢たち。

見た目だけでは、見分けがつかない者がほとんどである。


もう、頼るものは勇者しかいない。

かつて、悪の魔法使いを倒した勇者を呼び寄せる。

彼の知恵と勇気に、今はすがるしかないのだ。


勇者は、渋々ながら手伝ってくれることになった。

王は各地に放った密偵により、怪しいとされた者たちをかき集め、いま城はえらいことになっている。


勇者についてきた、謎の町娘が仕切る。


町娘「はーい、今からですね、勇者様に一人ずつ名乗っていただきます。」

町娘「勇者様は、怪しいと思ったら手元のボタンを押してください」

町娘「でもってですねー、アウトの場合は、床がドーンと抜けて、下に落ちます。」

町娘「でも大丈夫、クッション引いてあります。落ちた方は、特別面談室で王様とハ・ナ・シ・ア・イ」


町娘「はいでは、最初はあなたからどうぞぅ」


漆黒のコートを着たイケオジ「私の名は、榊原サカキバラ まさっ「はいどーん」」


魔法使い「勇者さん、いまのはどの辺があやしかったですかねぇ」

勇者「名前の世界観が違う」

戦士「俺には全然わかんねぇな」

僧侶「顔は王国風でしたよねぇ」


町娘「はい、どんどんいきますよー。次のかたーどうぞー」


インテリ風イケメン貴族「我が名は、フンバルト=ヘーデル」


町娘「おおっと、勇者悩んでいるぅ」

勇者「すまない、ご両親の名も教えてくれてるだろうか。」


インテリ風イケメン貴族「父はフンバルト=ミーデル、母はフンバルト=ヘダ「はいどーん」」


勇者は泣きながら、ボタンを押した。


魔法使い「えー、イケメンだったのに」

戦士「俺には全然わかんねぇな」

僧侶「顔は関係ないんですかねぇ」

勇者「彼には、優しくしてやってほしい」


町娘「はーいっ、アウトが続きますねぇ、では次の方、どうぞっ」


おどおどとした男爵令嬢「はい、わたくしの名はロックフィールド・フォン・ステラとお申します。」


勇者はその姿をみて、また悩んでいる。

ステラ嬢は、勇者の悲し気な瞳を気遣い、そっと焼き菓子を差し出した。


町娘「勇者さまー、セーフでいいっすかぁ」

勇者「いや、質問をしたい。」

勇者「趣味は?」

おどおどとした男爵令嬢「お菓子作りと、あとは料理ですね。」


勇者「どんな料理を?」

おどおどとした男爵令嬢「マヨネー「はいどーんっ」」


魔法使い「えー、どういうこと」

戦士「俺には全然っわかんねぇな」

僧侶「適当にやってない?」

勇者「ああいうやつが、実は一番やばい。最後、魔王と結婚したりしかねない。」


町娘「では、本日最後の方でーす。冒険者の方ですねぇ。はりきってどうぞっ」


ごく普通の格好の冒険者「どーもっ ファイナル=ユータです。「はい どーんっ」」


魔法使い「ユータは私もなんとなくわかった。」

戦士「俺には全然っわかんねぇな。」

僧侶「服装が怪しいんじゃないですか。」


勇者「俺には、わからない奴の気持ちがわからない」


町娘「はいっ 今日はここまでぇす。」

町娘「今日はありがとうございましたー。みんなー歯を磨けよー。おへそ隠して寝ろよー。」

町娘「こんな私たちが活躍するお話、「勇者の名前はうんこしたい」も、ぜひ読んでくださいね」


<a href="https://ncode.syosetu.com/n9238es/">「勇者の名前はうんこしたい」</a>

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― 新着の感想 ―
[良い点] おバカなコメディ最高~! こういうのが読みたかった、と感じました! [一言] 多彩な作品を出せるのんびり死体さんの作品、ホラーとかもほんとに恐くて泣きそうになる表現なのですごいなぁと思いま…
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