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07親友は過保護

仕事忙しい(言い訳)

気づけば夕方。昼過ぎに役所にきて魔力測定をしてからもうこんなに経っていたのかー。



ちなみにこの部屋は狙撃対策とかなんとかで窓が無いと聞いた。


ここ、日本だよね?



「真矢さん、伊織ちゃん、今日はありがとうね。時間とらせちゃって御免なさい。細かい手続きとかはまた今度で、今日はもう帰って大丈夫よ」



「いえ、こちらこそ伊織の為に色々ありがとうございます。これからもこの子をよろしくお願いします」



「よ、よろしくお願いします!」



先生と一緒に頭を下げる。



「本当に伊織ちゃんみたいな子で良かったと思っているのよ。本当、魔法省からの緊急アラートが来た時はどうしようかと…」



香奈さんが改めて安堵に息を吐く。



「な、なんかごめんなさい」



「もう。だから伊織ちゃんで良かったって言ってるのよ。細かいことは気にしない、ね?」



そういってウィンクしてくる。



セクシーなお姉ちゃんが出来たなー。



そして私と先生が魔法省の支部を後にする。



魔法省で他の職員達が香奈お姉ちゃんを見るとみんな一様に頭を下げて道を譲る。



香奈お姉ちゃんはかなりすごい人らしい。



そしてそのまま何故か車に乗り込み、孤児院まで見送りに来てくれた。



道中、車の中ではいろんな話をした。



好きな食べ物、好きな色、得意な事、苦手な事etc…



およそ1時間程して到着。



「じゃあ何かあったらさっき登録した番号にかけてきてね、先生、よろしくお願いします。じゃあね」



そういって香奈さんは帰っていった。



マイペースなのに押しが強く、気づけばこちらに踏み込んでくる。


それなのに少しも嫌な気がしない、不思議な魅力のある人だった。


それに美人である。



こんな人がお姉ちゃんだなんて、改めて緊張する。



「伊織、今日はなんだか色々あったね」



「本当だよ、先生。ちょっと疲れたなー」



「ふふ、私もよ」



そういって先生と笑い合う。



「私はちょっと院長先生と話とかあるから、先に行ってて。ちょうどもうすぐ晩ご飯の時間よ」



スマホの時計を見ると18時15分。



ここでは18時30分に食堂で晩ご飯をだべる事になっている。


「晩ご飯の後ならみんな揃っているから、その時にみんなの前で報告しましょうか。…1人暴れそうな子がいるけど、遅かれ早かれよね」



先生が暗い顔をして歩いていく。



どうして私の魔力測定結果で暴れる人が居るんだろう?

そんな事を思っていると、



「おーい伊織ー!遅いじゃねーか!もう夜だぜー!?」



玄関近くにいる女の子に声をかけられる。



手を振りながら歩いてくる女の子はみんなが言うところのヤンキーという見た目だ。



派手に染まったショートカットの赤髪。


両方の耳はピアスがいっぱい。


孤児院で同い年の桐谷円華ちゃん。



あんまり汚い言葉遣いしちゃダメだよ?


っていっても伊織に近づく悪い虫に舐められないようにしないと!


とか謎の理由で却下される。



ちなみに私はそんな樹木の様に虫が寄ってきたりはしない。


円華ちゃんの勘違いである。



「円華ちゃん、ただいま。思ったより時間掛かっちゃった。それにしてもLINE送ってきすぎだよ」



スマホに沢山きた通知につい笑ってしまう。



「いやー、先生一緒なのはわかってるんだけど、遅いと心配になっちゃってさ!こんな事なら私も一緒にいけば良かったよ!」



「ホント、大袈裟だね」



「まぁ無事ならいいんだけどさ」



そういってにっこり笑う円華ちゃん。



「そういえば魔力測定結果、どうだったの?まぁ魔力なんかなかったって気にすんなよなっ」



「それがねー、見てよこれ」



そう言ってポケットの中に入れたライセンスカードを出す。



「測定不能?なんだそれ?少ないのをバカにしてんのか?」


円華ちゃんの言葉に怒気が含まれる。



「違う違う。逆だって。多いの!ビックリだよね」



すると円華ちゃんがきょとんとした顔になる。



「多い?伊織の魔力が多すぎて測定不能ってこと?」



「そうらしいよー!どうだ!」



そういって胸を張ってみる。



「なんだ!そっちかー!紛らわしいんだよな、このカード!そっかそっか!伊織は器おっきいもんな!魔力沢山あっても不思議じゃねーって!」



少しバツな悪そうに円華ちゃんが笑う。

どうしたのかな?


「あ、あの、伊織。その、測定不能って見て、少ないなんて決めつけてごめんな、伊織にスキルとかないの馬鹿にされるのが悔しくって、ついカッとなっちゃって…その…」


なんだー、そんな事か。



「もう、円華ちゃんは気にしすぎだよ。別に魔力が多くても少なくても、私と円華ちゃんはこれまで通りでしょ?」



そういって円華ちゃんを正面からギュとして頭をポンポンしてあげる。


「そ、そそんなのは当たり前だろっ!私と伊織だもんなっ!て、てか、恥ずいからやめろって!嫌じゃないんだけど、ここ外だしー!?」


「ごめんごめん。円華ちゃん、可愛くてつい」


くすくすと笑う。


「バカっ!可愛いのは伊織だってのっ!それに抱きつくのも頭ポンポンも部屋ならいくらでも…なんでもないっ!腹減ったから飯行こうっ!」



なんか1人で捲し立てて行ってしまった。



あ、養子に迎えてもらったことまだ言ってないのにー。



まぁ食後先生が報告してくれるよね。



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