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06魔力なんかより家族が大事?

「持っている潜在魔力量が多い程、コントロールが難しくて、感情の起伏で魔力が溢れちゃうの。特に誰かを傷つけたいとか、そういう感情に強く影響されるのよ」



聞いたことがある。

だから特別な魔力を持ってスキルも特殊な者が心も身体も鍛え上げ、人を害する事がない様な自制心を養い、正しく勇者、聖女になるのだと。



「だからね?人類最大の魔力を宿しながら、それが今まで外に溢れ出していない伊織ちゃんは、物凄くいい子なのよ」



「…そ、それが一つですか?」



シンプルイズベスト!



「それと!もう一つ!伊織ちゃんがね?物凄く可愛いからよっ!」



机ばーん!!

…なんですって?



「真っ白な肌に緑の散った大きい黒い瞳、雲海の様な銀色の髪、こんな可愛い子居て良いのかしら!?」



「確かにっ!この子はとても良い子でとても可愛いです!間違いありません!」



「ほ、褒めすぎですよ!髪も目も、少し日本人らしくないだけで珍しいだけです!」



「しかも見た目の良さを全く鼻にかけない謙虚さ、天使なのかしら!?この子は!?」



「確かにっ!この子はまるで神が遣わした天使なのかと思う時があります!」



なにかフィーバーしてらっしゃるっ!



褒めてくれるのは嬉しいが、私からしたら大人の魅力漂う香奈さん。


優しくてあったかい先生の方がよほど素敵だと思うな。



「私からすればね?人類最大の魔力とかより、伊織ちゃんのその綺麗な心が、1番の魅力だと思うわよ?」



「………そうですね。間違いないです。伊織は伊織です」



先生が香奈さんの言葉にハッとなり、頷く。



「…伊織?香奈さんの事、どう思う?」



「…初対面の私と先生になるべく緊張させないようにしたり、本当は偉い人なのに私達に合わせてくれたり、私は香奈さんの方がとても良い人だと思います」



「伊織ちゃん…」



香奈さんがグスッと鼻をならす。

大袈裟だよ香奈さん!



「そうですね、先生もそう思うわ。香奈さんの養子に、なる?」



「…急すぎてちょっとまだついていけないけど、先生もそういうなら、私もそれが良いかなって、香奈さんと…家族になりたい…かな」



あわあわ、口にすると恥ずかしい!



「本当!?嬉しいわ!」



香奈さんが頬を上気させて私の腕を掴む。



「私の事は香奈お姉ちゃんて呼んでね!?沢村伊織ちゃん!」



「か、香奈お姉ちゃん、私の苗字なんだけど、御門のままじゃ、ダメですか?」



「問題ないけど、どうして?」



「この御門って苗字、先生の旧姓だって、他の先生に聞いたんです」



「し、知ってたの?ごめんなさい!伊織の名前は貴方の入っていたカゴに刻まれていたのだけど、苗字が無くて!当時結婚してすぐで苗字が変わった私の旧姓を使うことに!もっとちゃんと相談して決めるべき…」



「違うの、先生っ!」



違うのに。そうじゃないのに。



「私、それを聞いて嬉しかったの。知らない間に出来ていた先生との絆が、私達を家族にしてくれたみたいで。先生の大事なモノを、ずっとずっと子供の頃に貰っていたなんて」



「伊織ぃ…」



「だからね?私は御門伊織なの。香奈お姉ちゃんも家族だけど、先生も私の家族なの。これからもずっと!」



「伊織ぃー!!私もずっど伊織のごどをむずめだどおもっでだわー!!」


先生が号泣して泣きついてくる。



「伊織ちゃん超級いい子よー!!あとやっぱり沢村の名前もあげたいから御門沢村伊織にしようよー!!」



香奈お姉ちゃん話聞いてた!?



てゆーかなんだろーその歌舞伎役者みたいな名前は?



…こうして、魔力測定器で魔力を測りに来たら、お姉ちゃんが出来て、先生と改めて家族の絆を確かめ合ったのだった。


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