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01魔力測定とは

私、御門伊織は孤児院育ちの15歳。



物心ついた時には都内の孤児院に居た。



赤ん坊の頃に孤児院の玄関に、早朝に捨てられていたらしい。


今時はそんなベタな事する人居ないんじゃない?


この世界には魔力や魔法があり、スキルや異能なんかも存在する。


特に強いスキルを生まれ持って所持していたり、後天的に異能に目覚めたりする様な人は、もれなく人生勝ち組である。



スキルのある無しの差は大きく、ちょっとやそっとの努力では埋められない。




実は私は生まれ持ってそのスキルを…




持っていなかったらしい。




念のために赤ん坊の時に孤児院の先生が役所で計測してくれたのだが、スキル無しだったそうだ。




まぁ強いスキル持ちなら孤児院に捨てられたりしないのかな?



そんな訳で取り立てて目立ったことも無く、平凡な人生を送ってきたのだが、転機は突然訪れた。



なんでも魔法省が個人の潜在魔力を計測する装置を作ったらしい。



今までは魔法を何発撃てるだとか、防御魔法を何分かけれるだとか、信じられないくらいアナログに個人の総魔力量を計っていたのだが、ついに万人に分かる方法で潜在魔力を計れるようになった。




よーし早速私もー!…とはいかず、当然世界で活躍している冒険者や英雄さん達、聖女さんや軍人さん、政治家さん、そしてエリート進学校にギルド関係者などなど、魔法を生業とする、またはその道に進む者が優先で検査を受けていき、私の番が来た時にはあぁー、そんなのあったなーぐらいの気持ちだった。



孤児院の先生に連れられて都内の役所に行き、軽く手続きを済ませて拳くらいの大きさの水晶に手を触れる。



わくわくー!



…ぱりーん!!



あれ?粉々になったんだけど?



「す、すみません、こちらは低魔力計測用の小型機でして!」



むぅー!初めから足元を見られていた事に少し腹が立つ。



まぁスキル無しって書類に書いたし、仕方ないかな。




「お待たせしました。こちらでもう一度お願いします」



女性役員さんが今度は両手で抱える程の水晶を持ってきた。



私の魔力はスキル無しにしては多い方なのかなー?



わくわくー!



…ぱりーん!!



あれ?また粉々なんだけど?



「う、嘘でしょ?中級魔力計測水晶が粉々なんて!?しょ、少々お待ちをー!!」



隣で先生も呆けたように口を開いている。



しばらくすると50代くらいのスーツを来た男性が部屋に入ってきた。



「すみません、上級魔力計測水晶は持ち運び出来ない大きさでして、少しご足労願いますか?」



なんだか顔色悪いよ?


という事で長い廊下を歩き、いくつかの扉を過ぎて役所の最奥部と思わしき場所に到達する。



厳重な扉を開ければ、そこには高さ2メートルはありそうな巨大な水晶が!



「我が役所で最大の魔力計測水晶です。これより大きい物は都内でも、数個しかありません。では、御門様、どうぞ」



いや、これは大げさ過ぎるでしょう。



中級から上級への上がり幅が凄過ぎる。



気づけば50代のおっちゃんと受付をしてくれていた職員さんの他にも、大勢の職員が取り囲み固唾を飲んで見守っている。



何これ?



まぁいいか。



これなら流石にわかるでしょ。


わくわくー!



お?水晶の色が変わっていく!



透明だったのが、青、黄色、赤、紫、と!



「す、凄いぞ!これはかの有名なS級ギルド職員と同じ!」

「い、いや、聖女様や勇者様にも!」

「おいおい…まだいくのかー!?」



なんか騒がしい。



そして水晶の色がいつのまにか銀、金色へと変わり!



ぱりーん!



いや割れるのかい。



「そんな、バカな!?」

「人間1人が持ってていい魔力量じゃないだろ!?」

「これは1人で超戦術級魔法が撃てるのでは?」

「い、いや、全部の水晶割れちゃったから明日から私は何のお仕事をしたら…?」



阿鼻叫喚である。



「すみません、これより大きい水晶は…?」



「「「ありませんっ」」」



ハモられた。



ちょっと怖い。



「えーと、それでは御門さ、様。これが貴方のライセンスカードです」



1時間後、若干白い目をしている女職員さんに手のひらに収まるサイズのカードを発行してもらった。



身分証の代わりになるらしい。



そこには…


御門伊織


スキル   無し


得意魔法  無し


潜在魔力  計測不能



と書かれていた。



うそ?こんなことあるの?



「ねえ、先生、計測不能って……」



あ、ダメだ。まだ口を開いて遠い目をしていた。

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