砂吐き
今日も私は砂を吐く
甘い甘い砂糖という砂
誰もが震え慄く甘い砂
誰もが興醒めする甘い砂
誰もが呆然とする甘い砂
じゃりじゃり入れすぎ
あまあま攻撃
私の砂はああまいぞ♪
砂吐きは己の吐き出す砂に塗れて
砂吐きは己の吐き出す砂の甘さに蝕まれ
砂吐きは己の吐き出す砂の毒気に気付かずに
毎日毎日強固にコーティングされていく
ますます強固になった砂吐きは
カッチコチの無敵状態
ところがどうしてある日いきなりぽっきり折れた
甘い甘いコーティングの中から出てきたのは
しょっぱいしょっぱい干からびた本体
枯れ木に花を咲かせましょうと灰をかけるもしょっぱいまんま
枯れ木に花を咲かせましょうと水をかけるもしょっぱいまんま
どうにもならず、燃やして出た灰を花壇に蒔いたら思いがけずに芽が出た
芽は伸びどんどん蔓を伸ばしてやがて大きな実をつけた
その実は甘い甘いみずみずしい果実
みんなが手を伸ばす、おいしいおいしい果実
おいしい果実の種は翌年またもや蔓を伸ばして実をつける
おいしい果実の恩恵にあずかる人が増えていき
砂吐きは伝説となった
砂吐きは、伝説と、なった
…砂吐きは、伝説に、なれるのかもしれない
お砂糖の甘さにめろめろです。