今から逢いに
続きです。
みゆうはもういないが、彼女にまた逢いに行くと決めたからには、落ち込むことをやめて、いつも通りの生活していた。
でもたまに息が詰まりそうになる程、悲しくなる。
彼女にまた逢いに行くと言ってもここを出たらの話だから。
僕はまだ面談が始まったばかりの段階、いつ此処から出られるのかまだ分からない。
まるで出口のない暗いトンネルをずっと進んでいる様な気がした。
僕の中に逢いたいという思いがストレスという形で降り積もって行った。
それでも僕が急いでもイライラしても面談のペースは変わらない。
待つしかなかった。
そしていつの間にかしょうまも施設からいなくなった。
僕だけが取り残された。
悲しみはさらに増えるものの僕には待つという選択肢しかなかった。
そしてしょうまが施設を去って10日後、ついに僕もその日が訪れた。
夜の7時に児童相談所の高見さんが間に入り僕は父親と面談をした。
久しぶりに父親の顔を見た。
すごく緊張して汗が全身から噴き出てくる。
僕がずっと握り拳を作り膝に置いていた全身に力を入れないと震えてしまいそだったから。
その姿を見て父は
「ごめんなハヤテ」
「俺が悪かった」
「もう酒はやめる事にした」
「本当にすまなかった」
と言い、僕も
「わかった」
と答え、無事に面談は終え家に帰ることができた。
家に帰ると父は
「ご飯は食べたのか?」
と聞いてきた。
僕は
「食べてきたよ」
と答えると父は
「じゃあ今日はもう寝なさい」
と言って自分の部屋へ向かった。
僕もその日の夜はとりあえず寝て、次の日の朝、僕は5時に起き顔を洗い歯磨きをして自分の貯金していたお金を全て財布に入れ自転車で家を飛び出した。
”もう一度逢いに”
読んで頂きありがとうございました。
まだ続くのでよろしくお願いします。