出逢い
続きです。
もしも、読んで面白く感じて貰えれば拡散よろしくお願いします。
次の日、僕は学校へ行った。
傷を見られたくないあまりに僕は授業中ずっと下を向いていた。
正直自分には好きな人もいないし、仲の良い友達もいない。
だから誰にも僕が虐待を受けている事を打ち明ける事は出来なかった。
放課後、帰ろうとした時
「おい君!」
犬塚先生が僕に声をかけてきた。
僕は捻くれるように下を向きながら返事をした。
「何ですか?」
犬塚先生の顔は下を向いてて見えなかったが、とてもずっしりとした、威圧が僕の体に覆いかぶさった。
犬塚先生は僕の両頬を両手で包み込んだ。
下を向いたままの顔を上げられ犬塚先生と目があってしまった。
犬塚先生はとても険しい表情で
「君、この傷どうした?」
と聞いてきた。
僕は慌てて
「え、えっと…」
犬塚先生は僕の腕を掴み、相談室へと連れて行った。
「君の名前は?」
「クラスは?」
「2年2組水本はやてと言います。」
「何があったのか全て説明しろ」
その言葉を聞いたとたん、僕は安心感で自然と涙が出た。
そして全ての事をありのまま話した。
犬塚先生は真剣に悩みを聞いてくれて、全てを話し終わった後犬塚先生は立ち上がり
「ハヤテは帰らずに残っていてくれ」
とだけ言い席を離れた。
1時間後
校長室に呼び出された。
ドアを開けると犬塚先生と担任の先生とスーツの人がいた。
僕が席に座るとスーツの人が話を進めた。
「こんにちは。私は児童相談所の高見と申します。」
「水本ハヤテ君ですね?」
「はい」
「君が来る前に犬塚先生から君の事は聞いたよ。」
「改めて君の口から聞かせてもらえるかな?」
「はい」
僕は犬塚先生の時と同じように話した。
すると高見さんは
「今から一時的に君を保護させてもらいます。」
「なので私と一緒に来て下さい。」
僕はいきなりの事に理解できなかった。
「学校も家にも帰れないけれど、君をお父さんから守るために保護して、これから君とお父さんの間に私が入って話しを進めて行きます。」
そう言われ、僕は車に乗り施設に連れて行かれた。
その時の僕は不安でいっぱいだった。
施設に着くと
「ここには君みたいに親から被害を受けた子たちがいっぱい暮らしている。」
高見さんは僕にそう言って施設の先生に僕を預けた。
施設の先生は
「私の名前は下田と言います。宜しくお願いします。」
「ここでは一時保護といった形で生活します。」
[施設での生活]
7時に起床
↓
朝食
↓
小学生以上は昼まで勉強
↓
昼食
↓
自由時間
↓
掃除
↓
入浴(月・水・金のみ)
↓
夕食
↓
自由時間
↓
消灯
下田先生は説明を終えると他の子と生活する共同スペースへと連れて行ってくれた。
自己紹介から始まり下田先生から
「下の名前だけ教えてあげて」
と言われた。
「中学2年ハヤテと言います。」
僕に続いて他の子たちも順番に言って行った。
「僕はゆめと3才」
「私ははな5才」
「僕はしょうま4年生です。」
「私はみゆう、君と同じ中学2年生」
「みんな仲良くね!もうすぐご飯ができるから」と下田先生は笑顔で言った。
読んで頂きありがとうございました。
次回も良ければ読んでください。