冒険者登録がやっとできるみたい
連日投稿です。次話は遅くても1週間以内には投稿したいなっと思ってます。
冒険者登録をするのにお金が必要なのを有金全て使った後に言われた二人は親切に教えてくれた男達に要らないと言われた飴ちゃんを無理やり押しつけて、お金を稼ぐためにギルドを出た。因みに、絡んだものの、二人がアホ過ぎて可哀想に思い途中から親切になった男達はランクCの冒険者で名前はロバートとエイジーンだ。
「お金要るとか聞いてないってー」
「村を出る前にお父さんが言っていたような気もするのよね、気のせいかもしれないけど」
「ウチの親父とか絶対言ってないからな、親父もアホやもん。ってか、なんぼ要んねやっけ?」
「確か二人で銅貨十枚だったはずよ」
「やったら余裕やな」
もちろん、一人銅貨十枚である。アホな子はちゃんと説明してくれたのに人の話を聞かないのだ。今更だが銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚で、一般的な食事付きの宿屋に一泊するのに銀貨十枚が必要なのだ。
「どっかで日雇いの仕事みたいなん無いかなぁ?」
「あったとしてもギルドの方でしか仕事斡旋してくれないんじゃないかしら?」
「嘘やん、じゃあもーなんか売るしかないやん、何売ろか?」
「あれを売ればいいんじゃない? 何だっけあの意味不明なサンダル」
「『気持ち、速く走れるかもしれないサンダル』な、ちゃんと覚えとけよー」
「そうそう、そんな名前だったわね。で、それ売りましょうよ。折角買ったのに一切履いてないじゃない」
「そりゃあサンダルで歩き続けんのはしんどいやん。まぁそれしか無いもんなぁ。よし売ろ!」
こうして二人は、もはやただのサンダルと思われる物を売りに向かった。
「あのー、このサンダル売りたいんですけど、いくらで買い取っていただけますか?」
「あー、銅貨八枚だね」
「あともうちょい、どないかなりません? これ、さらぴんやねんけどなぁ」
「なら二枚追加して合計十枚で買ってやるよ」
「さっすがおっちゃん! わかってるぅ」
そうして銅貨十枚を手に入れたナンシーとレイチェルはギルドに再び戻った。勿論もう十枚銅貨が必要だが二人はちゃんと覚えてなかった。
「すんませーん! 冒険者登録しに来ましたー」
「あぁ、先程の二人ですね。お待ちしておりました」
そう言って二人に対応したのはギルドの受付嬢のミーナだ。
「では、二人分で銅貨二十枚頂戴します」
「え? 二十枚? 二人で十枚やないん?」
「えーと、先程そちらのロバートさんとエイジーンさんが一人十枚だと説明してくださってたと思うんですけど」
冒頭でも話した通りロバートとエイジーンは2人がアホな事を少ないやりとりで見抜き、二人で合計二十枚の銅貨が必要な事を伝えていた。
そんなやり取りをギルドの酒場で聴いていたロバートとエイジーンはナンシー達がちゃんと理解してないのに気付かず送り出した事に罪悪感を覚え
「あー、なんだ、お前たちにさっき絡んだ詫びとして、これやるよ」
そう言って二人に銅貨十枚を渡したのだった。
「え!? いいんですか? ありがとうございます!」
「おっちゃん達ありがとーな!」
二人はアホだがキチンとお礼を言える子達なのだ。
「これで冒険者登録できるねんな?」
「はい。銅貨二十枚で二人分登録させていただきますね」
「お願いします」
「では、此方の登録用紙に名前と決まっていれば職業とあと、パーティを組まれる場合はパーティ名をお願いします」
「名前は隆盛ナンシーで、職業は決まってないから書かんでよくてっと、あとパーティ名どないする?」
「私も職業は決まってないっと。んー、『マーケイヌ』とかどうかしら?」
「なんか響きかっこええやん! それにしよ!」
「でしょ? 私も咄嗟に浮かんだ物にしては良いセンスしてると思ったのよ」
「じゃあこれでお願いしまーす」
「はい、隆盛ナンシーさんと、信野レイチェルさんで二人とも職業は決まってなくて、パーティ名は『マーケイヌ』でよろしいですね?」
「はい、それでお願いします」
「では受理いたしました。改めまして、ミーナと言います。これからよろしくお願いします。ギルドカードが明日できますので、お渡しさせていただく時にギルドの規定などをお教えします。それまで依頼など受け付けれませんご注意ください」
こうして二人は無事冒険者登録を終えることができたのであった。また、無一文なので今晩泊まる宿代や食事代などがない事に二人が気付くのは夜になってからだった。