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その3




 教えてもらった通りに、間違うことのないように、僕は3階の武器庫へ向かう。


 アリナ先生に起こされ、全く分からない職員室で目が覚めた時は、今すぐ叫び周りたかったけれど、同じような体験をした人がいると分かった今、少し安心できる。


 武器庫へ向かう途中も僕は、周りを観察し続ける。


 階段には歴代の校長先生らしき人の写真がずらりと飾ってある。全員、立派なひげを生やしていて、金のローブを纏っている。迫力、貫禄があり、今にも動き出しそうな写真が階段の始まりから終わりまで並んでいる。

 このヴェレノア学園は相当な歴史のある学校なのだろうか。

 写真の隣に小さく書いてある灼熱魔法だとか治癒魔法とかはその人の得意だった魔法なのだろうか。

 

 僕は歩き続ける。


 ヴェレノア学園内の茶色を基調とした素晴らしい壁や絢爛豪華な内装の数々は慣れるのには時間がかかりそうだ。薄汚い高校からいきなりヨーロッパのような建物に来てしまったものだから差が凄い。


 そして!そんなことより!僕が職員室を飛び出してから一番気になることがある。

 

 僕がフラフラしている内に学校は昼休みになったみたいなので、廊下を歩いていると、こんにちはと生徒から沢山声をかけられるが、当然誰も知らない生徒達なので軽く会釈してやり過ごす。


 しかし、さっきから挨拶してくれるのが生徒だけならいいものの、魔法生物みたいな小さいドラゴンやどう考えても地球の生物ではないような手のひらサイズの獣まで挨拶してくる。オークってやつかな?


 他にも吸ったら絶対ヤバい粉をギラギラとまき散らす冷蔵庫ぐらいの大きさの蝶や、なんとも可愛らしい森の妖精みたいな生物もいる。


 アリナ先生にもっと質問しておくべきだった!知識がほしい!誰か助けて!

 

 僕はそれらにいちいち立ち止まり、怯えながらも歩き続ける。



 やっとのことで武器庫の入り口に着いた時は気持ちはヘロヘロだ。

 どうやら、この中にグラディオ先生はいるようだ。

 一安心。

 しかし、ここからが本番だ。

 自分に気合いを入れ、覚悟を決め、武器庫のドアをノックする。

    

 コンコン

 

 「すいませーん。グラディオ先生。いますか?」


 


 「はいはい。いま開けまーす。」


 なんと中から、女性の声がした。

 グラディオ先生って女の人なの!?



 そう衝撃を受けていると、

 

 「あら!ソラ先生じゃない!グラディオ先生は第三飼育場で暴れているペガサスの対応に行ってるわ。あなたも行ってあげなさい。」「最近、よく暴れるものねぇ。」



 どうやらこの人はグラディオ先生ではないようだが、とんでもない仕事を任されてしまった。


 「あの、僕は記憶が‥‥」


 自分のことを説明する暇もなく、その女の人は武器庫の中へ入ってしまった。



 やっとの思いで、武器庫に着いた僕は、どうやら次は第三飼育場に行かねばならないらしい。




 解決しなければいけない疑問は沢山あるがそれは飼育場にいるらしいグラディオ先生に聞くとしよう。


 僕はさっきから見る魔法生物にも、ペガサスという言葉にも心が躍った。



 





 




  あれ?第三飼育場ってどこだ?



 



 



 

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