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第五節:思惑

ううっ遅れてすいません。再就職、資料集め等でなかなか続きに手が出せませんでした。

相変わらずごちゃごちゃしてますがよろしくお願いします。

 「何者からか村を救ってほしい。ですか」


 ギュラは、そう口にすると、手を口に持っていくと何を考え始めた。


 「村を救うたぁ、なかなかデカイ依頼じゃないか」


 アイリは、嬉々としてそう呟くと、目を細めてククッと笑った。

 そんな呟きを聞いたロゼは、不機嫌そうにキッとアイリを睨みつける。


 「貴様、不謹慎にもほどがある。その影で苦しむ者、悲しむ者がいる事を忘れるなっ」


 引き起こす側にも…と、何かを思い出したのかそこで話を打ち切ると渋い顔をして視線を逸らし、そんなロゼの反応が面白くなかったのかアイリは、けっ。と、顔を逸らした。

 そんな依頼持ってきてしまった手前、目の前で明らかに不機嫌になる二人に、あうあうっと涙目であたふたする、アビス。


 「ロゼ。アイリを許してあげて下さい。純粋に大きな仕事が出来て嬉しいだけなんですから。アビスさんも困ってらっしゃいますよ」


 流石に見かねたのか、考え込んでいたギュラが苦笑いを浮かべながら仲裁に入る。

 端から見れば姉達の仲裁している弟に見えなくも無い。雰囲気や言葉遣いで忘れてしまいそうだが、この中で最年少は、間違いなく15歳のギュラなのだから。

 アビスは、そんなギュラの言葉に渋々といった感じに態度を改める二人を見て、つい微笑ましい眼差しで見てしまう。そんな風に見えてしまったのだから仕方のない事だろう。


 「さて、では。先程の話、もっと詳しく教えていただけませんか?」


 「あ、はいっ」


 不意に、ギュラに話を振られたアビスは、慌てて先の微笑を消し、表情を引き締め語りまじめた。

 

 「近隣の村で、行方不明者が相次いで出たのが事の始まりでした」


 アビスの村、イニティウムは首都ロンドンから遥か北にある森の奥深くに存在していた。

 その周辺には、人、精霊、幻獣、亜人などが住むいくつもの村があり互いに協力しながら、細々としかし、逞しく生活を営んでいた。

 だが、ある時を境にその生活が脅かされる事になる。

 濃い霧が発生していたとある夜。突如、亜人の村でボブ・ゴブリンの家族がその姿を消し、更に数日後、今度は人間の家族が姿を消した。それからも、決まって濃い霧が立ち込める日に限っていくつもの家族が姿を消した。

 最初の内こそ、家族旅行か何かの用事で家を出たのかと思っていた村の者も、こうも立て続けにしかも、様々な村で失踪が相次いで起きては、異常としか言い様が無かった。

 危機感を感じた各村の村長は、会議を開き結果、この地に古くから住み力もあり生命力が抜きに出ていたイニティウムの人狼達が各村周辺の警備をする事に決定したのだった。


 「しかし、被害はそれだけでに止まりませんでした」


 「……今度は警備する者が失踪を遂げてしまった。ですか?」


 アビスの言葉を受け継ぐ様に呟いたギュラの言葉に、力無く頷いてみせるアビス。その顔は、苦痛に歪んでいた。


 「馬鹿なっ!軍警察は何をしているのだっそんなに被害が拡大していれば動かぬはずが無かろうにっ」


 「ああ、確かになあ。あたし達、『賞金稼ぎ(バウンティハンター)』に頼るより、そっちの方が確実だし、金もかからねぇし」


 この世界では、警察と軍は分化されておらず、国家憲兵制度が当たり前なのだ。

 その理由とは、分化しても意味を成さないからだ。何せ相手の殆どが特殊能力者であったり、人外ばかりで下手をすれば町が廃墟になりかねない。そんな者達を相手に、わざわざ分化し警察、軍と分け統率を乱すより、元々軍として活動する方が強力な武装が出来るし、統率が執れるに決まっている。

 無論、警察の様な組織が無いわけではない。軍が動かない様な小さな事件、警備、取締り等は、民間の警備会社、バウンティハンター、技能管理組合が請け負う事になっている。無論、有料でだ。


 「……多分、アビスさんいえ、村長さん方は既に軍警察へ要請しているはずです。でも、断られた。違いますか?」


 ギュラの言葉に、はいっと大きく頷いてみせるアビス。ギュラはそれを見て、やはり…と呟いた。


 「よー、ギュラ。なんか知ってるのか?軍警、動かねぇ理由」


 「知っていると言うかテレビ、新聞等で、掲載されていますよ。かなり小さい記事ですが」


 アイリの問いにそう答えると、えっ!と言う顔になる女性陣、それを見たギュラは…見てないんですね。と呆れる。

 ギュラは、クローバーにお願いします。と頼むと、ノート型パソコンをテーブルの上に置き操作してみせる。


 「どうぞー。今月の初めに掲載された記事でぇす」


 クローバーは、細かい文字が表示されたモニターを女性陣に向けてそう言うと、三人は食い入る様に見つめ始める。


 「えーとなになに。ギリシャより飛来したセイレン群により、イギリス近海を航行するタンカー、客船、漁船など艦船の被害が深刻化している。あぁ、そう言えば大家のバーさんがそんな事言ってたな」


 「これを重く見た政府は、イギリス軍並びに国家憲兵隊の派遣を決定。編成は…」


 「……なんだこの編成はッ!国内がほぼがら空きではないかッ」


 アイリ、アビスが記事を読み上げ、後ろで黙って読んでいたロゼが、編成の表を見た途端、絶叫する様に叫んだ。


 「ええ、ロゼの言う通りです。その『発表』を見る限り、今、国内にいるクーデター組織を押さえ込む事は、ほぼ不可能でしょうねぇ」


 「当たり前だ。こんな編成を発表すれば…ッ!まさかっ!」


 ギュラの発表の部分を強調した言葉に、はっとした顔になるロゼ。

 ロゼは、神妙な面持ちでゆっくり言葉を紡ぐ。


 「……この発表は、クーデター組織を根絶やしにする為の偽装だとでも言うのか?」

……戦闘が遠退いている気がする。

もう少し、説明文ぽいのが続きますが、お付き合いよろしくお願いします。

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